171127大学4年生だった先生が、就職もなんとか決まったときに、大問題が発生しました。
そしてそのときに叫んだ一言がこちら。
「もっと前から準備しておけばよかった!」
卒業論文がぎりぎりまで出来なかったのです。(これがないと卒業できません)
心で泣きながらパソコンや資料とにらめっこし、寝る間も惜しんで作りました。なんと2週間で。全くほめられたものではなく、体調も論文の中身も評価もボロボロでした。教授には悲しい声で、もっとちゃんとやってほしかったなぁ。と言われました。それが一番つらかった。

さて、「もっと前から準備しておけばよかった!」ということば。
皆さん、どこかで聞いたことがありませんか?よく聞きますよね。テスト前とか、受験前とか特に。
何故こんな言葉が口からでてしまうのでしょう?理由は簡単です。まさかこんなことになるとは思っていなかったからです。自分の行動を考えて、未来の自分がどうなっているかを考えていなかったのです。 
大学4年生だった先生が、「卒論なんて、まぁ何とか出来るんちゃう?」と余裕ぶって過ごしていたときに、どんな資料を集めて、どんな内容にするのかを考えて、行動計画を作って動いていたら、きっと「もっと前から~」なんて言葉出てこなかったことでしょう。
そのためには、準備を万全にする必要がありますよね。そのためには、どうしたら良いと思いますか?
まずは、考えてください。
1 やらないといけないことの量(宿題や提出物など)
2 完成までにかかる時間
3 とりかかる日
4 理想の状態
5 このまま宿題のことなど忘れて、自由に過ごすと、提出直前の自分はどうなっているのか

これを考えて行動すると、案外行動できます。行動計画を紙に書いて見えるようにしたら更に良いかもしれません。
皆さんもやってみてください。これは、未来を予測して、準備を行うということです。焦って行動しても、出来は悪いし成果も得られません。
何が必要で、何をしなくてはいけないのか。常に考えて準備をする、行動する。これが出来たら、とても優秀な人物になれると思います。
私はこれがとにかく苦手です。小さいときからやってこなかったツケが大人になってからやってきています。皆さんは今からこういう行動を練習して、なれてほしいと思います。先生の苦い経験もふまえて、皆さんはたくさん考えて準備できる人物に成長してください。

171120みなさんは「苦手」とどのように向き合っていますか?
時間をかけてたくさん練習したり、じっくり参考書を読んで理解しようとしたり、あるいは、諦めてしまって考えないようにしてしまったり…。

先生が苦手に向き合うときにやることは、
頭の中に「なぜ?」を問いかけてくれる先生を想像することです。

「なぜ苦手なのか?」を自分に問いかけるのです。
そして、その問いかけの返事にさらに「なぜ?」を問いかけるのです。

たとえば数学で、
「なぜ数学が苦手なのだろう?」
→「方程式の文章問題ができないから。」
「なぜ方程式の文章題ができないのだろう?」
→「何を書けば良いのかわからないから。」
「なぜ何を書けば良いのか分からないのだろう?」
→「何を求めれば良いのか分からないから。」

こうすれば、「何を求めれば良いのか」が理解できれば、苦手の克服に1歩近づきますね。
さながら、大きくて分厚いステーキを口に入る大きさに切り分けていく感覚と似ています。
先生は「苦手」はお化けに似ていると思います。
まっすぐ向き合うのが怖かったり、逃げたかったり…。
でも、勇気を出して向き合えば、案外へっちゃらだと気づくこともあります。

大事なことは、「逃げずに向きあう」ことです。
そして、「苦手を克服した自分」「苦手が得意になった自分」
をイメージして立ち向かい続けることです。
いつのまにか、苦手を好きにしちゃう自分がそこにいます。

苦手とは裏を返せば、自分が大きく成長できる種と同じなのです。
冬期講習会でしっかりとその芽を出し、育てて大きな花を咲かせていきましょう。

171113先日、あるテレビ番組の中で「1グラムあたりの値段ランキング」というコーナーがありました。面白い内容だったので今日はそのことについて先生が感じたことを話します。
そのコーナーは題名の通り、物の値段を1グラム単位で算出し、値段の高いもの順にランキングする(※ただし、金などの素材そのものに価値のあるものは除く)といった内容でした。ランキングはここでは省略をしますが、先生が特に気になったモノを例として2つ紹介します。

一つ目は、一般的な乗用車:約2円/1グラム。
二つ目は、シャーペンの芯:約35円/1グラム。

なんと1グラム単位で見れば、高価な車よりも、皆さんが普段何気なく使っているシャーペンの芯の方が高くなるのです。
この事実に先生は大変驚いたので、別の角度で考えてみることにしました。

例えば、高い買い物をした覚えがなくとも気が付けば毎月のお小遣いを使いきってしまっていたという経験はありませんか?
安いからといって何も考えずに使っているとそれが積み重なった時知らず知らずのうちに大きな金額となっているのです。

一方で、これをお金でなく 「小さな目標」 で置き換えてみるとどうでしょうか。
例えば・・
・苦手な英語を克服するために毎日英単語を5個ずつ覚える
・毎朝30分早く起きて勉強をする

一見、ささいなことに思えますが、毎日小さな努力を積み重ねると大きな力となります。
小さな目標と思っていることでも、積み重ねているうちに大きな目標を達成していくことになるのです。
このように、少し物事をちがう角度で見てみると普段見えているものとはちがうことが見えてきます。

冬期講習会まであと約1ヵ月。
それまでにあなたは、どんな小さな努力を積み重ねていきますか?

17110610月11月はテストがたくさんありますね。
学校では中間テスト・期末テストがあり、塾ではEXオープン模試や検定など多い人はこの2ヶ月で6つ以上受けている人もいるでしょう。
さて、これらは何のために存在しているのでしょうか。

部活動や習い事に全力で打ち込む小中学生をよく見ます。
とてもいいことです。
ただ、最近は学校のテストの前日でも部活があるようで大変ですね。

先生は中学時代、ソフトテニス部に入部していました。
その時指導についていたコーチが鬼コーチで、あの時の練習を振り返るとよく耐えていたなと思います。
しかしグリップの握り方やフットワークについてアドバイスされたことを、その後の練習で意識して変えていくことで確かに成長していると感じました。
そして上手くなるから更に好きになる。
だから厳しくても頑張ろう。
こんな調子で3年間あっという間に過ぎました。

次に高校時代ですが
高校生になったら絶対ギターをするんだ!と、テニスラケットをギターに真似て夢見ていましたが、色々な経緯があってジャズバンド部のベースを担当することになりました。
ギターは既に始めている上手い友だちがいたので譲りました。
ジャズバンドに入った私ですが、実は楽譜が全く読めません。音の長さも分からない。
部活の先生も驚いていました。
そこから基礎練習の日々です。
特に休符の取り方が苦手で何度も何度も怒られながら練習をしました。
最終的には全国の高校が参加する大会で3位になり、みんなで泣いて喜びました。

さて
運動部と文化部の両方を経験した先生ですが、どちらも自分の苦手を教えてもらい、それらを乗り越えるために練習をしていきました。
繰り返しやることによって出来なかったことを出来るようにしたのです。

冒頭にお話した模試やテストを受ける意味はもうお分かりですよね。
そうです。自分の苦手を知るために存在するのです。
これらは避けていけるものもありますが、受ければ受けるほど自分の弱点が分かり、何をどう頑張ればいいのか見えてきます。
闇雲に練習するのではなく、弱点を知って、練習していくことが大切です。

模試の結果が返ってきたら自分の現状と向き合い、取り組んでいきましょう。

171030「不撓不屈」(ふとうふくつ)
好きな言葉です。というより憧れの四字熟語です。
この言葉の意味とは、「どんな困難にも負けず、挫折しないで立ち向かうこと。諦めないで困難を乗り越える」ということです。

なぜ憧れるかというと、これまで生きてきた半世紀は諦めや挫折だらけで、私の性格や行動と対極にあるものだからです。学生時代から社会人になって果たして何度挫折や諦めを味わったことか。例を挙げるときりがないほどの挫折マンです。

この言葉をいつ知ったかというと、私が中学校時代に太平洋戦争で出征した海軍軍人の自叙伝を読んだことでした。この人は海軍の戦闘機パイロットで200回以上出撃して戦い、命のやり取りをするのですが、その最中に敵機の銃弾を頭部に浴びて右目を失明し瀕死の重症を負いながらも、その後4時間以上飛行機を自ら操縦して基地にたどり着いたり、あるときは片目が見えないため見張りが疎かになり不意に敵機15機に取り囲まれ、15対1の絶望的な状況になりながら、驚異的な操縦術と精神力で逃げ切ったという経験の持ち主です。この偉人の座右の銘が「不撓不屈」。

私はこの人の強さにも憧れましたが、それよりもどんな窮地に追い込まれても諦めず困難を乗り越えていく強烈な精神力と行動力は、とても想像だにできず、ある種の畏敬の念を抱かせたものでした。

この人の人生は、特殊な環境(戦前・戦中の日本)のなかでの培われたものなので今と時代が違うわけですが、私もかつて何かの困難や壁にぶつかった時に、この偉人の苦労や困難の経験と比較して、「自分の苦労なんてほんとに小さなものだ。」と自分自身を鼓舞したり、「この偉人ならどう考えてどのように立ち向かっただろうか」、と考えたものです。また、できれば自分もこの言葉を座右の銘として、いつか堂々と出せる人生にしたいと憧れたものです。

学生の皆さんはこの古めかしい言葉をきいて、あまりピンとこないかもしれません。
また、私と同じように挫折や諦めを乗り越えられずにいる日常を送っている人もいるかもしれません。

しかし、そんな自分から脱皮したいと思いませんか。今よりも強い自分になりたいと思いませんか。

もしその気持ちがあるなら、ただそれだけでいいのです。前述の偉人のようなとてつもない精神力なんてなくても大丈夫です。その言葉に少しの関心をもって、ほんのちょっと強い自分になってほしいと思います。

これからある受験や就職、社会に出てからの人生において、様々な困難に直面したときに、この「不撓不屈」という言葉を思い出してもらえたら幸いです。

171023先生、実は3ケ月で10キロのダイエットに成功したぞ。
どうやったかって?まずは1日の摂取カロリーを決める。そして毎食のカロリーをメモする。カロリーを足し算していって摂取カロリーを超えないように自己管理する。
たったそれだけです。
これをPDCAサイクルといいます。

P:計画  1日の摂取カロリーを決める
D:実行  計画通りに食事する
C:評価  計画通り食事ができたか確認する
A:改善  できていない日があれば次の日に調整する

先生はこれでダイエットに成功したのです。

さて、今日はもう一つみんなに伝えたいことがあります。
先生がダイエット中に気付いたことです。
やっぱり、できることなら早くやせたい。だからたまには無理をします。
「今日は目標カロリーの半分で我慢しよう。次の日に体重計に乗るのが楽しみだな。」
そして次の日、体重計に乗ると・・・。
「あれ、大してかわってない。せっかく我慢したのに。」
けれども先生は負けず嫌いなので
「よし、今日もちょっと我慢してみよう。」
そして数日後、
「おー、めっちゃ体重が減っているぞ。」

そうです。結果は遅れてついてくるものなのです。
1日の温度の変化も同じことがいえますね。
12時に太陽が一番高く上がる。太陽の高さが最大になれば気温もすぐに最大値まで上がりそうですがそうはなりません。まずは日差しが地面を温め、1時間後の13時に地温が最大値になります。温まった地面の熱が上昇し、さらに1時間後の14時に気温が最大値になります。やはり何事も遅れて結果がついてきます。

やってもやっても成績が上がらない。だから自分は無理なんだと思っている人がいるかもしれませんが、そもそもすぐに結果がでること自体が珍しいくらいです。
すぐに結果が出るものはそんなに大した成果ではないかもしれませんね。
まずは自分の可能性を信じてください。結果は必ず遅れてでもついてきます。大事なことは継続することです。
「自分のやっていることは正しい。そして結果はきっとついてくる。」
そう自分に言い聞かせていけばきっとあなたは成功しますよ。

171016もう2学期ですから小中高のどの受験生も、今の学力と合格に必要な学力が気になっている頃だと思います。やるべきことをやったのに、なかなか成績が思うように上がらず、時にはライバルとの学力が気になる人もいると思います。「自分には○○の科目ができる素質がない」とか「□□さんは頭が良いから…、私は…」という声が生徒から聞こえてきたりもします。
確かに全員が暗記力、論理力、思考力が同じわけではありません。だからこそライバルにはできなくて、自分ができる得意なことはありませんか?

少し前ですが吉田都さんという人がいました。元英国ロイヤルバレエ団のプリンシパル(最高位)を務めた女性で、気品があり、表現力が豊かなダンサーです。
彼女は外国の有名なコンクールで受賞した後、ロイヤルバレエ学校に留学しますが、その際に日本人であるという「どうしようもなさ」を感じたそうです。欧米の人に比べ、日本人は手足が短く、顔の彫りが浅いので同じように舞台化粧をしても映えない、欧米の人は立っているだけでバレリーナの素敵な雰囲気が醸し出されるなどです。

しかし彼女はその現状をいったん受け止めて、美しく見えるメイクの仕方や、自分の足が一番美しく見えるラインの研究、自分だけの表現の追及を日々の稽古に加えて取り組みました。その結果、まだ英語もできない状況にもかかわらず、バーミンガムロイヤルバレエ団のオーディションに合格できたのです。

そして彼女はそれからも切磋琢磨を続け、同バレエ団のプリンシパルに、さらには英国ロイヤルバレエ団のプリンシパルになりました。彼女が40代になって人生を振り返った時に、バレエのおいても日本人だからこその良さがあることに気づいたそうです。細やかな表現、関節が硬いため回転技術が優れていたり、足が短いからこそ早いステップが得意だとか。

自分の欠点に悩んでいるみなさん、時間はどんどん経ってしまいます。それよりは、今の状態を分析し、受け止め、工夫してもう一度取り組んでいこうではありませんか。脳には汎化(はんか)という作用があり、一つの分野の能力が高まれば、他の分野も引き上げられていきます。きっとあなたの得意な能力が、苦手な部分を手助けしてくれるでしょう。

自分に自信をもって、一歩を踏み出してみませんか。

171010国 1、数 1、社 1、理 1、英 1、音 1、美 1、技 1、体 1

突然ですが、上の数字は何だと思いますか? 中学生はピンときたかもしれません。そう、中学校の成績(通知表)です。宮本延春さん(46歳)という方が中学1年生の1学期に受け取った、いわゆる「オール1」。
いじめと家庭環境が原因で勉強に手がつかず、小学2年生で学校の授業に付いていけなくなったそうです。中学卒業時の学力は、「九九は2の段までしか言えない」「英単語は book しか書けない」「漢字は自分の名前しか書けない」という、散々な状態。
そして、この方の現在の職業は……なんと高校の数学教師です!

中学校を卒業するものの、高校に進学できる訳がなく、アルバイトで職を転々としながら過ごす日々。
一人っ子である上に両親にも先立たれ、孤独な生活を送っていた宮本さんに転機が訪れたのは、23歳のとき。何気なく観ていたテレビ番組でアインシュタイン博士の「相対性理論」と出会い、今まで味わったことのないような知的興奮を覚えます。
「世界を見る目が一変した」というこの劇的な体験がきっかけとなって、物理学に興味を持ち、大学進学を決意。小学校3年生の算数ドリルを手に取り勉強を再スタート。働きながら定時制高校に通い血のにじむ様な努力を重ね、超難関の名古屋大学に見事現役で合格を果たします。大学入学後も「失われた年月」を取り戻すために勉強を続け、36歳で初めて高校の教壇に立つに至ったのです。

この話を通して皆さんに伝えたいこと。それは、「夢や目標を持つこと」はとてつもなく大きなエネルギーを秘めている、という点です。行きたい高校・行きたい大学・進むべき道・憧れの職業。それが見つかったとき、「やらされる勉強」が「自らやる勉強」に生まれ変わります!
しかし、夢や目標はそう簡単には見つかりません。だからこそ、いろんな経験をしてほしいのです。遊びや読書・合宿などを通して、自然や人や興味のある分野とふれ合ってください。中学生は高校・大学・職業について真剣に考えてみてください。必ず、夢や目標は見つかります!
そして、それが見つかったときにチャレンジできる立ち位置にいられるよう、今やるべき学業に励んでください。勉強や習い事、学校行事などに追われる日々が続くと、どうしても視野が狭まりがちになります。皆さんには広い視野で先まで見据えながら、今を生きてほしいと願っています。

171002今日は、相撲の話題です。この秋場所を一人横綱で闘い抜いた日馬富士(はるまふじ)の話です。彼は全身にけがを抱え、今までも休場しながら、相撲を取ってきました。必ずしもいいコンディションで取り組みを迎える訳ではありません。今場所は、3人の横綱が初日から休場し(相撲の試合を休み)、ひじにサポーターがトレードマークである横綱の日馬富士の、後に引けないプレッシャーは相当なものだったでしょう。序盤戦(本場所の15日の内の7日目まで)で4敗し、周りから引退を噂された日馬富士。14日目が終わった時点で、彼は10勝4敗。首位で走っていた大関の豪栄道は11勝3敗。千秋楽で直接対決という場面を迎えました。もう負けられない日馬富士。その一番(相撲の取り組み)で豪栄道に勝って、11勝4敗の相星(引き分け)となり、優勝決定戦にもつれ込み、再び大関を下して逆転優勝しました。

大相撲では大抵の場合、全勝か1敗、多くとも2敗までで優勝が決まるのですが、日馬富士は初日と、3日目から5日目までの3日連続で負け、対戦相手に金星(勝ち)を与えることとなり、苦しいスタートでした。しかしその後は負け崩れることなく、最後の最後まで粘り、土壇場でひっくり返して優勝したのです。崖っぷちに立っても、「気持ちだけは負けないように前を向いて相撲を取りました。」と語っていました。諦めないことを学んだと。

一方、絶対優勝できるところにいたのに負け出した豪栄道。ライバルが負けていく中で楽勝かと思われたのですが、絶対なんてあり得ないですね。「勝つことの重圧」が彼のプレッシャーになりました。来場所は綱取り(横綱への昇進)の場所にもならないという見解を示されました。相撲の優勝杯である賜杯(しはい)と、綱取りのチャンスまでも一気に失いました。豪栄道は「いつか、これがあったからよかったと言える相撲人生にしたい」という言葉を残しています。

優勝というプレッシャーに負けた豪栄道、一人横綱と4敗の重圧に打ち勝った日馬富士。勝負に勝つ前に、色々なものに勝つ必要があるのです。勝っても負けても、学べることがあります。プレッシャーをはねのけ、学んだことを活かし、勝ちを取りに行ける、そんな強い心を育てていきたいですね。百戦練磨で鍛えていきましょう。

最後に、「土俵の上では一人に見えても、支えてくれている人がいるから土俵に上がれる」と、日馬富士は感謝していたそうです。みなさんの周りにも応援している人がたくさんいますよ。

170925もう夜はすっかり冷えるようになってしまい、あの暑い夏はどこへやら。太陽頑張れ!
さて、ティエラの夏と言えば合宿ですよね。今年もたくさんの生徒が様々な合宿で大きく成長してくれたと思います。今日は先生の夏休みの冒険の話をしましょう。

少年田中はその時小学4年生。とにかく元気がありあまっていました。夏休みのとある日、少年は友達と2人で近くの海に遊びにいきます。なぜかその日、海岸ではクイズ大会がひらかれていました。頭脳を使う催し事を、夏の海岸でやってしまうってどうなんだ!?と今さらながら思いますが、そんな疑問は少年田中の頭にはまったくよぎらず、とにかく景品をゲットすることに燃えていました。
しかし、大人も参加していたその大会で、小学4年の田中、力及ばずボロ負けです。泣きに泣きました。その時、準優勝したおじさんが「これいるか?」と大きな箱を差し出してきました。それは大きなゴムボートでした。おじさんにとっては持ってかえるのも面倒くさいものだったかも知れませんが、少年田中には後光を放つほどの宝船に見えました。同時に少年の目が捉えていたものは対岸に悠然と浮かぶ“淡路島”でした。

「行けるんか!?」友達は大声です。
「引き潮の流れに合わせたら行ける!」私はさらに大きな声で言いました。
私たちは対岸に浮かぶ淡路島を目指して、お茶2ℓ、そして塩分補給のためにポテチを5袋用意しました。そして翌日、砂浜でボートを膨らませる2人の士気は最高潮です。パンパンになった愛船に乗り込み、大海原へと漕ぎ出しました。漕ぎはじめて5分、いつもの“海の果て”がやってきました。ブイ(浮き)が浮いてあるラインです。
「よっしゃー越えたれー!!」
と、意気揚々遊泳区域を越えた瞬間、言葉に出来ない緊張に包まれました。
(サメがきたらどうしよう)
(水深何メートル?)
(生きて帰れる?)など
しかし、自分から淡路島へ行くと言ったのに逃げることはできません。怖さをふりきるためにも必死でオールをまわしつづけました。波の音ひとつひとつが生き物のように感じます。なぜか恐怖はゴムボートをゆずってくれたおじさんへの怒りとなってきました。
「あのおっさんがゴムボートくれるからこんな目にあってるんや…」
もう限界です。淡路島なんてどうでもいい。もう帰りたい。
(もう帰ろう)その言葉を口にしようとしたとき、目の前にあったのは、涙を浮かべながらオールを漕ぐ友達の顔でした。2人とも絶望的なまでに怖かったのです。阿吽の呼吸でボートを反転させ、来たときの倍の力で漕ぎ出した私たちは、海岸にたどり着くと塩分補給用に備えてあったポテチを食べ、二度とゴムボートで淡路島を目指さないことを誓い合いました。あの時のポテチの味なんて1ミリも覚えていませんが、恐怖だけは覚えています。

先生はなぜこんな“無謀”とわかりきっている冒険に挑むことが出来たのか。それは恐怖を体験したことがなかったからです。今同じことができるかと言われると出来ません。それは恐怖を“知っている”からです。
人間は経験から学ぶことができます。しかし、時にそれは自分の限界を超えるチャレンジの邪魔者になることもあります。“結局こうなるだろうな”“また失敗するだろうな”と経験があるがゆえに弱気になっていることはありませんか?昨日まで出来なかったことを超えていくために、時には“無謀”とも思えることに挑戦することが必要になることもあるのです。
さて、先生もゴムボートを買いにいってきます。