みなさんは「箱根駅伝」を知っていますか?
毎年1月2日と3日に開催される関東の大学駅伝で、お正月の風物詩にもなっています。
東京から神奈川県の箱根・芦ノ湖間を、往路5区間(107.5Km)と復路5区間(109.6Km)、合計10区間(217.1Km)で競われます。これは学生駅伝では最も長い距離です。

箱根駅伝に出場できるのは関東圏の大学で、「前年度の上位10校」と「予選会を通過した10校」、それに「関東学生連合チーム」を加えた21チームです。
箱根駅伝には、11位以下になってしまうと、次年度は予選会から参加しなければならないというルールがあります。
そして、その予選会で10位以内に入らなければ、箱根駅伝には出場できません。
予選会は毎年10月に行われ、40校近くが出場枠を争います。

予選会では、各大学の10~12人がハーフマラソンのコースを一斉に走り、各大学の上位10人のタイムを合計して順位を競います。
10人の合計タイムで決まるため、走り終わっても予選を通過できたかどうかはすぐにはわかりません。

今年の予選会は、雨上がりの蒸し暑さに加え、容赦ない強い日差しがふり注く過去最悪のコンディションで、波乱が続出しました。
フラフラで今にも倒れそうなランナーたちをテレビで観ていて、何度も声が出そうになりました。

予選会が終わり、いよいよ運命の結果発表の時・・・。
発表は「結果発表ボード」に、第1位の大学から読み上げ・開示されていきます。
「第1位 立教大学 記録10時間52分36秒」
次々と箱根の切符を勝ち取った大学が呼ばれ、そのたびに大きな歓声が上がります。

9位まで呼ばれて、箱根駅伝に出場できるのはあと1校だけ。
「第10位 順天堂大学 記録11時間1分25秒」
その瞬間、順天堂大学の選手たちは抱き合って喜びを爆発させました。私も感動で鳥肌がたちました。

その後、第11位が読み上げられました。
「第11位 東京農業大学 記録11時間1分26秒」
10位と11位のタイム差は、なんとわずか1秒。
東京農業大学の選手たちは泣き崩れました。
たった1秒。しかし、それはとてつもなく大きな1秒でした。

勉強にも同じことが言えると思います。
1点でも多く!1問でも多く!これを生み出すことは決して簡単なことでないですよね。
しかし、日々の積み重ねによって叶えられると私は信じています。

だからといって、毎日全力でガツガツ頑張り続けるのは難しいでしょう。
小さくてもいいんです。
積み上げていってください。

今日の積み上げが「0.001点」「0.001問」でも構いません。
未来の1点・1問に必ずつながっていきます。

昆虫少年だった伸一君(だれだろう?)は、日々、蝶やカミキリムシの採集に夢中でした。そしてもちろん、将来は大好きな昆虫を研究して、生物学者になるつもりで大学に進学しました。
しかし、昆虫の研究の多くが「害虫」、つまり人間にとって迷惑な虫をどう駆除するかというテーマが中心。
農薬の研究なども多く、結局は大好きな昆虫を殺すための勉強ばかり。
伸一君はあっさり挫折してしまいました。

そこで、当時脚光を浴びていた「生命とは何か?」というテーマをミクロな視点で研究する分子生物学に挑戦することにしました。
厳しい研究の末、彼はついに新しい遺伝子細胞を発見!(やったね、伸一君!)
彼は、この遺伝子が生き物にどのような情報や役割を持っているかを実験で確かめることにしました。
実験方法は、発見した新しい遺伝子細胞をネズミから取り除き、その後の変化を観察する、というものです。
ネズミに何かしらの異常が現れれば、遺伝子の役割が見えてくるはずです。(すごいね、こんな方法を考え出すなんて!)

伸一君が発見したこの新しい遺伝子は「GP2」と名付けられました。
GP2を取り除いたネズミを育てるのにまず3年かかりました。(おーーー!)
その後、GP2を欠いたネズミを毎日観察。
しかし、ネズミはすくすくと健康に育ち、子どもまで生まれました。
「なんでなんだ~!」 ネズミは健康そのものです。

この頃の生物学の世界では、生物も機械のように考えられ、一つ一つの細胞もパソコンの部品のようなものと同じだと捉えられていました。
だから、どこかの部品がなくなれば当然、不調が起こり壊れてしまうはずだと考えられていたのです。
「なぜネズミは平気で元気なんだ…うーーーー?」
伸一君はまたも大きな挫折を味わいました。

けれども、彼には新たな考えが生まれました。
長い年月をかけて生き残った遺伝子細胞がなくなっても何も起こらないということは、もともとの考え方が間違っているのではないか?
そうして彼は、当時は忘れ去られていたシェーンハイマーという100年前の学者の言葉を思い出しました。
「生命は機械ではなく、流れである」という言葉を。

その後、伸一君は、生物にとって食べ物は車のガソリンのようなものではなく、体は常に自らの細胞を壊しながら、食べ物を取り込み、新しい自分を作り直していることを知りました。
すごいね。
特に新しく入れ替わるのは胃や腸などの消化器官の細胞で、早ければ1か月で入れ替わるのです。
人間全体も1年もすればほとんどが新しい細胞に入れ替わるそうです。

そして、生き物は(僕らも)何かを失っても他の部分で補い、常に細胞を入れ替えながら、絶妙なバランスを保って生き続けているのです。
これを「動的平衡」と呼ぶそうです。

昨日の自分は、厳密には今日の自分とは違うわけです。
僕らは日々自分を壊し、新しく作り替えながら生きているんだね。
すごく気持ちいい話だと思わない?みんなはどう感じるかな?

※伸一君についてもっと知りたい人は、ネットで調べてみてください。
【福岡伸一先生】

こんにちは。
突然ですがみなさん、朝起きてすることは何ですか?
カーテンを開ける、歯を磨く、トイレにいく、家族におはようと言う、などいろいろありますね。
そういう自然とやっていること以外に、『意識して行っていることや決まった行動』は何ですか?
例えば先生の場合、起きてからの行動は、
「ベッドをきれいにする→歯を磨く→50~70mlの白湯を飲む→グルタミンとEAA というサプリメントをレモン果汁と一緒に飲む→コーヒーを作る」と決まっています。
白湯とサプリで内臓が動き出し、酸っぱさとコーヒーで目が覚めてくるという感じです。

これは健康管理のための1例ですが、例えば、「食事の前にお祈りをする」とか、「お風呂は左足から入る」とか、「テストの開始前には筆記用具をきれいに並べる」など、何でもいいんです。
毎日でなくてもいい。

「こだわって行うようにしていて、まぁまぁ続いている習慣のこと」。
これを『ルーティーン』と言います。
アイススケートの羽生結弦選手が演技に入る前に、「武士」の『士の字』を手で描くのも話題になりました。

最近では色々な人が動画やSNSで発信しています。
「僕は朝からこれをやっています!」とか、「寝る前たった3分!私はこれをやるようになってこんなにキレイになれました!」、なんて感じで、朝や夜のおすすめルーティーンを紹介しています。

朝に行う『モーニングルーティーン』は、海外のあるプロスポーツ選手の話題から広まったと言われています。
インタビューで強さの秘訣は何ですか?と聞かれた時に、『毎朝のベッドメイキングをすることです。』と、答えたんです。

こんな練習をしていますとか、この道具を使っていますとかではなくて、「朝からベッドをきれいにしていることが、試合に勝てている理由です。」と答えたんです!
これはビックリだと思いませんか?そんなことで試合に勝てるようになるの?って。

でもどうでしょう。
目覚めた時にベッドやお布団をきれいに片づけること、やっていますか?
寝相が良い人は、寝た時と同じ状態で目が覚めるのでしょうが、なぜか枕が足のところにあったり(足が枕のところにいったのかも知れない?!)、ふとんがふっとんだ状態(?)になっていたりすることもあるでしょう。

そのお布団や毛布などをきれいにたたんで、枕なども元の位置に戻すこと。
それがベッドメイキングです。
まだねむたいし、ドタバタと急がないといけない朝。
そんなときにベッドメイキングをすることはとても面倒くさいことだし、「まぁ、いいか」と見て見ぬふりをしたいものです。

でもこのプロの選手は、そんな自分の甘さに勝てなければ相手や試合には勝てないと思ったそうです。
起き上がって進む前に、まず自分が今まで居た所を振り返るんですね。
これじゃダメだよってきれいにたたんで元に戻して「ポンポン」って軽くたたいて、「ありがとう」って言うようにしたそうです。
そしたら自然と「よ~し!」という言葉が出てきて、「まず1つ勝てた!」と感じられるようになり、その自信が試合の時にも表れて勝てるようになったというお話しでした。
そこから、いろんな選手や有名人が取り入れて成功を手に入れたことで、世界中に広まっていきました。

この夏の高校受験合宿では、参加してくれた皆さんにこのベッドメイキングの話しをして取り組んでもらいました。
1日のハードな勉強に立ち向かう前に、自分の中にある甘えを断ち切ること。
そして自分に勝つことで、勉強という強敵に立ち向かうための勝ち癖をつけることが目的です。
自分のメンタルを強化するための、すぐにできる最善の策。
それが、この『ルーティーン』なのです。

朝や夜に限ることではありません。
これまでの先輩たちの中にも、「ノートの余白を必ず埋める」というルーティーンや、「間違えたらその場で10回やり直す」というルーティーンを実行した人たちがいました。
それぞれメキメキと伸びて志望する高校に進学し、その後の高校の勉強でも実行して、今は大学生になって活躍しています。

みなさんも、『自分の中のルーティーン』=『こだわって行うこと』をしっかりと持って、夢実現に向かって欲しいと願っています。
難しいことを考える必要はありません。
何でもいいんです。
今日という1日を、こだわりをもって過ごせる自分にすることが大切。

さぁ、始めよう!完全勝利のための、まず1勝から。

最近、久しぶりに親戚一同が集まる機会がありました。
多くの親戚とは何十年ぶりの再会で、懐かしさと驚きが入り混じったひとときでした。

特に印象に残ったのが、75歳になる最年長の従兄との再会です。
私の父は末っ子で、一番上の伯母とは18歳も年が離れています。
その伯母の長男が今回再会した従兄です。
私とは年齢が親子ほど離れており、物心ついてからは初めて話をしました。
従兄は明るい性格で、ほぼ初対面にもかかわらず、気軽に声をかけてくれました。
最初は軽い世間話でしたが、次第にその話に引き込まれていきました。

従兄の話はとても興味深く、若い頃には東京でデザイナーとして活躍し、自分の会社を立ち上げて成功を収めたそうです。
数十年のキャリアを経て、最終的には共同経営者に経営を譲って引退しました。
引退後は悠々自適な生活を送っているかと思いきや、実はそうではありませんでした。
彼は65歳の時に新たな挑戦を決意し、なんと「保育士」の資格を取得したのです。
そして、75歳の今でも保育園で働き続けているといいます。

「どうして保育士になったの?」と尋ねたところ、彼は「少しでも人の役に立ちたかった」と答えました。
毎日の園児たちとの時間をとても楽しそうに語っていました。

この話を聞いて、「年齢はただの数字だ」と強く感じました。
65歳という年齢からでも新しいことに挑戦できることを、彼の姿から学びました。
年を重ねても、やりたいことがあれば挑戦できる。
そして、新しいことに挑み続けることで、人生がさらに豊かになるのだと気づかされました。

皆さんにも、これから多くの選択肢やチャンスがあるでしょう。
もし「これをやってみたい!」と思うことがあれば、ぜひ挑戦してみてください。
新しい挑戦が、皆さんの未来を大きく変えるかもしれません。
勉強も同じです。
新しい単元や難しい課題に直面しても、挑戦する気持ちを持ち続けてください。
それが成功への一歩となります。

学校の通学やティエラの教室への通塾に、電車やバスを使っている人もいると思います。
今年は物流運輸業などで、働き方改革に関連した『2024年問題』がクローズアップされています。
人手不足によるダイヤ改正や減便、廃止路線などをニュースでよく見聞きしますね。
先生の身近なところでも、バスの最終時間の繰り上げや1割減便、10月にはさらに減便。
山口県のJRは、山陽本線ですら今年からワンマン運転になり車掌さんがいません。
先生は、子どものころから電車やバスが大好きなので、交通不便地域への対策など、ダイヤ改正がマイナス面で捉えられる昨今が寂しくもあります。

その寂しさを癒すためか、気づけばネットで1985年3月号の時刻表を購入していました。
ちなみにこの時はまだJRではなく国鉄でした。
なぜ3月号かというと…
それは、全国的に大幅なダイヤ改正のシーズンだからです。
以前は、新しいダイヤ改正にワクワクしたものでした。
小4の頃、分厚いコロコロコミックを我慢して、3月は母親におねだりして全線掲載の大きい時刻表を買ってもらっていました。

さあ、700ページある時刻表を1ページずつめくっていきます。
時刻表と鉄道路線主体の日本地図が懐かしすぎる~。
まだ瀬戸大橋ができていなくて宇高連絡船だ~。
いまの新山口駅が、まだ小郡駅。
駅名にもワクワクします。
楽しすぎて、スタートの索引地図からページが全然進みません。
やっと新幹線のページへ…
東海道山陽新幹線は、まだ「ひかり」と「こだま」のみです。
新神戸駅に止まらない新幹線が、この頃はまだ結構あります。
寝台特急が数多く運行されています。
いい時代ですね~。

寝台特急といえば、私の思い出は、東京発の「さくら」です。
佐賀県の肥前山口駅(現:江北駅)で、長崎行きと佐世保行きの切り離しが行われる寝台です。
私は、高校生の時にこの寝台列車に山口県の地元から夜明けに乗車し、佐世保に向かいました。
この列車は、朝になると寝台料金がかからず、お得に乗ることができました。
車掌さんが来て、「空いているところならどこを使ってもいいよ」と言ってくれて、車両に自分しかいない贅沢な鉄道旅を楽しみました。
一場面一場面を、昨日のことのように鮮明に覚えています。

今は、時刻表がなくてもスマホで調べればすぐにわかります。
バスが今どこを走っているのかさえ教えてくれます。
寝台列車よりも速い「のぞみ」などの新幹線もたくさん運行されています。

でも、どこか無駄だと思えること、回り道だと思えるようなことにこそ、その過程に様々なドラマが生まれることがあるんじゃないかと先生は思います。
時代が変化したとよく耳にしますが、私が皆さんの頃だって時代が変わったとよく言っていました。
世の中が変化し続けているから今があり、変化し続ける未来があります。
ドキドキして、ワクワクできる未来に向けて、自分がどう変わっていくのか、将来を想像するのも良いかもしれませんね。

気温が下がり、秋の気配が近づいています。
10月14日はスポーツの日でした!
土日ゼミを終えての祝日で、このお休みを楽しみにしていた能開生もたくさんいたのではないでしょうか。
今週のゼミ内容の〇×付け、復習を終えてから何をしようか計画を立てていたのではないでしょうか?
学習記録帳やatama+の短期目標を活用して予習復習の計画立て、計画通りに勉強。
大いに学び、大いに愉しむためにもメリハリをつけていきましょう!

皆さんに問題です。
「スポーツの日」がどんな祝日なのかは知っていますか。
昔は別の呼び方だったこの祝日は、どんな思いが込められているのでしょうか。

体育の日は、1964年の東京オリンピックの開会式が行われた10月10日を記念して、1966年に毎年10月10日を「スポーツにしたしみ、健康な心身をつちかう」体育の日として制定されました。
実は10月10日は東京で「晴れの特異日」と言われるほど晴れが多いとのこと。
運動には持ってこいの日ですね。

ではなぜ体育の日がスポーツの日に変更されたのか?
実はそれぞれの言葉の持つ意味合いの違いに由来があるそうです。
みなさんは、次の二つでは、どちらの言葉の方が楽しそうに感じますか?
「体育の時間です」と「スポーツの時間です」。
なんとなく、後の方が楽しそうに思えます。

「体育」という言葉は、体を成長させるための勉強や訓練などのイメージが強いのですが、「スポーツ」はより広い意味で、楽しむことや他者との交流を愉しむイメージが強く感じられますよね。
同じ活動でも言い方を変えるだけで、こんなに印象が変わるのです。
そんな言葉のニュアンスを受け止め、2018年に法律が改正され「スポーツを楽しみ、他者を尊重する精神を培うとともに、健康で活力ある社会の実現を願う」願いを込めて、「スポーツの日」に2020年から祝日名が変更されました。

 体育の日が制定された1964年から今日まで、人々の生活、考えは大きく変わっています。
ですが、名前が変わっても、みんながスポーツを楽しみ健康であってほしい、という気持ちは変わりません。

使う言葉によって、伝えたいことも受け取り方も変わります。
例えば  「問題が解けない」ではなく「まだ解き方を見つけていない」。
「暗記が苦手」なら「どうやって覚えると効果的かな?」なんて言いかえてみてください。
「やらなきゃいけない」から「勉強を楽しもう!」……そんな気持ちに変えられそうです。
勉強の本質は「テストで点を取る」だけでなく、「新しいことを学ぶ楽しさ」にあります。
みなさんも楽しみながら様々なことにチャレンジしてくださいね。

今年2024年の9月17日は中秋の名月でした。
みなさんは「お月見」を楽しみましたか?
知らなかった、忙しかったと見逃してしまった人は、ぜひ今年の10月17日に夜空を見上げて月を眺めてみてください。
晴れていれば、月が地球に最接近して最も大きく見える「スーパームーン」が見られるかもしれません。
「花鳥風月」という四字熟語あるように、日本人は昔から自然をいつくしみ、詩歌や絵を描く題材にしたり風流を楽しんだりしてきました。
満月(=望月、明月)、三日月(=若月、まゆ月)、新月、十六夜(いざよい)の月、半月(=弓はり月)、上弦の月、下弦の月などなど、日本には月を指す言葉がたくさんあります。
アメリカではどうなのかと調べたところ、毎月の満月に名前があるようです。

1月はウルフムーン/狼月(真冬に食料がなく、狼が空腹で遠吠えをするから)
2月はスノームーン/雪月(雪の日が多い季節であるから)
3月はワームムーン/芋虫月(冬が終わり、土の中から虫たちがはい出てくるから)
4月はピンクムーン/桃色月(草花が咲き始める季節だから)
5月はフラワームーン/花月(色とりどりの花が咲く季節だから)
6月はストロベリームーン/苺月(イチゴの収穫期を迎えるから)
7月はバックムーン/男鹿月(「バック」は雄ジカ。雄ジカが角を落とす時期だから)
8月はスタージェンムーン/チョウザメ月(「スタージェン」はチョウザメ。豊漁の時期だから)
9月はハーベストムーン/収穫月(作物を収穫する時期だから)
10月はハンターズムーン/狩猟月(狩猟に適した時期だから)
11月はビーバームーン/ビーバー月(ビーバーが巣作りにいそしむ時期だから)
12月はコールドムーン/寒月(冬が到来する時期だから)

また欧米では「満月は人を狂わせる」と信じられており、満月の夜は犯罪や事故が増えるといわれています。
満月の引力が地球の潮の満ち引きに影響を与えるように、人間の体の中の水分に影響を与えるという説や、月の怪しい光に魅了されて興奮したり、沈んだ気持ちになったりするという説もあります。
そこから狼男の伝説などの物語の題材になったのでしょう。
他にも、ベートーベンの「月光」やドビュッシーの「月の光」などのクラッシック音楽をはじめ、ゴッホやミュシャの絵画などのモチーフになったりと、日本以外の国々でも月は愛されてきました。
月の満ち欠けが科学的にまだ解明されていない時代から、多くの人々が月に魅了されてきたことがわかります。

ところで、いつも元気で明るい活発な人を「太陽のような人」ということがあります。
周りを明るくし盛り上げる、みんながあこがれる素晴らしい存在だと思います。
でもみんながみんななれるものでもありません。
しかし「太陽のような人」になれなくても、「月のような人」もいて良いと、先生は思います。
目立たず物静かながら、穏やかに優しく見守ってくれる、一緒にいて安心できる人も素晴らしいと思います。
みなさんには無理せず自分の長所を伸ばして目指せる、周りの人を幸せにできる存在になってほしいと思っています。

みなさんは「コロンブスの卵」という言葉を知っていますか。

「コロンブスの卵」は、誰もが知っている簡単なことでも、最初にそれを成し遂げるのは難しいという意味で使われます。
この言葉が生まれたエピソードは、クリストファー・コロンブスが新大陸を発見した後に起こったとされています。

ある日、コロンブスはスペインで貴族のパーティーに参加した際に「ずっと西に行けば発見できるのだから新大陸の発見は誰にでもできることだ」と貴族たちに批判されました。
そこで彼は卵を取り出し、「この卵を立ててみてください」と貴族たちに言いました。
誰も成功しなかった後、コロンブスは卵の底を軽く潰して立てたのです。
これにより、彼は「簡単に見えることでも、最初に成し遂げるのは難しい」という教訓を示しました。

このエピソードには、私たちの日常生活における重要な教訓も含まれています。
新しいアイデアや方法を見つけることは、時には既存の枠にとらわれない発想の転換が必要です。
例えば、問題解決においても、従来の方法に固執せず、新しい視点からアプローチすることで、思いもよらない解決策が見つかることがあるのです。

最近、みなさんは大谷翔平選手の活躍を目にする機会が多いのではないでしょうか。
私は多くの偉業を成し遂げている大谷選手を見ると、メジャーリーグで数々の金字塔を打ち立てたイチローさんが、数年前にインタビューで答えていた言葉を思い出します。
「これからイチローさんのようなメジャーで活躍する日本人が出てくると思いますか」という質問に対し、イチローさんは「出てきます。なぜならメジャーで活躍する日本人のイメージが出来ているからです。僕がメジャーに行くときは日本人の外野手がメジャーで活躍した前例がなかったから。」と答えていました。

それだけイメージする力が大きな可能性を秘めていることと、先駆者として活躍する難しさを、私はこの言葉から感じました。

発想の転換とイメージすることの大切さ。
みなさんも普段の勉強や生活の中で意識してみてください。

「研究所」を読むとき、どのように読みますか。「けんきゅう『しょ』」?「けんきゅう『じょ』」?さて、どちらが正しいのでしょうか。

「○○所」の「所」の読み方については①「しょ」と読むもの②「じょ」と読むもの③両方の読み方があるもの の3つに区分されます。

  • 「しょ」と読むもの 区役所・市役所・裁判所・刑務所・事務所など
  • 「じょ」と読むもの 試験所・出張所・紹介所・洗面所など
  • 両方の読み方があるもの 作業所・製作所・発電所・相談所・保育所など

さて、冒頭の「研究所」ですが、こちらの語は「両方の読み方があるもの」に区分されます。
このような2通りの読み方がある語については、地域による差があるようです。
西日本では「しょ」と読むことが多く、東日本では「じょ」と読むことが多いそうです。

これと同じことが人名にもあるようで、「中島さん」⇒「なかしまさん」・「なかじまさん」、「山崎さん」⇒「やまさきさん」・「やまざきさん」、ほかにも「中田さん」⇒「なかたさん」・「なかださん」といった例もあります。
西日本には「しま」「さき」「た」のような清音になる例が多く、東日本には「じま」「ざき」「だ」のような濁音になる例が多いという調査結果もあります。
そういえばサザエさんに出てくるのは「ナカ『ジ』マくん」。舞台は東京だなぁ・・・。

ただ、この話を知ったときに一番驚いたのは、名前の読み方の調査方法でした。
都道府県ごとに読み方の集計をし、清音・濁音のどちらが多いかを調べたそうなのですが、気の遠くなるような作業ですよね。
きっかけはちょっとした好奇心なのだとは思うのですが、それを実行に移す行動力には目を見張るものがありますよね。
これらの調査をした人たちのように、思いを行動に移す姿勢はぜひ見習いたいものです。

みなさんは「ヴァンデ・グローブ」を聞いたことはありますか。
「ヴァンデ・グローブ」は、フランスのヴァンデ県をスタート・ゴール地とした単独無寄港無補給の世界一周ヨットレースで、1989年から4年に一度行われています。
大嵐、酷寒など様々な過酷な条件の中で行われ、これまでの完走率は60%を切っているといわれています。

この過酷なレースで、2020年-2021年のレースでアジア人として初めて完走した白石康次郎さんの話を紹介します。
白石康次郎さんは、1994年に風力のみで走らせるヨットを単独で操り、史上最年少(当時)の単独無寄港無補給世界一周を達成しました。
その後、2016年にアジア人として初めてヴァンデ・グローブに出場しましたが、南アフリカ沖でマストが破損し、リタイアとなりました。

しかし、白石さんは諦めず、2020年に再びヴァンデ・グローブに挑戦します。
この時も序盤にメインのセール(帆)が強風で破れるアクシデントに遭いましたが、海上で約1週間かけて自力で修復し、レースに復帰します。
そして、出港から約3か月かけ完走することに成功しました。

白石康次郎さんは、冒険と挑戦の中で感じたことを様々な言葉で私たちに伝えてくれます。その中でも、以下の言葉が印象的です。

・動き出さなければ何も始まりませんが、動けば、夢は向こうから近づいてきてくれる
・僕が頑張ろうが頑張るまいが、自然はそんなこと考慮してはくれません。
同じように、どんなに完璧な準備をしたとしても、次に僕が世界一周できる保証はありません。
結果なんて誰にもわからないのだから、考えても仕方がない。
それよりも、やれることをやって、失敗したらそれを受け入れることが重要
・大切なことは大志を抱き、それを成し遂げる技能と忍耐と仲間を持つこと

これらの言葉は、「行動すること」「挑戦する勇気」「努力と仲間」の大切さを教えてくれます。
そして、これらのことは、いま目の前の勉強に取り組む生徒の皆さんにもとても大切なことです。
行動することで成長し、夢に近づけます。努力と仲間を大切にし、自分の大志を抱いてください。