170417『継続は力なり』という言葉を知っていますか?
「数学の点数をのばしたい!」とか、「部活動でレギュラーに入りたい!」とか、
「コンクールで入賞したい!」とか、「ダイエットしてやせたい!!」とか…
どんな目標でも、それを達成するために一番重要なのは、『努力を継続する』ことです。

はじめは皆やる気があって努力するのですが、それが「続く人」と「続かない人」がいますね。
続かない人はおそらく、「頑張った成果が見えなくてやる気が続かない」のではないでしょうか?
「勉強したらすぐに点数が上がった!」なんてことはほとんどありません。世の中そんなに甘くはないのです。でも、成果がなかなか見えない努力を続けるのは難しいですよね・・・

では、どうすれば努力を継続することができるのでしょうか?
ここは逆転の発想で、成果が見えるようにすればよいのです。
例えば、勉強すると毎回、TVゲームのように「計算力が3あがった」とか「読解力が5あがった」等が分かるとしたらどうでしょう?成果が見えると、やる気が沸いてくる気がしませんか?
「続く人」の多くは、このような成果が見える化されたシステムを持っているのです。

もちろん能開にもありますよ。それが赤線の余白の活用です。「今日は○○を覚えた」とか、「昨日わからなかった□□が理解できた」ということを、ノートに余白に書きましょう。その日勉強した内容を振り返る時間を取るとともに、その成果を紙に残すことによって、少しずつだけれども着実に、自分が成長していることがわかるはずです。ノートの工夫は能開流の「見える化システム」なのです。

「見える化システム」のポイントは『毎日確認・毎日記録』すること。
先生はこの間まで某有名トレーニングジムに通い、このシステムを使って体重14kg、体脂肪率10%を落とすことができました。
具体的には、毎日体重と体脂肪率を計測してトレーナーさんに報告。更に、毎回の食事をスマホで撮影し、摂取カロリーや成分をすべて報告していました。
とても面倒ではありましたが、毎日少しずつ減っていく体重と、鏡の前の自分が変化していく姿を見ていると、お米やパンが食べられないことなど苦ではありませんでした。

努力が続かないのは、自分がダメ人間だからではなく、周りの環境やシステムの問題です。
みんなも「努力を継続する」ために、成果の「見える化システム」を作りましょう。

170410昨年は台風や洪水に見舞われ、異常気象という言葉をよく耳にしました。しかし、近年感じるのは夏の猛暑と冬の雪の少なさです。これこそ異常に思えてなりません。
そこで、いま地球でどんなことが起こっているのかを一緒に考えてみたいと思います。
異常気象の大部分は地球温暖化が原因で起こっていると考えられます。
温暖化によって南極の氷床が融け出し、グリーンランドにある雪の堆積面積はここ数年で20%ほど減少しています。永久凍土の融解、氷河の後退などが各地で起こり近年は1年で3㎜以上の速度で海面上昇が観測されています。

温暖化によって蓄えられた熱は海洋が巨大な貯蔵庫となって吸収してくれています。もし、海に蓄えられた熱を全部大気が吸収していたら、いまよりも30℃も気温が上昇すると予測されます。我々は海のおかげで生き永らえているといっても過言ではないのです。

ところで、気温が高くなると、それにともなって海水温が高くなります。そうすると海水の蒸発量が増え、雲が発生してきます。また、気温が上昇すると、大気中に含まれる水蒸気の量が2倍、4倍、8倍、…とすさまじい勢いで増えていきます。その結果、巨大な雲が形成され短時間に爆発的な雨をもたらす原因となるのです。また、海面水温の上昇は対流を生じさせ、低気圧になったところに風が吹き込んで上昇気流を起こし、お互いの相乗効果で、より破壊的な台風を生み出します。日本でも最近、「ゲリラ豪雨」や「爆弾低気圧」といった言葉が使われるようになりました。

地球温暖化の原因を探ると、そこには産業革命以来、石炭や石油の燃焼によって排出された二酸化炭素を中心とした温室効果ガスがあります。温室効果ガスによって地球は毛布をかぶったような状態になっており、ガスが増えると地球がどんどん暖かくなります。
大気中に微々たる量しか存在しない二酸化炭素がこれだけの大きな影響をもたらす原因といわれても想像できないかもしれませんが、二酸化炭素は1度発生するとなかなか分解しないところが厄介なのです。寿命は300年~500年と非常に長く、長期にわたって蓄積されると、熱の収支バランスを崩すこととなるのです。

これまでは、森林や海洋、土壌が二酸化炭素を吸収してきましたが、その吸収能力をはるかに超える速度で増えており、どんどん溜まっているのが現状です。世界の熱帯林や森林は大量伐採によってずいぶんその面積を減らしてきました。さらに森林の「高齢化」が進んでいます。森林は100年近く経つと、光合成による二酸化炭素の吸収はほぼゼロになり、吸収源として機能しなくなります。呼吸を促すには伐採と植林を進めて、新陳代謝を促す必要があるのですが、森林による吸収はほぼ限界に達したと言われています。

そこで、吸収できないのであれば、排出を抑えようという考えのもと、二酸化炭素の排出量を世界全体で2050年までに半分にする必要があるいという話が出てきたわけです。先進国は8割削減をサミットで掲げています。いま可能な限り温暖化対策を講じないと2050年以降気温の上がり方のスピードが5倍になるという予測もあります。

温暖化が地球の生態系に与えるダメージはかなり深刻です。1.5~2.5℃の平均気温の上昇により約20~30%の種の動植物が絶滅の危機に瀕します。また、海水中に多くの二酸化炭素が溶け込んで海洋が酸性化することによって、海洋中のプランクトン、サンゴ、貝類、甲殻類にダメージを与えます。そうなると魚にも影響が出ることは必至です。

昨年、話題になったウィルス性の熱帯伝染病デング熱はヒトスジシマカという蚊に媒介されますが、その分布域が北上しており、また、1年のうちの生息期間も長くなっているためウィルス感染リスクが高くなっています。また、蚊媒体の感染症であるマラリアも地球温暖化の進行により、日本が汚染地域に入るリスクが高まります。

温暖化による干ばつや洪水などによる被害は貧困を招き、感染症の拡大や自然資源の争奪などの紛争にもつながります。それがさらに貧困を深刻化させていくという負の連鎖が起こり得ます。

温暖化は決して将来の問題ではなく、今の問題です。そして国を越えて地球に住むすべての人々が取り組むべき問題です。エアコンの温度設定や使わない電気はこまめに消すなど身近なできることから行動を起こさなければ、取り返しがつかない状態になりかねません。自然の変化はある臨界点を越えると一気に進行します。じわじわとその臨界点が近づいている気がして仕方ないのは杞憂でしょうか。

170403さあ、今週から新学年、新学期ですね。
何事も始まりが肝心、とはよく言いますが、新学年の勉強の始まりはいつでしょうか。
今週から?来週から?それとも新学年のガイダンスが終わった後から?
いやいや、ティエラ生の君なら間違いなく「すでに始まっている」と答えてくれるでしょう。

オリンピックではフライングすれば失格ですが、勉強にフライングなんてありません。ですので、新しいクラスで君の隣に座っている彼や、斜め前の彼女が、もうすでに新学年の範囲を学習しているかもしれないのです(君ももう始めているよね!!)。

さて、オリンピックといえば去年ブラジルのリオ五輪が開催されましたね。日本は過去最多の計41個(金12、銀8、銅21)のメダルを獲得しました。そのうち陸上男子400Mリレーの銀メダルを覚えていますか?日本男子トラック競技初の銀メダルです。第1走者(山県亮太さん)、第2走者(飯塚翔太さん)、第3走者(桐生祥秀さん)、第4走者(ケンブリッジ飛鳥さん)の100Mの自己ベストはそれぞれ(10秒05、10秒41、10秒01、10秒10)4人の合計は40秒57。世界大会でメダルを取るためには「400Mを4人で37秒台」が必須条件であることを考えれば、100Mを9秒台で走る選手がいない時点でメダル獲得は厳しいと言われました。しかし、結果は銀メダル。タイムは37秒60。

何が起こったのでしょうか。何がタイムを縮めたのでしょうか(それも劇的に!!)
それは、バトンリレーです。

リレーではバトンを走りながら次の走者に渡すために20Mの「バトンゾーン」が設定されています。バトンゾーンで次の走者は加速し、速度が乗ったところでバトンを受け取ります。しかし、全速力で走りながらのバトンリレーは非常に難易度が高く、陸上競技が強いあのアメリカでさえミスが起こります。ですので、バトンリレーが上手ければ個人で敵わない相手にも勝つことができるのです。日本は極限までバトンリレーを磨き、無駄をなくして銀メダルを獲得したのです。

新学年が始まる時期、長期休みの前後、テストの後など、勉強にも次の目標に向けて頭の中を切り替える「目標のバトンゾーン」があります。この「目標のバトンゾーン」を上手く使える人は、学年が上がるほど成績も上がっていきます。ほかの人が「少し休憩」だと思っている時間が、君にとっては「目標のバトンゾーン」なのです。

新学年が始まりましたが、君は目標のバトンゾーンで上手く加速できていますか?まさか、「まずは生活リズムに慣れてから・・・・・・」なんて言ってませんよね?
新たな目標に向けて最高のバトンリレーをする。そんな新学年のスタートであってほしいと先生は思います。

1703274月から新学年のスタートです。新しいことへのチャレンジや勉強を頑張ろうと心に決めるタイミングでもありますね。その前に、一度今までの自分を振り返ってみてください。

みなさんは新しい学年、学期、夏休みなどの長期連休になると、「よし!これから頑張るぞ。」と決意をよくしませんか。
何かのタイミングをきっかけにして頑張ろうとすることは1つのやり方としては良いものだと思います。ただ、一過性のものでは意味がないですよね。
例えば、ノートの最初はきれいだけどそのうち空白なページがあったり、適当にノートをつくってしまったりなど、何度も同じ失敗を繰り返したことはないですか。

なぜ、同じことを繰り返してしまうのでしょうか。それは、自分がやってきたことを振り返っていないからかもしれません。
例えば、勉強をやらなくなっていく時期には何の行動をするのかを考えてみましょう。例えば、スマホ、ゲーム、漫画などなど何か別の行動をとっていることも多いのではないでしょうか。
他にも小さい弟、妹がうるさくて集中できないとか、そういったことをまずは、自分にベクトルを向けて改善しましょう。

スマホ、漫画の誘惑に負けるのなら、周りに協力してもらい管理してもらいましょう。周りの人たちに勉強環境を乱されると感じるなら、場所を変えてみる(自習室や図書館の利用)、親御さんに頼んでみるなど周りではなく自分から動くことでしか変えられないと思いましょう。

新学年になり勉強をがんばろうとする気持ちに加えて、これからずっと学習量を確保していくためにもまずは自分に反省点を見つけてベクトルを向け勉強環境を作り出し学習をスタートしていきましょう。

170321人間は自立して生きていかなければならない。しかし、自分ひとりでは生きられない。今日は、そんな矛盾を含んだ人生の一面を少し垣間見るお話をしていきたいとおもっています。

ある、中学1年の男の子がいました。その子は反抗期まっさかり、変なプライドがでてきて物事を正しく見ようとはしません。

ある日、この男の子はお父さんが買った小さなおんぼろのヨットで静岡県の西部を流れる天竜川の船着場から遠州灘に向けて帆走を楽しんでいました。この子のお父さんは、子どもが救命具もつけず、Tシャツと海水パンツでヨットのへりに腰掛けている姿に不安を覚え、子どもに声をかけます。「お~い、救命具ぐらいつけろよ!」しかし、この男の子は「大丈夫だよ、もう十分泳げる年齢だよ。」といって、お父さんの気持ちをさえぎってしまいます。しかし、その後突風がきて、その小さなヨットはひっくり返ってしまったのです。

男の子のお父さんはヨットに捕まっていたので、ヨットから流されずにすんだのですが、男の子は予想していない出来事だったため、海の中に投げ出されてしまったのです。遠州灘の潮の流れは速く、男の子はヨットからどんどん離れていきます。男の子はあせりました。ヨットに向かって懸命に泳ぐのですが、ヨットとの距離はどんどん離れていきます。Tシャツが肌に張り付いてうまく泳ぐこともできません。男の子はどんどん不安に襲われていきます。そして、ついに声を振り絞って・・・「助けて~、助けてくれ~」と泳ぎながら声をあげました。

この声を聞いてお父さんもあせりました。ひっくり返ったヨットから離れて、子どもに向かって一目散に泳ぎだしたのです。お父さんの泳ぐスピードは早くあっというまに男の子のところまで泳ぎつきました。男の子は安心し、お父さんに抱きつきました。そのときです。男の子に抱きつかれたお父さんは泳ぐことができなくなり、男の子ともども海の中に沈んでいきました。そのまま・・・2m~3mとどんどん沈んでいきます。男の子は安心して目をパッチリ開けていたため、自分とお父さんが海に沈んでいく様子、そしてお父さんが苦しそうにしている様子がはっきりわかりました。そしてこのままだったら二人とも確実に死ぬということをはっきりと理解しました。

男の子はお父さんから離れ、自力で海面まで泳ぎ顔を出しました。そして、潮に流されながらでもなんとか口だけは出していようと決心しました。体も疲れ果てました。海水も何度も飲みました。それでも口だけは海面からだしていよう、いや出さなければ死ぬと思い懸命に口だけを海面から出し続けました。

それからどのくらいのときがたったのでしょう・・・男の子はよく覚えていません。気がつくと目の前に小さな釣り船があり、その釣り船から人の手がでてきて、男の子を船の上にひっぱり上げてくれました。しばらくして、男の子が横を向くと、男の子のお父さんも船の上でひっくり返って寝ていました。男の子は助かったと心の底から思いました。

男の子はなぜ助かったのでしょう・・・
もし、男の子がもしお父さんにそのまましがみついていたら・・・
人は、自分で生きなければと思うと、勇気がでるものなんですよね!

ちなみに、この男の子は中学1年の時の先生です!

170313いろいろな困難に直面したとき、誰かのせいにしたり、境遇を恨んだりすることがあります。
そうすることで自分を納得させ、向き合わず、避ける。自分もそんな一人です。
ドラマのタイトルではないですが、逃げることも確かに役に立つことも多いです。しかし、そうしたところで解決にならないし、前に進まないことを皆、経験していると思います。

大震災から6年経ちました。この時期になると思い出す卒業式の答辞があります。部分的ですが、紹介したいと思います。

大震災が起きてから数日後、気仙沼市立階上中学校で卒業式が行われました。多くの人が被災し、家族、友人が亡くなった人もいる中で行われました。そこでの答辞になります。

「・・・自然の猛威の前には 人間の力はあまりにも無力で 私たちから大切なものを 容赦なく奪っていきました。天が与えた試練というには むごすぎるものでした。つらくて 悔しくてたまりません。・・・しかし 苦境にあっても 天を恨まず 運命に耐え 助け合って生きていくことが これからの 私たちの使命です。・・・後輩の皆さん 階上中学校で過ごす「あたりまえ」に思える日々や友達が いかに貴重なものかを考え いとおしんで過ごしてください。・・・」
※「文部科学白書2010」階上中学校答辞より一部改変
 
この思い、決意に頭が下がります。そして、もう一つ大切なことを教えてくれています。失ってみて、初めて分かること気付くこと。物的なものもそうですが、あたりまえと思っていることが、実はあたりまえではない。そして、それこそ真に大切なものだということです。

ぜひ、インターネット等で映像や、全文を検索し、見て、読んでください。

170306いよいよ各地区の県立高校入試直前になりました。不安や期待が入りまじる落ち着かない時期ですね。ここは、「やるべきことはすべてやった。あとは当日を迎えるだけ」と腹をくくって目の前のことに集中しましょう。

とはいうものの、こういう時はやれることはすべてしたいものですね。インターネットで調べると、いろいろな「おまじない」が出てきます。「受験票を塩の山の上に置く」「5人で部屋の角に行き、落ちのない話をする」・・・・・・。いろいろ出てきました。

そういう「おまじない」の中で、「これは効果が高そうだ」というものを紹介します。能開を卒業して東進でがんばっている高校3年生の男の子のお父さんと、つい最近お話をしていた時のことです。ちょうど国公立大学の前期日程の翌日でした。

私:「前期終わりましたね。後期は小論文だけだと聞いています。少しほっとしているところですかね。」
お父さん:「いやいや、ふだんどおり勉強しています。誰かに聞いたおまじないらしいのですが、『前期日程が終わっても、後期日程に向けて勉強し続ける生徒は、前期日程で合格する可能性が上がる』そうです」
私:「そのおまじない、とても効果が高いと思いますよ」

なぜ前期日程が終わってからも勉強を続けることで、前期日程の合格の可能性が上がるのでしょうか?
「ゴール」(と思われている節目)は「停止位置」ではありません。「ゴール」を「停止位置」と考える人は、ゴール前でスピードが緩んでしまいます。しかし、「ゴール」を、あくまでも「通過点」であると考える人は、その「ゴール」を「トップスピード」で通過します。

また、「ゴール」は次に向けた「スタート」でもあります。前期日程の試験は終わりましたが、まだ合格しているかどうかはわかりません。それならば、後期日程に向けて全力で準備をする。そういう考え方のできる人は前期日程でも合格する可能性は高いにちがいありません。

高校入試を迎えるみなさん、高校入試は人生の大きな節目のひとつです。だからこそ「次」が大事なのです。入試が終わった後の「次ののための勉強」という、とても効果の高い「おまじない」、やってみるとよいのではないでしょうか。

170227学年の変わり目です。受験に向けて準備をしている人、先を見て学習に励んでいる人、様々いると思います。そのような忙しい時期には目の前の物事に追われて、心に余裕がなくなってしまうものです。だからこそ周りに心配りをして欲しいのです。

プリンターなどでおなじみのリコー創業者、市村清さんのお話です。
市村さんは銀座に土地を購入しようとしていました。当時の銀座は老舗のお店ばかりでなかなか譲ってくれる人はでてきませんでした。ある雪の日に市村さんは交渉のため老舗の婦人を訪ねますが、彼女は顔さえ見せてくれませんでした。翌日、婦人が市村さんの申し出を正式に断るために市村さんの会社を訪ねます。雪道はぬかるみ、会社に着いた頃には衣服も履物も汚れていました。それを見た事務員が婦人の雪を払い、自分のスリッパを準備して、凍える身体を包み込むようにして案内をしました。感激した婦人は「事務員さんへの行き届いた指導を見て、あなたを信用する気になりました」と土地を譲る決断をされたそうです。そこには銀座三愛ドリームセンターが建っています。

事務員さんの対応のすばらしさが挙げられています。客人をもてなすことは当たり前かもしれませんが、ひとつひとつの心配りで目的であった土地が手に入ったという凡時徹底の大切さを説いたお話です。

ですが、この話の真のすばらしさは、その心配りを受け止められる婦人の器の大きさにあるように感じます。相手の言葉や行動を受け止めて感謝できる気持ちはとてもすばらしいのではないでしょうか。市村さんもこの土地を受け継ぎ大切に使おうと考えたのではないかと思います。

みなさんも、親や友人、先生から励ましの言葉をかけられていると思います。時にはその言葉が重たくて苛立ったり、煩わしく思うこともあるかもしれません。ですがしっかり受け止めて自分の力に変えて目標を達成してください。

170220先生が小学6年生のとき、生まれて初めて海外に行きました。
行き先は中国です。おじさんが住んでいたこともあり、先生と妹の二人で移動しました。直行便の飛行機で中国に向かい、無事空港でおじさんとおばさんと合流できました。
初めての海外、そして子供だけの移動。今から考えると、子供にこんなことをさせるなんて、なんて無茶苦茶な親なんだと思いますが。

さて話を戻しますが、食べることが大好きな先生は「中華料理」を思いっきり食べることがこの旅行の一番の楽しみでした。到着したのが夕方だったので、すぐにおじさんが予約してくれたレストランに行きました。
早速注文をしようと思うのですが言葉を知らないので何と言っていいかも分からないし、恥ずかしくて大きな声も出せなかったので、ウエイトレスは誰一人として振り向いてくれません。
そのとき、おじさんから「大きな声で『レンロイ』って言ってごらん。振り向いてくれるよ」と教えてもらいました。

とても恥ずかしかったのですが、ありったけの勇気を振り絞って「レンロイ!」と叫びました。すると、周りにいたウエイトレス全員が振り返り、こちらに近づいてきたのです。

初めて知ったことを実際に使い、自分の力でウエイトレスを呼ぶことに成功したこの瞬間は、今でもハッキリ記憶に残っています。

いよいよ新学年に進級・進学するときが近づいてきました。能開でもいよいよ新学年準備講座が始まります。新しいことを「知る」ことは楽しいのですが、もっと楽しいのは「知ったことを実際に使い、自分の力で出来た」と感じたときです。
そのためにも、新学年の参考書を隅から隅まで読み込み、大切だと思うことや初めて知ったことをノートにまとめて、「今回の授業で取り扱う内容を知ってるぞ!」という自信が持てるような予習をしましょう。そして、予習を通して知ったことを、この後の授業や復習でドンドン使ってみてください。「自分の力」で答えが出せたとき、とっても勉強が面白く感じますよ。

最後になりますが、教えてもらった『レンロイ』という言葉の意味、何だと思います?広東語で「美しいお姉さん」という意味だそうです。そりゃ振り返りますよね。

170213ダイバーシティという言葉を知っていますか。東京のお台場にあるショッピングセンターじゃないよ。あれは「DiverCity」。
今から説明するのは「diversity」。日本語に訳すと「多様性」と言う意味です。元々は技術的な用語で、複数のアンテナを立てて、そのうちの電波状況の良い方で受信する技術のことだそうです。

それが最近は社会的な用語で使われることが多くなりました。人間には個性や特性があって、その違い(性別や人種、宗教、思想、学歴)をお互いに認め合い、それを活かすことで、世の中が元気になり、社会が発展していくという考え方です。簡単に言うと、「人間は色々あって良いじゃないか」ということです。

例えば生物について考えてみましょう。世界中には様々な生物がいて、寒さに強い生物、暑さに強い生物、乾燥に強い生物など、色々な特長をもっています。だからこそ、大寒波や大熱波が来ても、生物は全滅せずにここまで生きのびてきたのです。同じ特性だったら、いっぺんに全滅していたはずです。

同じことは私たち人間にも言えます。例えばサッカーチームで、シュートを打つのが得意な選手が11人いたら、そのチームは勝てるでしょうか。パスを送るのが得意な人、カットするのが得意な人、ゴールを守るのが得意な人がいるチームの方が強いはずです。同質の人間ばかりが集まったチームは、変化に弱くもろいものですが、一人ひとりの個性が力を発揮するチームは、全体として強い力をもつことができるのです。ダイバーシティという考えです。

いま、自分と違う考え方や宗教、人種の人を排除する動きが世界中で広まりつつあります。自分のまわりさえ良ければよい、同じような仲間が集まり、それで安心できるという考えです。とても浅い考え方ですが、人間はついつい引き込まれてしまいます。

もしかして学校でもそんな考えが広まっているかもしれません。でも、皆さんの隣の机に座っている人は、きっと自分とは違う素敵な部分を持っているはずです。私たちは色々あっていいんです。生物も人間もそこから始まったのですから。

まわりの人を認めてあげよう、大切にしよう、そこから始めてみませんか。