200225company”(カンパニー)という英単語の意味は知っていますか?多くの人が「会社」という意味を真っ先に思い浮かべるでしょう。実は、もう一つ大切な意味があります。

英語の諺(ことわざ)にこんなものがあります。

A man is known by the company he keeps.

(人はつき合っている友を見れば、その人柄がわかる。)

高校生になると良く出てくる文章ですが、companyには「仲間・友人(=friend)」という意味もあるのです。

語源(言葉の成り立ち)に注目して見ましょう。3つに分けてみると……
com = 共に
pan = ラテン語のpanis「パン・(広い意味で)食事」
y = 集団・人たち

つまり、companyとは「共に食事をする仲間」という意味があるのです。

先生が大学生の時に語源学を学んでいるとき、おもしろいなぁと思いました。日本語にも、長い間生活を共にしたり、苦楽を分かち合ったりした親しい間柄のたとえとして、

「同じ釜の飯を食う」

という言葉があります。日本でも西洋でも、食事と人間関係は非常に強い関係を生む重要な習慣なのだと感じました。古くから食事という行為は、人間にとってただ命をつなぐだけでなく、苦労して集めたり育てたりしたものをみんなで分け合う行為だったのでしょう。

先生の子どものころの家族のきまりとして、みんながそろうまではしをもたない、食事の間はテレビを消す、飯と呼んだら火事より急げとよく言われたものですが、今思い返せば食事という一日のうちのひとときを家族のコミュニケーションの場として大事にしていたのだと思います。

みなさんは最近、学校の友だちと会えない時期が続きました。その間に教室のある生徒が「今日は友だちとリモート飲み会をしました!」と楽しそうに話していました。

家族や友だちと絆を深めたいとき、新しい仲間を迎えたとき……いろんな場面で食事は重要になってきますが、それは大人だけでなく、みなさん子どもたちにとっても大切なことなんだと教えてもらった気がします。人との関係をつくりたいときや深めたいとき、直したいときはいっしょに食事をしてみてはいかがでしょうか?

最後にもうひとつ。英語だけでなく、いろんな言葉を覚えるときは語源について知ると、ただの丸暗記よりも楽しく、さらに広く知識を得ることができますよ。

200225

全国的な梅雨入りを果たし、これから雨の多い季節を迎えます。
さて『梅雨(つゆ)』という言葉ですが、なにやら不思議な感じがしませんか?
なぜ『梅』という字が使われているのでしょうか?

梅雨(つゆ)という言葉は、もともとは梅雨(ばいう)という言葉として、中国から伝わってきました。江戸時代のころから梅雨(つゆ)とも読むようになったそうですが、
元々梅雨(ばいう)は『黴雨』と書かれていました。『黴』は『かび』と読みます。

『かび』の雨・・・しっくりきますね。
ただ言葉としての美しさを求めた結果、同じ音の『梅』を用いるようになったとか・・・。

そして江戸時代の日本で、梅雨を『つゆ』とも読むようになったのですが、これは、『露』が語源であるとか、梅の実が熟してつぶれる時期であることから『潰ゆ(つゆ)』という言葉に由来するとか、諸説あります。

さてそんな『梅雨』の到来する6月ですが、旧暦では水無月とも呼ばれます。
「水」の「無」い「月」?
これまたイメージとかけ離れる文字が使われていますが…?

語源を調べると、「水の月」を意味する「水な月」→『水無月』になったという説、水の無い田んぼに水を引く季節であることから『水無月』になったという説など諸説あります。

ついでに、『水無月』という和菓子がありますが、これは6月30日に、それまでの半年間の穢れを祓い、残り半年の無病息災を願って食べるものとされています。

気が付けば1年も半年が過ぎようとしています。ここまで本当に大変であったと思いますが、これからの半年をより良いものとできるよう、先生も願っています。

200225

皆さんは「天才」という言葉を聞いたときに、なにを思いつきますか?

東大・京大生の頭脳、スポーツ選手のスーパープレイ、好きなアーティストの音楽・・・それぞれ思いつくジャンルは別でしょうが、なんとなく「生まれつき持っている才能」のように思ってしまいますよね。

 

「天才」と呼ばれる人で、「発明王」と呼ばれたアメリカの偉人、トマス・アルバ・エジソンについてお話しようと思います。

私が言うまでもなく、みなさんご存知かと思います。蓄音機や白熱電球、電話や発電機などの発明をしたと聞いたことがあるのではないでしょうか。それ以外にも映画(上映フィルムの規格や映写機)など、これらの発明品は形やあり方を変えて存在しています。彼の発明が、現代の生活を支える基盤になっているといっても過言ではないでしょう。もし電話が無かったら?もし電気が無かったら?今の私たちにはあまりにも身近で、それらがない生活は想像できないですよね。

 そんな偉大な発明品の数々ですが、実はエジソンが0からすべてを作ったわけではないのです。例えば白熱電球。設計・仕組みをつくったのは別の発明者(ジョセフ・スワン)なのですが、当時、19世紀半ばの一般家庭で使われていたガス灯よりも安全ではあるものの、約40時間しか使用できないものでした。エジソンは「どうやったら長く使えるようになるか」「どうやったら広く普及させる事ができるか」を考え数々の実験をする中で、フィラメントの素材に着目、手近にあった扇子を解体して竹炭にするアイデアに至ったのです。約1000時間光る上、従来よりも小型でネジ式の取り付け方式で交換しやすい、利便性を高める事に成功したことがエジソンの功績です。

 「天才」といわれるエジソンの功績は、既存のものに自分の発想を加えて使いやすくし、人々の生活をより良くする「改善改良」にあるといえるでしょう。今に満足せず、先人の発想を基盤にして、より良く出来るのではないか?と研究に取り組む。成功にたどり着くまで、多くの時間を積み重ねて成功にたどり着く。ひらめきだけでなく、実際に挑戦し続けること。決して途中で投げ捨てずに取り組めるというのは、功績を手にするために必要な「努力の才能」をエジソンが持ち続けたことの証明でしょう。

 皆さんが勉強するとき、手元には何がありますか。問題に取り組むためのゼミテキスト。そして参考書を活用して、自分に必要な考えをまとめて、ノートを作る。参考書に書かれている大切な知識は、先人の努力の積み重ねによって作られた、情報の集まり・集合体です。みなさんは、知識を得るための機会・媒体を数多く身近に持っています。「他の人によって集まった情報を」「自分にわかりやすくまとめる」。ノートづくりの基本であり、もっとも大切な事です。

 勉強で新しいことを学ぶ、スポーツで技術を体得する、・・・どんなことも、まずは基礎が大切です。そこから自分の能力を高めるために努力をしつづける、「努力の才能」を皆さんは持っているはずです。エジソンそのものになるのではなく、エジソンのような「努力の才能」に気付いてほしい。エジソンの言葉を引用します。

 “Genius is one percent inspiration, 99 percent perspiration.”

「天才とは、1%のひらめきと、99%の汗である。」エジソンも多くの実験、失敗を経て様々な発明品を改善していきました。エジソンに倣いましょう。1%のひらめき、成功を手にするための、99%の努力の汗をかいていきましょう!

200225

みなさんはグレタ・トゥーンベリさんを知っていますか。
スウェーデンの高校生でありながら地球温暖化に関して強い志を持って活動されている環境活動家です。

二酸化炭素(CO2)をいかにして削減していくかが最大のテーマとなっています。
彼女は若干8歳にして、なぜ気候変動への対策がほとんど行われていないのか理解できなかったため、落ち込んで無気力になり、その後病気と診断されました。
後に彼女は、その診断は「以前は私を制限していた」ことを認めながら、病気とは見なさず、「スーパーパワー」と呼んで今の自分の根幹と考えているようです。

その後2018年に学校での気候変動のストライキとスピーチを開始しました。
後々この活動が大きく世界中に拡散していきます。
グレタさんと同じ学生たちや、アーティスト、政治家、企業など、【グレタ効果】により多くの人が多大なる影響を受けます。
今やSNSの時代ですから拡散のスピードも凄まじいです。

そして2019年、スウェーデンで最も重要な女性に選ばれました。
10年にも渡り、コツコツと訴え続けていることが大きいと思います。
人は元来飽きっぽい生き物と言われます。
よほど強い信念がなければ10年も続けるのはきついですね。
国連でSDGS(持続可能な開発目標)が採択され、2030年に向けて世界が動いています。
グレタさんと同じ10代のみなさんも、コツコツ(CO2 CO2)と自分の大きな目標に向け、頑張り続けて欲しいです。

「地球は死なないわ、私が守るもの」と言ってくれるくらいスケールが大きい人になって欲しいですね。

CO2 CO2が勝つコツ
継続こそ力なり

200225

今日は、不思議な池の話をします。
山口県の美祢市に、別府弁天池という池があります。美祢市には秋吉台や秋芳洞といった有名な観光スポットがありますが、別府弁天池も知る人ぞ知る名所です。みなさんの中には行ったことがある人もいるでしょう。

この弁天池は、神秘的な青い池として知られています。弁天池は地下から湧き出た水がたまってできた池なのですが、その水がとてもきれいな青色をしているのです。水が青いのは当たり前と思うかもしれません。しかし、水は本来透明のはずです。弁天池の水は、地下からの湧水で日本の名水にも選ばれるほどの澄んだ水です。実際にペットボトルに汲んだ水は全くの透明に見えます。藻などで濁った水とは違います。その水が、池では青く見えるのです。私が行ったときにはきれいなエメラルドグリーン色をしていました。南国の海の浅瀬のような色です。透明な水が緑色に輝いているのがとても不思議に思えました。青い池と紹介されることも多く、季節や天気や見る人によって見える色が違うのかも知れません。

なぜ澄んだ水が青色や緑色に見えるのでしょう。池の近くの案内板の説明には、光の性質や水の中に溶けているミネラルが影響していると考えられているが、実は理由はまだ解明されていない、とありました。なんとなくわかった気になりますが、ミネラルが反射するとなぜ青や緑に見えるのか、やっぱり不思議です。弁天池のあたりがカルスト台地であることも関係しそうです。

この弁天池には、こんな伝説があります。昔、この地方を開拓した者が、水に困って諏訪大明神に祈ったところ、弁才天をまつり青竹を杖に水をたずねよというお告げを受けて、まもなく清らかな湧水が発見されたそうです。ほかの各地にも似たお話は伝わっており、昔の人が水を得るのに苦労していたのだなあと思います。

この弁天池の湧水は持って帰ることができ、飲むことで長寿が保たれ財宝を得ることができるとも言われています。なんだかすごい水です。給水場があり、地元の方でしょうか、大きなポリ容器にたくさんの水を汲んでいる人もいました。私もペットボトルに汲んで帰りました。

みなさんの周りにもたくさんの不思議なことがあふれているはずです。そんな不思議なことに気づき、いろいろなことを考えることで、毎日がもっともっと楽しくなるかもしれませんね。

200225

世の中大変な状況です。新型コロナウィルスの感染拡大を受けて、外出自粛の3密、①密閉空間(換気の悪い密閉空間)、②密集場所(多くの人が密集している)、③密接場面(互いに手を伸ばしたら届く距離での会話や発声が行われる))の回避・休校期間

様々な影響が出てきていますが、それとは関係なく季節は移っていきます。春の陽気が日に日に勢力を増して、日差しの強い日には夏を予感させる暖かさが顔を出し始めました。それに伴い、いろいろな生物も活動を始めています。

『昆虫』もそんな生物の代表でしょうか。チョウが春の花に集まり、バッタが卵から孵化(ふか)して草にとまっている、そんな姿を目にするようになりました。もう少しすれば夏の昆虫が活動し始めます。カブトムシはその準備としてそろそろ蛹(さなぎ)になる頃でしょうか。今回はそんなカブトムシ同様、夏の昆虫の代表、『蝉(セミ)』について話をします。

セミがどんな一生を過ごしているかは知っている人が多いと思います。幼虫の期間は種類によって異なりますが、短い種類でも3年。大きくて力強いイメージ(先生だけ?)のクマゼミは5~6年間土の中で過ごします。そんな長い期間土の中で過ごしてやっと地上に出てくるのですから、あんなに一生懸命鳴くのもわかりますよね。(そんな成虫の期間は約1か月短いですね)それだけ長い時間をかけて成虫になるセミですが、種類によってはもっと長く幼虫として地中で過ごすセミもいます。『17年ゼミ』と言われる種類で、名前の通り17年間も地中にいます。なぜそれだけ長いのか

歴史をさかのぼれば『氷河期』と呼ばれる時代の環境が影響しているそうです。地上に出てきても低い気温ですぐに死んでしまうため、なるべく長い時間地中にいようと、幼虫でいられる限界の期間まで地中にいたことが原因とのこと。

では、地上に出てきてもすぐ死んでしまうのなら、その時に何をするのか。それは「子孫を残す」です。地上に出てきてすぐにオスはメスを、メスはオスを探し子孫を残すそうです。ただ不思議なのは、この17年ゼミ、きっちり『17年間』地中にいて、17年ごとに一斉に成虫になるそうです。(地域によって『13年ゼミ』のところもあるそうです。その規模はすさまじく「北米でセミが大発生!! 数十億匹の大合唱で電話の声も聞こえない!!」などとニュースになるほど。

なんでそんなにきっちり17年で成虫になるのか、少しずれて16年や18年になってもおかしくないだろうにと思うのですが、それには大きな理由があります。

長い期間地中にいることになった原因の一つである『氷河期』では、成虫になるタイミングが一匹ずつ異なればどうなるか。せっかく地上に出てきてもオスとメスが出会えないかもしれません。そうなれば子孫を残すことができずに、最終的には絶滅していくしかありません。気候が安定してきた現代でも、それは同じ事です。外敵から身を守る手段をあまり持たないセミとしては、「自分の身に何があったとしても種族(同じ種類のセミ)の繁栄があれば良い」として、鳥に食べられようが、蛇に食べられようが、子供に取られようがそれでもかまわないくらいの大群で成虫になる方が、子孫を残せる可能性が高いのです。そうやって残された子孫はさらに決意するわけです。『17年後に成虫になって会おう!』

すごいですね。17年という『期限』をおおきな目標として過ごします。命がけです。

このセミの『期限』という名の『目標』はぜひ見習いたいものです。命がけとまではいかないかもしれませんが、君たちにも譲れない「期限」があるはずです。受験生は当然「受験日」が期限となるでしょう。もっと先の「将来の目標」に期限を合わせるなら「社会人になるまで」が期限でしょうか?

セミ同様、私たちも限りある命を生きる限り、一度きりの人生だからこそ期限からは逃げられません。先生もまだまだこれからです。どうせ生きるなら未来の自分をもっと大切に大きな夢を描きたいですそういう意味では、君たちの可能性は無限大ですね。

今からならなんにでもなれます。ただし、その実現のためには「期限をどこに設定するか」「目標をどの高さまでもっていけるのか」思い込みを外して、勇気をもって目標を持つことが大切になると思います。

今はしっかりと自分を見つめなおす時間、将来に思いをはせる時間が取れるはずです。これを良い機会だと捉えて、ぜひ考えてみてください。

(ちなみに12年や18年ではなく、『13年』や『17年』になったのも理由があるようです。ヒント『素数』。この謎を解き明かしたのは日本の昆虫学者だそうです。興味のある人は調べてみよう。)

200225

みなさんは「知の呪縛」という言葉を聞いたことありますか?

知識はいくらあっても損をすることはないので、普通はたくさん持っているほどいいとされています。ところが、その反対に知っているからこそ起こる問題というものもあります。

人は自分が知っていることを、他の人も知っていると思ってしまうことがあります。知識を得ると、その知識を持っていない人の気持ちが分からなくなる現象が起きてしまいます。(熱心に勉強する人ほど、この傾向が強いそうです。)

一つの例として、「叩き手」と「聴き手」についての実験がありました。

たくさんの人を「叩き手」と「聴き手」の役に分け、「ハッピー・バースデー」など誰もが知っている25曲の歌のリストを渡しました。「叩き手」は、リストの中から1曲選んで机でリズムを叩きます。「聴き手」は、そのリズムを聴いて曲名を当てるゲームです。

ゲームの前に叩く方の人たちにたずねると50%は当たるだろうと予想しましたが、結果は120曲中、たった3曲(2.5%)しか当たりませんでした。聴いてる人には意味不明の音にしか聴こえませんが、叩いてる人は「なんで分からないんだ?」とイライラしました。

お互いの間にあるこのギャップが「知の呪縛」です。いったん知ってしまうと、それを知らなかったときのことが分からなくなり、知識に呪いをかけられたようになります。

そうすると、話をしていても溝が生まれてしまいます。

これは日常的によく起こっています。友だちと話しているときに「なぜ、知らないの?」「なんで分からないの?」と思ったことや、態度に出てしまったことはないですか?また、自分で作ったノートを見返しても分からなかったことはないですか?

作るとき(叩き手)は曲名を知っているので、頭の中にメロディが流れていますが、読み返すとき(聴き手)メロディが流れていません。

自分と人の知識にはギャップがあるということを意識するだけでも、物事の見え方がきっと変わってくるはずです。人の立場に立って考えることが良い人間関係を作ります。

新型コロナウイルスの影響で、自分勝手な行動を取る人が増えています。こんな時だからこそ、自分のことだけではなく、他人のことを考えた行動を取れる人になりたいですね。「思いやりの心」を忘れないで過ごしましょう!

200316

桜も満開を過ぎ、4月も半ばとなりました。
二十四節気では、この時期を「清明(せいめい)」といい、空は澄み渡り、全てのものが清らかで生き生きとしている様子を表しています。(二十四節気とは、旧暦で1年間を24等分し、それぞれに季節を表す名前をつけたもの。夏至や冬至など、今でも季節の節目に用いられていますね)

さらに、二十四節気を5日ごとに分けると、今週の4月14日~19日は「虹始見(にじはじめてあらわる)」という晩春の時期にあたります。空気が潤ってきて、きれいな虹が空に見られる様子をいいます。

さて、この虹の色、みんな間違いなく「7色」と答えますよね。上から、赤・橙(だいだい)・黄・緑・青・藍・紫と並んでいて、全部で7色。

しかし、他の国では必ずしも7色とは限らないって知っていましたか?

虹が7色なことは、日本では当たり前ですが、アメリカやイギリスでは6色とされているそうです。日本では、青と藍を区別していますが、これを分けて見ていないからです。さらにドイツでは、5色と少なくなります。これは赤と橙が区別されていないから。南アジアのある部族の中では、なんと2色とされており、これは赤系(暖色)と青系(寒色)のみで分けているからなのだとか。調べてみると、アフリカでは8色、インドネシアでは4色など、虹の色は国によって色んな見え方をしていることが分かります。虹そのものが場所によって異なる配色で出現しているわけではなく、見る人のとらえ方によって見え方が違うだけなのですね。日本人は古来から色に対する感性が豊かで、同じ色にも、様々な繊細で美しい表現があります。ですから、日本では微妙な色の重なりを区別してとらえ、7色としているのでしょう。

ただ、今世界の多くの国では、きれいな虹を見たいと思っても、なかなか外にすら満足に出ることがかなわない日々が続いています。みなさんも、学校が休みになったり、遊びに行けなかったり、友達に会えなかったり、我慢する事が多いかもしれません。こんなにいい季節なのに、つまらないですよね。でも、みなさん一人ひとりが、家で勉強を進めたり、本を読んだり家族と過ごしたりすることが、みなさんやご家族やお友達にとって、今一番大事なのです。先生たちは、そのためのサポートを惜しみません。

それが、日本だけでなく、また世界の色んな国で空にかかる虹を思う存分見上げられるようになる近道です。空はつながっていて、見え方は少し違っても、虹を美しいと感じたり感動する気持ちは世界のどんな国でも同じでしょう。来年には、東京で1年遅れのオリンピックも開催される予定です。世界中で同じ喜びを分かち合うために、そしてみなさんが元気いっぱいの日を送るために、今だからできる過ごし方を考えてみませんか?

2003164月になりました。いよいよ新学年のスタートです。

みなさんは「春」「新学年」という言葉からどんな「色」をイメージしますか。
おそらく多くの人が「桜色」を思い浮かべるのではないでしょうか。

このように、私たちの思考や心理と「色」には密接な関係があります。普段の生活で目にする様々な色にも意味やメッセージが込められていて、私たちは無意識のうちにそれらの影響を受けていることが多いです。

例えば、信号。「止まれ」に「赤色」が使われているのは、「注意」「注目」をイメージさせる色だからです。また、赤色は「安さ」をイメージさせる色でもあります。スーパーのチラシやセールで赤色を目にすることが多いのはそのためです。逆に高級ブランド品を売るには不向きな色と言えます。

様々な会社には、その会社のシンボルとなるロゴマークがあります。このロゴマークで世界的に一番使われている色は「青色」だそうです。ティエラコムのロゴも青色ですね。これは「知的さ」「誠実さ」「信頼感」など、企業イメージをアップさせる多くの効果が見込める色だからです。海や空の色でもあるので、さわやかで広がりのある印象も受けますね。

ですが、食べ物屋さんのロゴに青色が使われていることは少ないとは思いませんか。これは、青色には「食欲減退」の効果もあるからです(ご飯を食べる時に青色の箸を使うとダイエット効果があるかも!?)。

 このようにとても奥の深い色の世界。もっと目に訴えかける直接的な部分では、学校や能開の教室にもある非常口マークが緑色なのは、もし火事になったときに炎の中で一番目立つ色だからです(緑色と赤色が、互いに一番引き立てあう補色の関係にあるからです)。

まだまだ私たちの身の回りで使われている色にはたくさんの意味や効果があります。「なぜこの色が使われているのか」。気になったらぜひ調べてみてください。

 新型コロナウィルスの影響でいつもとは様子が異なる4月。こんな時こそ、いつも以上に前を向ける「色」をそれぞれがイメージしながら、新しい生活をスタートさせましょう。

200316お家の庭や学校の校庭の隅に必ずいる、指でつっつくとクルンと体を丸くする…そうダンゴムシ!
皆さんも一度は指でつついて丸くさせたことがあるのではないでしょうか。

そんなダンゴムシを小学校1年生から11年も研究して、「高校生科学技術チャレンジ」という高校生・高専生が理系の自由研究成果を競うコンテストに発表した島根県の高校生、片岡柾人くんの記事が先日出ていました。

彼は小学1年生の時に、家庭菜園にたくさんいるダンゴムシとワラジムシを見て、なぜダンゴムシは丸くなるのにワラジムシはならないのか疑問に思い、おじいちゃんに尋ねたそうです。その時おじいちゃんは、「どうしてだろうね」と逆に問い返しました。それを聞いた片岡くんは、「なら、自分が調べてあげる」とおじいちゃんに返し、ここから彼のダンゴムシ研究がはじまりました。

プラスチックケースでダンゴムシとワラジムシを飼育し始め、虫眼鏡などを使って観察していきました。観察を続けるとダンゴムシとワラジムシの違いが徐々にわかってきて、さらにある疑問が芽生えました。
それは「彼の弟が飼い始めたナメクジのケースにはカビが生えているのに、ダンゴムシのケースにはカビは生えていない」という疑問でした。この時片岡くんは4年生だったそうです。
そこでミミズも飼育してそれぞれ比較し、ダンゴムシがカビの発生を抑えていると確信を持ちました。
さらに小学6年生で、カビを防いでいるのはフンだと確信し、フンを加熱したりすると効果がなくなることから中にいる微生物がきっと影響しているはずだと推測。フンの中にいる細菌やカビの培養を繰り返し…。

中学生から高校生になるまでに39種類の細菌を見つけ、13種類にカビの発生を抑える効果があることを発見しました。
この研究を「高校生科学技術チャレンジ」で発表し文部科学大臣賞を受賞しました。

このような記事を見る度に思いますが、一つのことに集中して取り組むことで、普段は何気なく見逃している中にも、もしかすると大きな発見や気づきがたくさんあるように思えてきます。

もうすぐ新学期が始まります。今年は新型コロナウイルスの影響があり、いつもと違う春休みになっているかもしれませんが、そういう時だからこそ小さな気づきを大切にしてみてもいいかもしれませんね。
少し見る視点を変えてみると小さな発見がみんなの身の回りにもあるかもしれませんよ。

第17回高校生科学技術チャレンジ http://manabu.asahi.com/jsec/