200225

秋の深まる11月の今の時期になると、モミジ、カエデ、ハゼなどの葉は、真っ赤に色づき、野や山を美しく彩ります。長崎の紅葉スポットでは雲仙の仁田峠や轟峡が有名ですよね。みなさんも一度は紅葉を見に足を運んだことがあると思います。

しかしこれらの葉も、春から夏にかけては、緑色をしているわけです。木や草の葉が緑色をしているのは、葉の中に葉緑素という緑色の色素が含まれているのは、皆さん学校でも学習して知っていると思います。

しかし、緑色をしている葉にも葉緑素のほかに、カロチノイドという黄色い色素が含まれています。ただこれらの色素は、葉緑素に比べると分量がかなり少ないので、黄色は隠れてしまって、葉は緑色に見えるのです。

ところが秋になると、気温が低くなって葉の働きが弱まり、葉緑素は壊れてしまいます。そして、黄色い色素だけがあとに残り、イチョウ、ポプラ、クワなどは黄色い葉になるわけです。

モミジなどの赤い葉でもやはり、葉緑素が壊れて黄色い色素が残ります。しかし、赤くなる葉には、黄色い色素が残るだけでなく、別にアントシアンという赤い色素がたくさんできてきます。それで、モミジなどの葉は赤く色づくのです。

葉では昼間日光が当たっているときには、みなさんご存じの光合成が行われ、二酸化炭素と水から糖分がつくられます。そして、この糖分は茎や根などに送られていきます。

ところが、秋になって寒くなってくると、木は葉を落とす準備を始め、葉と枝とを切り離す仕切りを作ります。この仕切りができると、糖分の通り道が塞がってしまいます。そこで糖分は葉に溜まっていきます。この溜まった糖分から、たくさんのアントシアンが作られ、葉は真っ赤に色づいていくのです。

これから植物たちは、春の芽吹きのために、葉を落とし厳しい冬を乗り越えていきます。君たちもこの冬、新型コロナやインフルエンザなどのウィルス感染に注意しながら学習面でもしっかり準備し、この冬を乗り越えて、春にすばらしい花を咲かせてほしいと思います。

200225

みなさんは、ずっと持ち続けたいと思う興味のあることや好きなものはありますか。もちろん、成長するに従って、新しいことに興味を持ったり、別のことが好きになったりすることもあると思います。先生は、幼い頃から今での興味あることの中に、「動物」があります。小学生のころには。「シートン動物記」は何度も読みましたし(先生の弟はなぜか「ファーブル昆虫記」派でした)、「野生の王国」というテレビ番組も大好きでした。今でも、そういった動物に関するドキュメント番組はよく観賞します。

今年、先生が「動物」について読んだ本の中に、「カメの甲羅(甲羅)は○○○○~人体で表す動物図鑑~」というものがあります。この「○○○○」は、書籍名にはもちろん正しく明記されていますが、何だと思いますか? 正解は「あばら骨」だそうです。人間の体をカメに変化させたイラストも描かれた表紙に興味がふつふつと湧き、一気に読んでしまいました。

読んでいくと、いろいろな驚きがありました。コウモリの翼は手のひらが変化したものであること、トカゲ人間になるとしたら足は真横に伸びることなどなど。興味のある人はぜひ読んでみて欲しいと思います。

それぞれの動物は、さまざまな環境の中で、その環境に適するように自分の体を変化させてきました。その環境に適応できなければ、子孫を残すことができないからです。みなさんも、今後、いろいろな環境の中で学習していくことになります。そして、それぞれの環境の中で、自分を変化させなければなりません。「変化」は「成長」へとつながっていくものです。1ヶ月半後の「冬期講習会」も、みなさんが「変化」できる環境です。「弱み」だけでなく、「強み」までも「成長」できる「冬期講習会」にして欲しいと思います。

200225

秋なので読書の話、最近、大物バンド(Buc……)のボーカルの息子が芥川賞を、という話題もありましたので芥川の名作“藪の中”の紹介を……、や、√(ルート)が、数直線上には点を取れない、といいながら長さが表せる不思議等、色々考えましたが、先生からは、来年度からいよいよ中学校の指導要領が変わり、この10月から教室によっては“速読聴英語”が受講可能になったということで“英語に親しもう”という話をさせてもらいます。

皆さんも既に聞いていることと思いますが、来年度から中学校の英語の授業は原則、英語で行われることになります。求められる技能も、4技能(聞くこと・読むこと・書くこと・話すこと(やり取り))から4技能5領域(+話すこと(発表))に拡大されます。中学校三年間に覚えるべき英単語の数も1,200語から1,600~1,800語になります(ちなみに能開は今でも1,900語以上です。さすが能開です)。そう聞くと大変と思う人もいるかもしれませんが、英語は言語ですので勉強すれば学力をつけることと同時にコミュニケーションの幅を広げることが出来ます。日本人は、文法は得意だが会話が……、と、よく言われますが、新しい指導要領によって少しはその状況も改善されるかもしれません。

という先生も、外国の方の英語は何とか聞き取れる(だいたい)のですがすぐには(または永遠に)返す言葉が出てきません。先生は、実際に突然、英語で話しかけられた経験が何度かありますが(休みの関係もあり海外には一度も行ったことはありませんが……)大体上手く話せませんでした。

一度目は関ヶ原(大海人皇子が桃を配ったり、天下分け目の戦いが行われたりしたあの関ヶ原です)で誰の陣地から回ろうか、まずは松平忠吉・井伊直正隊から、藤堂高虎・京極高知隊は中学校か、と、地図を見ているときでした。How long does it take to go around?(多分)と、オーストラリア人っぽい(先生のイメージ)中年の女性から声をかけられました。あせりながらも先生は距離が書かれた案内版を指差しました。先生の英語力を察したのか、あとは自分で確認してくれていました……。ちなみに先生はそのあと各陣地跡、平塚為広(平塚らいてうの先祖)終焉の地、島津豊久・長寿院盛淳が捨てがまった烏頭坂等々を訪れて楽しみました。

二度目は台風の接近する中、伊勢神宮を訪れ、おかげ横丁でお伊勢参りの歴史を学び、伊勢うどんに驚き、お土産を見ていたときです。先ほどまでは晴れていたのですが突然、雨が降り出しました(台風が迫っているから当然といえば当然です)。レジを見るとイギリス人っぽい(先生のイメージ)中年の女性がレジの店員さんに、なんたらupside down なんたら、と、一生懸命説明していました。店員さんがおろおろしていたので、雨も降ってきたのでビニール袋を二重にしてほしい。そして、中身が雨にぬれないように内側のビニール袋をさかさまにしてほしい、と言っていると思いますよ、と、伝えました。店員さんがその通りにするとその女性は、Thank you!と、笑顔で先生の方を見ました。そこまでは良かったのですが、先生に英語が通じると勘違いしたその女性が色々と英語で質問をしてきました。かろうじて聞き取れたのは、entranceという言葉だけ……。伊勢神宮全体の入口なのか、境内の入口なのか、おかげ横丁の……、先生はSorry.と笑うしかありませんでした(そもそもどこがどこかもよく分かっていませんでしたが)。ちなみに先生は、その後、台風に傘を壊されびしょ濡れになり、何とか乗りこんだ名鉄は立ち往生し、と色々ありましたが最終的には名鉄が用意した臨時バスでその日のうちに四日市にたどり着くことができました。

三度目はなんと校舎で生徒たちを送り出したあとのことです。坊主頭のフーリガンみたいなおしゃれな刺青の入った外国の方がビール片手に、Hotel?と、入ってきました。先生は、色々な意味で慌てて、No,hotel.(いいえ、ホテル).と、笑顔で答えました。そのフー、男の人は、笑顔でOh~.とかなんとか言いながら帰っていきました。本当によかったです。四……、先生の話はここまでにしておきます。

皆さんはこれからより英語に親しむことにより、先生のようなシチュエーションに陥ったときもきっと知性あふれる返答ができるようになると思います。また、先生の知り合いの中には外国で短期間ですが働いた経験があったり、ピラミッドの上の星空を見たいと突然エジプトに行ったり(ちなみにその人の彼氏は「ムーミンに会いに行く」と同時期に北欧へ旅だったそうです)、好きなサッカーチームを応援するため電車でヨーロッパをめぐって絡まれたり、グアムに行って調子に乗って怖い目にあい帰るまで一歩もホテルから出なかったり、という人たちもいます。自分のコミュニケーションの幅が広がると思って、できるだけ前向きに英語の学習をがんばってほしいと思います。

200225

みなさんは、日々学校や能開でテストを受けていると思いますが、みなさんにとって「テスト」とはどんなものですか?
自分の力を試せるからワクワクする人もいれば、点数が悪かったらどうしようと不安になる人もいるかもしれません。今日はその「テスト」についてお話をしたいと思います。

ちなみに、みなさんは人以外にも「テスト」があることを知っていますか?
実は皆さんの身の回りにあるもののほとんどが「テスト」を受けているんですね。

例えば、皆さんの家にもあるパソコン(ノートパソコン)です。パソコンはどんな状況でも正常に動くようにいろいろなテストを受けます。気温60度を超える暑さや、マイナス29度になる寒さに耐えられるかどうか、またいろんな向きで落としたり、衝撃を与えたりしても耐えられるかなどです。自分が同じようなことをテストされたらと思うとこわいですね(笑)

他の物だとフライパンもさまざまなテストを受けています。フライパンを使っていて困ることは、料理していて焦げ付いてしまうことです。その焦げ付きをしないように、フライパンを何万回もフライ返しで擦った後、焦げ付かないかテストをしたり、フライパンで牛乳を焦げるまで熱して、するっと剥がれるかをテストしたりとさまざまなテストを受けています。

なぜパソコンもフライパンもそのような「テスト」をしないといけないのでしょうか? それは使う人に「確実に安心して使える」モノを届けるためです。

パソコンであれば、家の中だけでなく、外で使う人もいますし、暑いところ・寒いところで使う人もいるでしょう。持ち運びしているときに落としたりすることもあると思います。フライパンであれば、毎日家族のために料理作る人は、美味しく作るために焦げ付かせないようにしたいでしょう。このように使う人に確実に安心して使ってもらうために、さまざまな「テスト」を行っているんですね。

それでは、みなさんが「テスト」を受けることはどういう意味があるのでしょうか?
先生は「自分の学習で身に付けたものが、確実に使えるようになっているか」確かめるものだと考えています。

みなさんはいつか入試という大事な「テスト」を受けていくことになります。そこでは、自分の力を頼りに突破する他はありません。そのためには、通常テストやEXオープン模試で日々「自分の学習で身に付けたものが確実に使える」かを確認し、出来ていなければそのたび復習していくという積み重ねが大事になってきます。その積み重ねが確かな「自信」へとつながっていきます。

みなさんも「確実に確かなもの(自信)」を得るために、1つ1つのテストを大事にしていきましょう!

200225

今日10月19日は、アメリカ海軍の提督、アーレイ・バーク海軍大将の誕生日です。アーレイ・バークは太平洋戦争時に大きな戦果を挙げる活躍をしました。「31ノット・バーク」という異名を得たことでも知られています。

さて、このバーク提督、日本に来る前は大の嫌日家として知られており、公式の場で日本のことを大嫌いだと公言することもたびたびありました。しかし、ある出会いをきっかけにして大の親日家に変わります。

GHQの高官として帝国ホテルに寝泊まりしたのですが、最初、日本人ボーイが荷物を持とうとすると、「触るな。おれに一切かかわるな。」とののしったくらいです。ある日、殺風景な自分の部屋に、多少なりともうるおいを与えようと、店で買ってきた花を一輪、コップにさしておいたことがありました。

夜、帰ると、それが小さな花瓶にさしてあったのです。バークは激怒し、すぐフロントに降りて行って、「勝手なことをするな。」と怒鳴り込みました。しかし、帝国ホテル側は、なにも指示を出していない、と言うばかり。

やがて、花瓶には、新しい花がさしてあるようになりました。またこれで怒ったバークは、ホテルに激しく抗議しました。「誰が、こんなことをしているのか、犯人を探し出せ」結局、それはバークの部屋を担当していた帝国ホテルの女性従業員であることが判明したのです。バークはこの日本人女性を呼び出し、厳しく問いただします。

「なぜ、こんな余計なことをした?」

「花がお好きだと思いましたので。」

彼女は、自分のわずかな給料から、ときどき花を買っては、バークの部屋に活けていたことがわかったのです。

バークは、一応納得し、それではその対価を自分は払わなければならないといって、金を押し付けました。しかし、彼女は頑として受け取らなかったのです。彼女いわく、宿泊客に、気持ちよく過ごしてもらいたいというだけのことだからお金はいらない、と。バークには、これがまったく理解できませんでした。いわゆるアメリカのチップという習慣くらいにしか理解できなかったのです。さらにバークは、彼女の身の上を聴いて驚きます。

彼女は戦争未亡人だったのである。夫は海軍の駆逐艦の艦長で、アークも参加した戦闘で戦死していました。バークは、さすがに心が揺れ、「それは申し訳ないことをした。わたしがご主人を殺したのかもしれない。」

しかしその女性は、はっきり言ったそうです。「あなたがなにもしなかったら、夫があなたを殺していたかもしれません。誰が悪いのでもありません。」バークは、深く考えさせられてしまいました。「自分が、心の底から日本人を憎んでいる一方で、この女性はその立場を超えて、自分をもてなしている。この違いは、一体何なのか?」

のちに、バークは述べています。「彼女の行動から、わたしは日本人の心意気と礼儀というものを知った。日本人の心には、自分の立場から離れ、公平に物事を見ることができる資質があるのだ。」この帝国ホテル滞在中、バークはさまざまな、日本人のその心意気に圧倒されていくことになりましたが、それはまた別の話。

いくつもの逸話を経て、バークは次第に日本人への憎しみが消えていき、むしろ、敬愛の念を抱き始めていったのです。バークは、一刻も早く米軍による日本の占領を解き、独立を回復させるよう、GHQとアメリカ政府に訴えたのです。

朝鮮戦争がはじまると日本海軍の再建も説き、1954年に海上自衛隊が設立されることになります。1961年、彼は海上自衛隊創設に力を尽くした功績で、日本から勲一等旭日大綬章(日本でもっとも価値の高い勲章)を贈られました。

1991年、バークは96歳で亡くなりました。各国から数多くの勲章を授与された人物でしたが、葬儀のときに、彼の胸につけられたのは日本の旭日大綬章ただ一つだけだったそうです。それは、バークの遺言だったのです。そのため、ワシントンの海軍博物館にあるバーク大将の展示コーナーには、日本からの勲章だけ、一つ抜けたままになっています。彼にとって、他のどの勲章より、日本で天皇から下賜された旭日大綬章が生涯の栄誉と思っていたようです。

先生は、このお話を最初に聞いた時、「相手を思いやる気持ち」がかたくなな心を溶かすことがあるのだな、と思いました。帝国ホテルの女性のように、ちょっとした心遣いを大事にしたいですね。

200225

皆さんは「第六感」ということばを聞いたことありますか。人間には物事を感知する能力が5つあります。

視覚…目で見える感覚
聴覚…耳で聞く感覚
触覚…肌で触れる感覚
味覚…舌で味わう感覚
嗅覚…鼻で嗅ぐ感覚

この5つを五感といいます。科学的にも認められたもので数値に表すこともできます。

例えば視覚は視力検査などありますね。日本人は1.0程度ですがアフリカの人は5.0以上あるみたいですね。信じられない数値です。では、第六感とはどんなものでしょうか。

第六感とは五感以外のもので理屈では説明しがたいものらしいです。代表的なものにインスピレーション、勘、直感、霊感などがあるらしいです。霊感があって怖い…などよく聞きますが先生にはよくわかりません。

でも、この第六感には「空気を読む力」「空気をつくる力」「相手の気持ちを考える力」なども含まれていると思います。昔KYという言葉が流行りましたね。「空気読めない」の略らしいです。「空気読める」の略にもなりえるからはたまたよくわかりません。

ですが、空気を読む力・つくる力・相手を考える力は非常に大切な力なのではないかと思います。相手の立場に立って考える。大人になった今でもこれができる人とできない人に分かれているように感じます。コミュニケーション能力もこれが根源にあります。コミュニケーションに必要な語学やスキルは数値化できますが、これは数値化できません。

人は一人で生きているわけではありません。必ず誰かとコミュニケーションをとらねばなりません。相手の立場に立って考えることができればよりよい大人になれるのではないでしょうか。

200225

10月に入りⅡ期のゼミがスタートしてちょうど1ヵ月になります。能開の学習には慣れましたか。1週間の中で復習と予習に取り組む勉強は本当に大変だと思います。なぜそんなに大変なのかというと、能開が『鍛錬の場』だからです。“鍛錬”という言葉は、皆さんも漫画やアニメで聞いたことがあると思います。イメージ的に話をすると、主人公が能力を上げるために厳しい特訓をする時に使われる言葉です。

では皆さんはこの“鍛錬”という言葉の由来を知っていますか。

調べてみると、この“鍛錬”という言葉を現在のような意味で使われ始めたのは、江戸時代初期の有名な剣豪宮本武蔵が関わっています。宮本武蔵の有名な書物である「五輪の書」の中で、「千日の稽古を鍛とし、万日の稽古を練とす」という記述が残されています。この武蔵の「鍛」と「練」という二文字を取って“鍛練”という日本語が生まれたと言われています。ただし、この中では「練」という文字になっています。

では、「錬」を使った“鍛錬”はどうなのかというと両方とも金偏が使われていることからも分かる通り金属に関係する事が基になっています。それは宮本武蔵も使っていた日本刀を作る工程の一部です。皆さんも映画や時代劇で見たことがある鍛冶屋が真っ赤になっている金属を叩き続けるあの作業の事です。無駄に叩いているように見えますが、あの作業にはとても重要な意味合いがあります。もともと日本刀の材料は「玉鋼」と呼ばれ、不純物が多く含まれています。“鍛錬”というのは、熱いうちに叩くことによってその不純物を取り除く作業になります。合わせて、その際に引き伸ばしては折りたたむという作業を15回程度繰り返すことで刀の強度を上げていきます。この作業が日本刀を世界一の強度にしていると言われています。時間をかけて、刀の強度を上げていくこの厳しい作業が“鍛錬”という言葉の意味に繋がっているのだと思います。

先生が能開は『鍛錬の場』であると言ったのは、ただ単に鍛える場であるだけではありません。皆さんの学習の中にも不純物つまり間違えている部分があります。先生たちは、能開の学習を通じて、間違えた勉強の仕方に指導を入れていく中で正しい勉強の仕方を身に付けさせていきたいと思っています。時には鬼のように厳しく叱ることもあるかも知れません。ただ、それは皆さんに正しい勉強の仕方を身につけてもらいたいと考えているからです。正しい勉強の仕方が身につけば、この先どんなに学習が難しくなったとしてもきっと乗り越えていくことが出来ます。

この『鍛錬の場』である能開の学習を乗り越え、自分自身を鍛え上げながら、日本刀のような未来を切り拓く“刃”になってほしい思います。

では、今週のゼミも一緒に頑張って学習していきましょう。

200225

今から数年前、ふと、教室に掲示してある夏合宿のポスターを見ると「北海道」の文字が目に入りました。
しばらくその文字を見ていると「あれ?北って漢字はこんな形をしてたっけ?」と思い、すぐに紙を持ってきて書いてみました。
「違う。形が違う……」目の前の紙に書いた北の形と、ポスターに書かれている北の形が違っていました。

全身から血の気が引いていくのが分かりました。小学校でこの漢字を習い、それからウン十年。漢字を間違えたまま覚えてしまっていたのか?間違いに気づかず今まで書いてきたのか?冷汗が止まりません。

急いで漢和辞典を持ってきて調べました。漢和辞典に載っているものも自分が書いていた形と違っていました。「なんてことだ……」その場に崩れ落ちそうでした。しかし、筆順のところをよく見ると、自分が書いた形と同じでした。
「間違ってはいないのか?」
その後、他の先生に「北」という字を書いてもらうと、さっき自分が書いた字と同じ形でした。そこでようやく北という文字は、「書いた形」と「印刷された形」が異なるということが分かりました。

人生で一番衝撃を受けました。

それはなぜか。今まで「北」という文字は何百、何千と見てきたはずなのに、「書いた形」と「印刷された形」が違うということに全く気づいていなかったからです。

気にも留めていなかったこと。
それが当たり前と思い、別のことを考えもしなかったこと。
身の回りにはそんなことがたくさんあるのかも知れません。
ちょっと立ち止まって、見方を変えてみると、今まで気づかなかったことに気づいたり、見ているようで見えていなかったものに出会えるかも知れませんね。

ちなみに君は「北」という漢字は「書いた形」と「印刷された形」が違うことに気づいていましたか?  日本人のうち、いったいどれくらいの人が気づいているのか?気づいていなかったのは自分だけなのか?秋の夜長に考え出すと眠れません(笑)

200225

9月も下旬。随分と過ごしやすい気候となりました。8月のあの暑さも遠い日のように感じます。昨日9月22日は秋分の日ということで、いよいよここから秋めいていきますね。受験生の皆さんは寒くなるほどに受験勉強に熱が入っていく時期でもあるでしょう。緊張感も日増しに高まり、時に視野が狭くなってしまい、イライラがつのったり、感謝すべき人に我儘をぶつけてしまうなんてことが、ひょっとしたらあるかもしれません。勉強の合間、ちょっと秋の夜長に空を見上げてみましょう。

今日9月23日がどんな日か皆さんはご存じでしょうか。今から174年前の今日、太陽系の第8番目の惑星である「海王星」が発見された日なんですね。

1846年9月23日にベルリン天文台のガレという人が海王星を発見しました。海王星はネプチューンと呼ばれ、なんとその公転周期は165年。地球の公転周期が1年ですから、いかに太陽から遠いかがわかりますね。さらに、星の質量は地球の17倍もあり、平均気温は-230℃、その大気中では風速600m/s、時速にして2200km/hもの風が吹いているそうです。もはや想像の域を越えます…。

今はインターネットが非常に便利な世の中になりました。海王星に限らず多くの星の写真を見つけることができます。目の前にある写真・画像を見て、そして、夜空を見上げてみましょう。

大きな時の流れの中で動いている星を見ると、今目の前にある受験勉強にも心に余裕を持って取り組めそうな気がしますね。

行き詰ったら、秋の夜長に空を眺めてみよう。

200225

withコロナの今年、私は休みの日を家で過ごすことが多くなりました。 ほぼ1日寝ていることもありますが、今まで以上に読書に費やす時間が増えた気がします。「まじめかっ!」とお思いでしょうが、実態は、中学・高校時代に読んでいた漫画を引っ張り出してきて朝から読み始め、気づけば次の日の朝なんてことも・・・(タッチ、めぞん一刻、スラムダンク、横山三国志etc.)。

そんな中、最近のブームに乗って、アルベール・カミュ(1913‐1960)の『ペスト』という小説を読みました。舞台は20世紀半ば、北アフリカ・アルジェリアの都市オラン。街中で大量のネズミが死に、人々が不審に思い始めた矢先、高熱に苦しみ血を吐いて死ぬ人が続出します。主人公の医師リウーはいち早く『ペスト』という感染症の症状であると診断、迅速な対応を医師会や行政に相談するのですが・・・。

興味がある人は、是非、続きを読んでみてください。個性豊かな登場人物が、予期せぬ感染症蔓延の中、思い思いの行動に出ます。そして、その様子が非常に多くの部分でコロナウィルス流行下の今の時代に重なることに驚かされます。この作品が発表されたのが第二次世界大戦終了後間もない1947年のことですから、まさしく「予言の書」と言うことができるでしょう。作品を読み、「自分だったらどうするか?」「この人がこんな事をするのは(言うのは)何故だろう?」などと様々に思いを巡らせることで、先行きの分からないこれからをどう生きていくか、自分なりの判断軸が持てるようになると思います。

『ペスト』に限らず古今東西の有名な著作には、生きていく上でのヒントがたくさん詰まっているのではないでしょうか?そういう意味で、世の中には「予言の書」がたくさんあるのだろうと思います。

また、難しそうな作品を手に取るのが億劫なのであれば、まずは国語の教科書に収められた短い文章でも良いでしょうし、マンガや絵本といったものでも読み方次第では得るものが非常に多くなるはずです。

読書の秋、到来―。何か面白い作品を見つけたら、是非、私にも教えて下さい。