150420先日、井上雄彦×ガウディ展を見てきました。
井上雄彦さんは漫画家で、代表作は『スラムダンク』『バガボンド』などです。『スラムダンク』は連載終了から10年以上たっていますが、心をふるわす名言がたくさんあります。興味を持った人はぜひ一読してください。
アントニ・ガウディは19世紀から20世紀にかけてスペインのバルセロナで活躍した建築家です。サグラダ・ファアミリアが有名ですね。そのガウディの人生を井上雄彦さんが絵に描いたものやガウディの設計図や模型の展覧会でした。

「天才の仕事だ。」

ガウディは言うに及びませんが、井上雄彦さんについても同様の感想を持ちました。圧倒的な表現力に打ちのめされました。
大学時代、先生は漫画研究会(漫研)に所属していました。大学に入るまで漫画を描いたことがないどころか絵すらもろくに描いたことがありませんでした。なんの因果か成り行きで漫研に入ることになりました。
このサークル、本気で漫画を描こうとする人たちの集まりでした。先輩たちの描くものと自分が描くものの落差に愕然としました。それはそうですね。先輩たちは幼稚園のころから絵を描いていたような人たちですから、比べるのもおこがましい話です。
完全に心を折られた先生は、ある日、部長に退部のお願いをしました。「自分には才能がないので辞めせてください」と。部長は、「才能なんて関係ない。絵がうまくなりたいなら、描いて描いて描きまくるしかない」と諭されました。先生はその言葉を信じ、もう少し続けてみようと思い退部を踏みとどまりました。
それから時間があれば絵を描く生活をしました。先輩たちのようなレベルには到達しませんでしたが、以前の自分より明らかにうまく描けるようになりました。そこからは描くのが楽しくなり卒業するまで漫研にいました。

いま圧倒的な画力を有する井上雄彦さんですが、『スラムダンク』の1巻を見返してみるとうまいと言えない画力でした。現在の仕事ぶりをみて、「天才(1031)だ」「才能がある」という一言で片づけてしまいますが、子どものころから連綿と続く努力の結晶が今の姿であることを私たちは見落としがちです。
誰しも最初は出来ないものです。初めてやることですから、うまくいくはずもありません。いまでも先生の机の引き出しにはサークルに入ったばかりの絵が残っています。我ながらあまりの下手さに冷や汗が出ます。
その当時はうまく描けないから面白くない、やりたくないと思っていました。しかし、先輩の一言で我慢してやり続けることでそれなりに描けるようになりました。出来なくて苦しくても続けることでしか上達しません。それはどんな世界でも同じことです。

いま勉強ができなくて苦しい思いをしている人がいると思います。才能がないと嘆かないでください。勉強を止めないでください。みなさんは才能が不足しているのではありません。勉強をしている時間が、努力の量が不足しているだけです。
苦しい時間を乗り越えた先に本当の楽しさ面白さが分かります。あきらめず続けてみてください。

スラムダンクに登場する安西先生も言っています。
「あきらめたらそこで試合終了ですよ」

150413皆さんは「アマゴ」と言う魚を知っていますか?
サケの仲間で、一生を河で過ごす魚です。
先生の住んでいる岐阜県の長良川は、天然のアマゴで有名です。多くの釣り人が、とても長い釣竿を使ってアマゴを釣っています。
4月の今ぐらいの時期から5月にかけて旬を迎え、塩焼きにして食べるとほっぺたが落ちるほどおいしいですよ。

また、アマゴはとても縄張り意識が強い魚でもあります。
河の決まった場所に自分だけの住処を持って、他のアマゴが来ると体当たりをして追い払います。当然、体の大きな強いアマゴはより広くて、えさが豊富な縄張りを持ち、中くらいのアマゴは少し狭い縄張りを持ちます。
そして住みやすい場所は限られていますから、さらに体が小さいアマゴはほんの少ししか縄張りを持てません。

では、さらにさらに体が小さいアマゴはどうでしょう。
彼らは縄張りを持つことができません。住みやすい場所は全て別の、体の大きなアマゴにとられてしまったからです。仕方なしに小さなアマゴは河を下っていきます。海へ下るわけです。
でも、アマゴの体は淡水(しょっぱくない水)で生活するようにできているので、海水(しょっぱい水)の中ではとても息苦しいわけです。海へ下ったアマゴの中には途中で命を落とすアマゴもたくさん居ます。

こうしてやっとの思いで海へ下った小さなアマゴは、広い海で大きな縄張りを持つことができます。つらい海水のなかで懸命に努力するわけですね。広い縄張りと豊富なえさのおかげで、海へ下った小さなアマゴの体はぐんぐんと成長します。
そして、河で広い縄張りを持っていた大きなアマゴよりもさらに体が大きくなったころ、深緑色だった鱗がなんと銀色に変わるのです。
全身が銀色のうろこに包まれた大きなアマゴは「サツキマス」と呼ばれるようになります。

かつて体が小さかったアマゴは、数々のつらい事苦しい事を乗り越えて大きく成長しサツキマスになりました。いつもいつも楽に成長できるわけではありません。
これは人間でも一緒です。今までよりも難しい問題にチャレンジするとき、新しい友達と最初に会話するとき、通う学校が変わったとき・・・・・・。つらいと思うことがあるかもしれません。しかしつらいと思うことを乗り越えようとがんばっている時に、人は一番成長します。
つらい事から逃げずに努力を続けることが一番大切なことだと先生は思います。

最後にサツキマスの話をもう少ししましょう。海へ下ってサツキマスになったアマゴは、ある時期に故郷の河へ帰ります。そうすると、河にずっと住んでいたアマゴは体の大きさにびっくりして尻尾を巻いて逃げ出します。
こうして小さかったアマゴはサツキマスとなって、最後には一番大きな縄張りを得ることになるわけです。

150406この原稿を書いている3/30現在、春の選抜高校野球選手権大会では4強(ベスト4)が出そろっています。
先生の地元(福井県)からは、敦賀気比高校が昨年の夏の大会に続いて4強に入っています。
昨日の準決勝では静岡高校と対戦し、9回裏でのサヨナラ勝利を収めた今年の敦賀気比。確かに野球は9回裏・2アウト以降(あと一人…)の土壇場でのサヨナラや逆転が起こりうるスポーツ。観客はこういった展開に大いに感動し、純粋でまっすぐな高校生たちの「ドラマ」に気持ちが高揚します。
(※編集部注 4月1日に敦賀気比高校は北陸勢で初優勝を成し遂げました)

先生が学生時代、地元の福井商業高校が春の選抜大会で準優勝しました。北陸代表としては初の準優勝だったと記憶しています。このときの決勝戦は、今でも脳裏に焼きついています。
結果は0-2で浜松商業に敗れたのですが、当時の常識(世間の前評判)では、特に春の大会は「雪国の代表校は勝てない」というものでした。理由は単純。冬場は積雪や降雪のために練習ができないから(不利だから)というものでした。しかし、そんな理由は昨今の各種スポーツの結果をみる限り、何の根拠にもならない気がします。
冬場に屋外練習する機会に恵まれない分、屋内でどうトレーニングしていくか。まさに、物理的な(外的な)マイナス要素をいかにプラスに転じさせるかを「メンタル面」も含めて「コーチング」していく監督やコーチ、そして保護者の支え。こういった要素が選手たちのモチベーションや総合的な力を確実に上げていくのだと感じています。
今大会は高校生の野球の全国大会が開催されてから100年目の記念すべき大会だと、テレビで数十年ぶりに「開会式」を観たときに知ったのですが、敦賀気比高主将の篠原くんの落ち着いて一言一言をかみ締めるような選手宣誓の中には「大好きな野球ができることへの周りのみなさんへの感謝の言葉」がしっかりと入っており、こちらも大いに感動しました。
 
さて、ティエラに通うみなさんは、目標に向かっての新しい年度のスタートを切りました。自分自身の向上心の元、あるいは家族の期待や願いを受けての「通う目的」を持ってのスタートです。

9回裏でのサヨナラや逆転劇を入試や進学時に見せるというより、自分の目標を「高く
掲げて、この1年で「どうやってそこに到達するのか」を先生たちと共有しながらスタートするような「逆算の思考」で春のスタートを切りませんか?
「先行型で確実にステップアップ! 節目節目を迎えるまでの「先を見越した生活実践!
「能開五訓」の中の「断じて中途でやめるな。中断はゼロである。」というフレーズを今一度みなさんと共有して、新しい道を「永く」歩みたいと考えています。

150330春の時期、古来より人々の心をつかんで離さない、桜。
歴史では日本独特の文化が生まれた平安時代以降、花といえば桜をさすほど日本では馴染みのある植物です。満開に咲きほこる艶やかさは新しい出会いのワクワクさを連想させ、その反面散り際の潔さは武士のはかなさを現してもいるようでもあり趣深いですね。
さて、その桜の花がきれいに咲く条件を皆さんはしっていますか。

桜は冬の厳しい寒さのもときれいな花のもとをせっせと作り、春の暖かさを感じ一気に開花します。厳しい環境は大きな力を蓄える条件なのです。ある程度の期間寒さにさらされないと開花できないのです。
このことは皆さんも同じではないでしょうか。これからの人生、苦しいと感じる体験が待ち構えているかもしれない。大きな壁が立ちはだかるかもしれない。もしかすると能開の予習や宿題、ノート評価の厳しさもそうかもしれませんね。ですが、その苦しさを乗り越えた先に本当の愉しさがあるのです。
桜が花を咲かせるには日本のようなはっきりとした四季が必要であり、みなさんがこれからの人生で笑顔を咲かすには強い意識、はっきりとした士気が必要になります。
ワンランク上の目標は簡単には届かないものです。だからこそ覚えておいて欲しいことは、厳しさは必ず皆さんの成長につながるということです。
来年度も様々なことに挑戦してください。

最後に、受験生が困難な時期をのりこえ手にした受験合格の便りを「桜、咲く」と表現することは風情があって素敵だと思いませんか。

150323家人(奥さん)に怒られた。
正月までにはと思っていた自室の片付けがいっこうに進まないからだ。さらに時間がたった分悲惨な状態になり、重い腰を上げて再開した。たいへんなのと片付けの才能がないので家人に応援を頼んだが、スパッと断られた。

一人さみしいのでラジオを聴きながら、とにかく続けた。その途中、モノであふれかえっている部屋をながめ、あきらめ半分にボーとしていて、ハッと気付いた。「総量」が変わっていないのだ。
整理整頓と称して、これは右、これは左と動かしても、並べ替えているだけで、部屋全体にあふれかえるモノの総量が減るわけではないからだ。
至極、当たり前のことだが、これに気付くと気付かないとでは、かなり違う。あふれかえっていたら外に出さないと収まらない。逆に、足りないなら外から入れないと足りないまま。目先ばかりにとらわれて全体を見渡さないと、問題の根幹の解決にはならず、その場しのぎでしかなくなる。それでは部屋の外に出さねばと、物置にせっせとモノを運び入れた結果、久しぶりに床が見えた。たったそれだけで、幸せ感でいっぱいだ。

さて次。物置がいっぱいになりかけていることに気がついた。家人に怒られるかもしれない。そうか、家全体のモノの総量は減っていないのだ。いよいよ捨てるしかないのか。断捨離か。さて、どうしよう。家人から見れば小さなことだが、当人にとっては大きなことだ。「悩みは尽きないな。生きているんだもの。」という相田みつをさんの言葉が浮かぶ。「手伝ってくれないか。」の一言が言えない。

その空間をながれるラジオで、武田鉄矢さんがこんなことを言っていた。
「人という字は人と人とが支え合ってできている。金八先生の名言ですが、これは嘘。
人という字は、ひとが立っている形を表した字です。人は一人で立って歩いていくものです。
武田さん、そりゃないよ。その昔、感動したんだ。物置の片づけを一人でしなさいってことか。

そのとき呆然としながら考えたことがある。「モノ」と「悩み」は同じだ。尽きなく増え続け、左右に動かしても置き直しても解決に至らない。すき間がみえたら幸せ。そんなものを年中持ち歩いているのが「人」だ。モノを持ちつつも一人で立って、そして支え合っていければいい。理想だろうけれども。そうですよね、金八先生。

(終礼で「後日談)
結局、先生のしらない間に、物置に蓄えたものを家人(一番怖い人)が一気に捨ててしまいました。呆然としましたが(笑)、なんとなく幸せでした。

150316同じカリキュラムで、同じ時間(3年間)を過ごしてきたはずなのに、なぜ学力差がつくのでしょうか?

先日、東京マラソンを見ました。日本人トップでゴールした今井正人選手を応援していました。30km過ぎまでは先頭集団にくらいついており、「優勝できるのでは?」というかすかな期待を抱きながら見ていましたが、結局は先頭集団からは遅れてしまい、2時間7分台という好記録を出しましたが、全体順位は7位と世界のレベルとの差を見せつけられました。

マラソンにおいては日本人が練習をしていないわけではありません。最後まであきらめない姿勢も見られます。でも、現実には世界レベルには到底およばないというのが、今の日本のマラソン界の現状です。しかし、あきらめない姿勢を持ち続けて練習を続けていけば、日本人のマラソン選手からいつの日か世界トップランナーがでると信じています。

君たちはまもなく、高校受験マラソンという1つのマラソンが終了します。しかし、次のマラソンはまだ続きます。「大学受験マラソン」というマラソンです。

君たちは「大学受験マラソン」のスタートをいつ切りますか?

「高校受験終了直後」「高校入学式の日」「高校での成績がやばくなった1年生の秋ころ」
「高校3年生で部活動が終了したあと」

よく君たちはいいます。「高校受験の勉強で疲れたから、少し休んでからスタートしたい」
と。しかし、本当にその考え方はあっていますか?高校受験が君たちのゴールではありませんよね?

受験というマラソンは「よーい、ドン」でスタートするのではなく、スタートの時期を自分で選べます。君たちは「早くスタートを切り先頭集団で走っていきますか?」「それとも遅れたと分かってからスタートしますか?」

スタートする時期によって、君たちの入れる大学および未来は変わってくるのではないでしょうか?

スタートを早めて、先頭集団に入ったとしても、その集団にくらいつく、または飛び出すための努力が必要ですし、遅れてしまってから追いつくには倍の努力が必要になります。受験はマラソンと同じく、他者との競争です。「自分のペース」だけ守っていても遅れてしまう可能性があります。

大学入試に向けての「大学入試マラソン」のスタートはまもなくです。スタートの切り方で君たちがどの位置についていくか、言い方を変えると君たちの未来は変わっていきます。

君たちが希望する将来に向かって、次の「大学入試マラソン」に挑んでいきましょう。

150309_02やがて全ての受験生が受験を終わらせます。
ゲームやテレビを我慢し、ときには寝る時間を削ってまで勉強する姿を数多く見てきました。目標に向かって、必死に頑張り続けるかっこいい姿です。
さて、この頑張りは一体どこにつながっていくのでしょうか。

皆さんは「太陽の塔」って知っていますか?
昔のことなので皆さんは知らないかもしれないですが、愛知万博の前に日本で開かれた万博、「大阪万博」のときに建てられた塔です。

この太陽の塔には3つの顔があり、それぞれの顔にはメッセージがこめられていると言われています。

<塔の背面>無表情な顔をした黒い顔があります。
これは、一部の人々が、物の豊かさや経済的発展を求めるあまり、人の不幸、例えば公害を生み出した、「過去」を意味しています。

<塔の正面>苦しい顔をした白い顔があります。
これは、急速に技術や産業が発展していく中で、自然が破壊され、人間の心まで破壊されていくことに苦しんでいる様子、万博当時の「現在」を意味しています。

<塔の頂上>黄金の顔があります。
「過去」と「現在」を受けて、物の豊かさだけでなく、自然との調和や人の心の豊かさも求める姿を表しています。これから進むべき「未来」を意味しています。

大阪万博が開催された当時は、「科学技術の進歩が社会を豊かにして、人を幸せにする」と皆が思っていた時代です。
だから、科学技術に合わない太陽の塔の建設は多くの人に猛反対されたようですが、塔を作った岡本太郎さんは「人間の本当の豊かさ」を求めて建設を進めました。
大阪万博が終わり、太陽の塔は、ほかのパビリオンと同様取り壊される予定でした。しかし、「撤去反対」の大署名運動が巻き起こり、パビリオンでの中では太陽の塔だけが残りました。建設を反対された太陽の塔だけが、40年以上たった今でも緑あふれる万博記念公園の中に残っています。
そして、皆さんのよく知る愛知万博、「愛・地球博」へとつながっています。

さて、冒頭の”頑張りのつながる先”ですが、受験勉強も講習会の勉強も、努力して入学した学校での勉強も、大阪万博のようにいつかは終わります。そのときに残るものは「何を目標に努力したか。そして、目標に向かって頑張った自分、立ち向かった自分」だけです。志望校に合格した、講習会の宿題を終わらせた。これらもとても大切なことですが、「どんな目標を立てたか、どのように合格したか、どのように宿題を終わらせたか」が、何十年と皆さんの心に残り皆さんを支え続ける、結果以上に大切なこと。そんなことを太陽の塔は教えてくれて
います。

講習会がスタートします。
自分の目標をもう一度確認し、講習会が終わった後も、自分の誇りとなるような勉強にしていきましょう!

150302今日は「たまご」の話をしたいと思います。
「コロンブスの卵」という言葉は、みなさんも聞いたことがあるでしょう。「誰にでもできることでも、最初に実行し成功するのは難しい」という意味で使われますね。
大西洋航路を発見したコロンブスが、成功をねたむ人々にたいして「卵を立ててみてください」といい、誰にもできなかったところ、殻を一部わることで簡単に立ててみせた。それなら誰にでもできると主張した人々にたいする見事な反論の逸話ですね。
このときのたまごは「ゆで卵」だったらしいのですが、実は「生卵」なら底をつぶさなくてもふつうに立ちます。

たまにスーパーで買ったたまごパックを教室に持ち込んで実演しますが、これがかなり楽しい。
先生がこの事実を知ったのは、小学生のとき図書館で借りて読んだ科学本に書いてありました。その日さっそく台所の冷蔵庫に向かい、時間はかかりましたが3個のたまごをテーブルの上に立てることに成功しました。何遊んでるの!と母には叱られましたが、立っているたまごを不思議そうに見ていた顔をいまだに覚えています。

必要なもの、
1. 新鮮な生卵(笑)。
2. 根気と集中力。
以上。これだけです。

新鮮なたまごの表面はざらざらしていますが、これが重要。あとは指先で重心を意識しながら、バランスをとる。たまごによって立ちやすい立ちにくいものがあるので、何個かためしてみるといいでしょう。
生徒のみなさんにやってもらうとよく分かるのですが、たまごが立つことを信じている又はたまごが立つことを知っている子は成功させるのが早い。半信半疑な子はすぐに諦めちゃいますね。他の子がたまごを立たせるのに成功したのを見て「ほんとにできるんだ」と分かってからようやく成功させます。

実はこのことは、みなさんの学習にもあてはまります。「この勉強を頑張って続けていたら必ず上手くいくんだと信じて又は知っていて取り組んでいる人は、受験でも何でも成功しやすい。この感覚が分かれば、今よりももっと勉強ができるようになりますよ。

まずは、先生を信じてたまごを1個立ててみましょうか。

150223今日は、皆さんにある少女のお話をしたいと思います。
その少女は1997年にパキスタンのミンゴラに生まれます。ミンゴラは近くにはスワート渓谷があり、この渓谷には、滝や緑豊かな丘陵があり、四季の彩りが豊かで、地元の人は「地上の天国」と唱っています。この美しい自然の中で彼女は育ちました。数学が少し苦手でしたが、将来は医者を目指して、お父さんが経営する学校で勉強にはげんでいました。

しかし、そんな緑豊かな楽園に悲劇がおとずれます。2007年から、パキスタン・タリバン運動というテロ組織がこの地域の政治を動かすようになります。この組織は様々なものを禁止していきます。
・映画やテレビを見ることの禁止。
・音楽を聴いたり、おどったりすることの禁止。
・ひげを剃ることの禁止。
・ポリオワクチンの接種の禁止。
・女生徒が学校に行くことを禁止。
・女性の買い物の禁止

これらの命令に従わない者は、
顔に酸がかけられる、家や学校が爆撃される、さらに公開処刑され、その死体は広場にならべられる・・・現在の日本では考えられないような現実が次々とおこっていきます。

けれども、そんな日常をなんとかしようという人も現れていきます。この少女のお父さんもその一人です。このお父さんの友人がジャーナリストでした。少女はこのつながりから、イギリスの主要テレビ局のウェブサイトにスワートの現状というブログを書き始めました。スワートの人々がどれだけ過酷な日々を送っているかをリアルタイムで伝えるためです。もちろん、命を狙われる危険があるため、ブログネームを使いました。また、テレビに出て「どうして学校に行く権利を取り上げようとするのですか?」と自分の意見を主張したことも何度かありました。少女が11歳のときです。

12歳になった少女は、母に新しい夢を伝えます。「私、政治の道に進むべきだと思う。この国の役に立とうとすると紛争が多すぎるでしょ。わたしが解決したいの。パキスタンを救うために」・・・そして、テレビでブログを書いていたのは私です。と公表します。すると彼女のところにはテレビの出演依頼が殺到します。彼女の肩書きも「スワートの女子学生」から「子どもの権利を訴える運動家」に変わりました。少女は信じています。「学校を作って全ての人に教育を施すことが、タリバンというテロ組織と戦う最善の方法だと。」

テレビの出演が増えると、少女や少女の父には脅迫の手紙が何通も届くようになりました。少女の父の友人たちは、「少女を留学させたほうがよい。命が危険だ。」と何度も伝えてきます。そんなとき少女はこんなことをいいます。「おじさんは素晴らしい人だけど、それは勇気の教えに背くことだわ」と。

そして2012年10月9日、15歳になった少女は通学途中に銃撃に合います。頭部と首に2発の銃弾を受け、2ヶ月半の入院生活をします。奇跡的に一命をとりとめた少女は、電話口で父にこう伝えます。「こっちにくるとき本をもってきて。試験勉強がしたいから。」

2013年7月12日、少女は国連本部でスピーチをする機会を得ます。少女はスピーチの締めくくりにこんなことを呼びかけます。

親愛なる兄弟姉妹の皆さん、何百万人もの人が貧困、不正、無知に苦しんでいることを忘れてはなりません。何百万人の子どもたちが学校に通えていない事実を忘れてはなりません。わたしたちの兄弟姉妹が、明るく平和な未来を待ち望んでいることを忘れてはならないのです。
ですから、本とペンを手に取り、全世界の無学、貧困、テロに立ち向かいましょう。それこそわたしたちにとってもっとも強力な武器だからです。
一人の子ども、一人の教師、一冊の本、そして一本のペンが、世界を変えられるのです。
教育以外に解決策はありません。教育こそ最優先です。
 
少女は、現在イギリスの高校で勉強しています。近い将来パキスタンに帰るために。

先生の話は以上になります。この少女の生き方から何かを感じ取っていただけたら幸いです。

120216みなさんは法隆寺の五重塔を知っていますか?きっと歴史の授業で習ったと思います。この五重塔は今から1300年以上前、飛鳥時代に建てられた世界最古の木造建築で、ユネスコの世界文化遺産にも登録されています。

さてここで問題です。法隆寺の五重塔には屋根が何枚あるでしょうか?

「5枚!」

と答える人が多いのではないでしょうか。だって塔の名前が「五重塔」なのですから。
では実際に確認してみましょう。(参考書や資料集に載っているので調べてみてください。)何枚ありましたか?正解はなんと「6枚」です。五重塔なのに不思議ですね。

なぜ「6枚」なのか少しだけ説明します。実は5枚目の下の屋根を裳階(もこし)と言い、奈良時代に入ってから付け足されました。裳階は建物を風雨から守る役割があります。また塔の外観を美しく見せる効果もあります。

先生もこの事実を2年ほど前に知りました。そのきっかけは東大寺へ旅行に行ったとき、たまたまそこにいらっしゃったガイドさんに「法隆寺に行ったら五重塔の屋根の数を数えてみて」と言われたからです。「数えなくても5枚でしょ!」と先生は思ったのですが、念のため真相を確かめに法隆寺へ行きました。そしてこの目で屋根が「6枚」であることを確認したのです。その時は本当に驚きました。それまで法隆寺の五重塔の屋根は5枚だと思い込んでいたので、数えることをしていなかったのです。

同じようなことがテスト中にも起こります。プラスとマイナスを勘違いしたなど、問題文を「思い込み」によって解いたため、ミスをしてしまったのと似ていますね。この「思い込み」によるミスはもう一度解いてみたり、本当にその答えで正しいか確認したりすれば軽減できます。つまり注意深く問題文を読んだり、見直しをきちんと行ったりすることが大切なのです。「思い込み」によりミスをするかしないかは「自分の心がけ次第」なのです。

そろそろテストの日が近づいてきていると思います。ぜひテスト中に見直しする時間を確保して「思い込み」によるミスを撲滅してください。