今年の夏も35度以上の猛暑日が続きましたが、お盆には一転して天気が不安定になり、各地で大量の雨をもたらしました。

天気というのは私たちの周りにある自然の中で、とても身近なものですね。

空に浮かぶ大きな入道雲を見上げたり、飛行機の窓から雲海を見たりして、あの中に入ってみたいなぁとか、不思議な気持ちになった人もいるかと思います。

雲というのは遠い空の現象と思われますが、たとえば地上で立ち込める霧は地表に張り付いた雲の一種ですし、実はお風呂の湯気もみそ汁の湯気も、暖められた水蒸気が立ちのぼる状態であり、ある意味で雲と同じ現象だと言えます。

気象庁気象研究所の研究官で、雲研究者の荒木健太郎さんの著作「すごすぎる天気の図鑑」では、雲や天気についての解説を、写真やイラストなどで楽しく読むことができます。

荒木さんはアニメ映画「天気の子」を監修されるだけでなく、作品の中にも本人役として登場するそうです。「すごすぎる天気の図鑑」からいくつかの解説を紹介しましょう。

雨のつぶの形はよくあるイメージと違って、頭はとがっていない。

地震雲は地震の前兆ではない、飛行機雲を違う角度からみたもの。

虹は半円ではなく本当は丸いが、虹のふもとまで行くことはできない。

1時間に100ミリの雨は、1平方メートルに100キログラムの水がたまる凄さ。

台風の予報円は台風の大きさではない、確率70パーセントの範囲のこと。

今まで何となく見ていた空や雨や台風のことも、ひとつひとつに科学的な原因がありますが、すべてが解明されたわけではありません。皆さんも目の前にある雲がどんな形で、どこから来たか、考えてみませんか。空を見上げるのが楽しくなりますし、夏休みの自由研究にも役立つかもしれませんよ。

いよいよ8月ですね。テレビでは、連日「東京オリンピック」の中継があり、日本人選手を含め多くのアスリートたちの雄姿が映し出されています。先生は試合・競技を見るのも好きなのですが、そのあとのメダリストに対するインタビューを見るのが大好きです。

特に今年は異例ずくめのオリンピック。開催が1年延期され、それでも開催されるかどうか危ぶまれていました。それもあってか、そのインタビューでよく耳にするのが「オリンピックを開催してくれたことに感謝します」という感謝の言葉。この日のために4~5年も血のにじむような練習をしている選手が世界中にいます。その努力の成果を出す舞台がなくなるかどうかの状態が続いていたのです。

しかし、その不安の中でも開催されることを信じて日々練習してきたアスリートたちのことを思えば、その感謝の念はとても共感できます。開催前からも、「アスリートのために」といった言葉は飛び交っていましたが、改めて試合・競技を見て、喜び・悔しさの中からインタビューに答えるその姿を見ると、心が締め付けられる思いがします。

一方で、高校野球においては、チームに陽性者が出たために夏の甲子園を辞退しなければいけない高校がいくつかあります。甲子園を目指し練習をしてきた部員たちの目標は、無情にも奪われてしまったのです。

「がんばる場所」があることのすばらしさ・大切さを改めて感じませんか?

このコロナ禍は、今までの「当たり前」が当たり前でなくなっています。がんばりたくても、がんばる場所を奪われる人もいれば、周りの人たちの献身的な努力によって、その場所が維持されている人もいます。

この夏、みなさんは「講習会」「お盆特訓」などで、いろいろ自分で調べ、多くの問題を解き、自分のレベルを高めるために大いにがんばっていることと思います。でも改めて考えてみてください。その「がんばる場」があることを。皆さんが講習会などに参加できるのも、おうちの人の応援・協力があるからこそなのです。「がんばる場」に「参加できる」という環境を整えてくれたおうちの人に感謝していますか?

今日の話を少し頭において、講習会が始まる前に「参加させてくれてありがとう。私がんばってくるね!」と、講習会が終わった後に「参加させてくれてありがとう。すごくがんばれたよ!」と、言ってみましょうよ!

約束は誰としますか?
家族や友達、先生などいろいろな人といろいろな約束をしますよね。みなさんは約束を守る人ですか? 約束を守れなかったとき、「まぁいっか」で終わらせていませんか?
でも、逆の立場で考えてみませんか?
友達と大切な約束をしたとき、その友達が約束を守ってくれなかったら、それが繰り返されれば、その友達のことをみなさんは信用できるでしょうか。

自分との約束というものもあるでしょう。
自分との約束=目標ということが出来ますよね。
例えば、1年前に「私は、毎朝早く起きて、1時間勉強する」と決めたとしましょう。
今、それが続いている人は、自分のやって来たことに自信が持てるはずです。
それが積み重なった時、自分の心の中で、喜びが増えていくでしょう。
逆に、今続いていなかったら?
嫌な気持ち、「やっぱり私はダメなやつだな~」って自己嫌悪になりませんか。
さらに、その目標を持たなくなった時、不安、虚しさ、悲しみが増えていきますよね。

どんなに小さな約束でも守られれば大きな信用=自信になるに違いありません。
人は誰しも困難にぶつかることがあります。
その度に、「まぁ、いっか」で終わらせてしまうと、5年後、10年後はちっぽけな自分がいるだけです。
今からでいいんです。
時には歩く速度がゆっくりになっても、遠回りしてもいいんです。
ただ自分の信じる道を堂々と進み、自分との約束を守りましょう。
それが大きな自分に変えてくれます。

マジシャンという職業を知っていますか。手品師のことです。

テレビなどで手品をやっているのを見たことがある人もいるでしょう。
例えば、カードを相手に1枚選んでもらい、そのカードを残ったカードの真ん中あたりに戻す。「パチッ」と指を鳴らすと選んでもらったカードが一番上に上がってくる。不思議ですよね。

でも手品にはやってはいけないルールがあります。
「同じ手品を繰り返してはいけない」

手品が成功するのは、「今から何が起こるか、見ている側は分からない」という点にあるのです。見ている側は何が起こるか分かっていないので、実はタネが見えているのに、それがタネだと気づかないことが多いのです。
つまり、「予習」をしていない状態だから手品が不思議に見えるのです。

手品を勉強に置きかえてみましょう。
ぶっつけ本番の授業は大変です。
何が起こるかわからないから。
でも、予習していると授業がとても分かりやすいですよね。

「移項」がよく分からない、「等積変形」がよく分からない、「有理化」が分からない。理解するのは難しいかもしれませんが、こういった用語が出てくると最低限知っておくだけでも、それはそれで予習なのです。

大変だけど予習をがんばりましょう。できるだけ予習をがんばって授業に臨みましょう。
きっと学力アップのタネが見えてきますよ。

突然ですがみなさんに質問です。

『ひとりで家にいるときに次に挙げる事柄が同時に起こりました。あなたならどの順番で片付けていきますか?』

①赤ちゃんが泣きだした
②トイレに行きたくなった
③電話が鳴った
④チャイムが鳴った
⑤お風呂の水が出しっぱなしなことに気づいた

さて、どうでしょうか。
「とりあえず風呂の水はすぐに止められるからまずはそこから……」とか、
「赤ちゃんがかわいそうだからあとはどうでもいい!」とか、
何を優先するかは実は三者三様かと思います。

こういう「一気に何かをこなさなければいけない」という場面が、みなさんにもあるかと思います。
ただ、私たちには1つの体しかありませんので、「同時に全部こなす」は土台無理な話です。
「一気に」を求められる場面(「定期テスト前にゼミの宿題が修羅場」的なやつですね。)でみなさんにぜひ意識してほしいのは、「何かを諦める」のではなく、「優先順位を考えて順番にすべてこなす」ことです。
「チャイムが鳴ってるから赤ちゃんは泣かせておけばいいや!」……なーんて諦める人はいないと思います。
願わくはみなさん、
「とりあえずチャイムの向こうの人には事情を説明して別室で待ってもらって、まずは落ち着くまで赤ちゃんのそばにいてあげよう。」
と、優先順位をつけて修羅場を乗り切れる人になってくださいね。

(おまけ)
ちなみに上の質問はネット上で見かけた心理テストで、これによって「あなたが人生で何を優先するのか」がわかるそうです。

①赤ちゃん …愛情
②トイレ …自分自身
③電話 …仕事
④チャイム …友達
⑤お風呂 …お金

だそうです。
優先順位をつけるためには、こういう自分の価値観を知っておくことも大切ですね。

ある休日に、親戚のおじさんと2人でお昼ご飯を食べる機会がありました。親戚のおじさんは「お蕎麦が食べたい」ということで先生が知っている蕎麦がおいしいお店を紹介することにして、お店に向かいました。が、なんと定休日。下調べをしなかった先生が悪いですね。おじさんに謝ると、「近くにもう1店舗、おいしい店があるからそっちに行こう」と今度はおじさんの案内でそちらに移動しました。とてもおいしいお蕎麦を無事に食べることができました。紹介するつもりだったのに、逆に紹介された形になってしまいました。

おじさんはものすごくお蕎麦が好きで、きっとたくさんの名店を知っているのだと思います。(もしかすると先生が紹介したい店も知っていたのかも・・。)お蕎麦屋は意外と急な定休日もあるようで、最初の店が定休日でもおじさんはまったく動じていませんでした。パニックになっている先生と違い、すぐに落ち着いて次の店のことを考えていたようです。

「機転がきく」、とは「臨機応変な対応ができる」という意味です。

どんな状況でも臨機応変な対応ができる、ということは、そのことを日頃から意識して行動しているからできるのだと思います。もちろん好きなことに関してはみなさんもできると思います。

勉強に置き換えるとどうでしょうか?苦手な科目の授業で急に先生にあてられたり、急に想定外の問題に出会ったときにみなさんは機転をきかせられますか?機転とは、「たくさんの経験値」、「たくさんの練習量」、「たくさんのイメージトレーニング」から身につくものだと思います。先生は臨機応変が苦手なので、何が起きても冷静に考えることができる人をあこがれます。みなさんもたくさんの宿題やテストを乗り切った先に、どんな問題でも冷静に解ける人になってみたいと思いませんか?

さて、機転がきく人を目指して、今日もいろんな問題に触れていきましょう!

「人間は考える葦である」とは、フランスの有名な哲学者・パスカルの言葉です。葦というのは水辺に育つ、弱く細い草のような植物のことで、パスカルは著書の中で「人間は自然の中では葦のように弱い存在である。しかし、人間は頭を使って考えることができる。考える事こそ人間に与えられた偉大な力である」ということを述べています。

学習をしていると、わからない問題に直面することが多々あると思います。そんなとき皆さんはどうしますか?

「解答解説を読む」「もう一度考え直す」「先生に質問する」「あきらめる」。いろいろな選択肢がありますが、どれが正解というわけではありません。しかし、わからないことが出てきたら「何でもかんでもすぐ質問して解決する」というのも考え物です。確かに質問によって疑問が短時間で解決でき、そのぶん練習をたくさんすることができるようになるというメリットがあります。と同時に、自分ではそれほど頭を使わないため、「自ら考えて解決方法を見つける」ということをしなくなる危険性があるのです。

今の世の中にはAI(人工知能)を搭載したロボットが登場し、いろいろな状況をAIが自ら判断して動くことができるようになってきています。しかし昔のロボットは今のものとは違い、人間によって与えられた命令しかこなすことができなかったのです。考えることをしない人は、他人の命令によってしか動かないロボットのような人、つまり「ロボット人間」ということになるでしょうか。何も考えずに他人や機械の言いなりになれば、もはやそこに「自分」は存在しません。脳みそ(=思考)が無くても動くことができるので、そういう人はもはや自分ではなく「他人」なのです。もし人類の大半がロボット人間になってしまえば、「考えるAI」によって「ロボット人間」が支配される世の中になってしまうかもしれませんよ?

パスカルが言うように、人間は自ら「考える」ことができます。せっかく与えられたその力を無駄にせず、まず自分の頭で考えてみるようにしてください。もちろん、自分の考えた答が正しいかどうかもわかりませんし、思考には時間も労力もかかります。でも、自ら考えて出した答こそが「自分そのもの」なのですから、自分が自分らしくあるためにも「考える」ことを大切にしてほしいと思います。

みなさんはマスクをつけて過ごすのは嫌いですか?

もちろん、今の社会はマスクをつけるのが当たり前なので、好きとか嫌いとかいうわがままは通じません。皮膚が傷むから嫌だとか、呼吸が苦しくなるとか、どちらかというとマスクをつけることが嫌だ、という人が昨年あたりは多かったように感じます。私もマスクを着けていることが苦手です。

しかし、最近では「相手に表情を悟られないから、むしろ便利」「もう着けているのが当たり前になってきたから、むしろ外した時に違和感がある」という人も多いようです。

そのような状況の中、少し気になることがあります。まだコミュニケーションをはじめて間もない幼稚園児や小学生の低学年の子どもたちが、マスクに頼り、自分の感情を隠すことがコミュニケーションの基礎になってしまう恐れがあることです。小さな子どもだけでなく、中学生、高校生、大人の社会においても同じかもしれません。

だからこそ、改めて意識すべきことがあると思います。それは、【話しているとき、話を聴くときは相手の「目」を見る】ということです。当たり前のことですが、これ程、このことが大切である時期が歴史上あったでしょうか。これ程、「目」がものを言う時代はあったでしょうか。

先生は今日、君たち一人一人の目を見て、君たちが今日いったいどんな気持ちでゼミに出席し、何を考えているのだろうと、一生懸命感じ取ろうと努力しながら話しています。こんな時期だからこそ、君たちも先生の目をしっかり見て、家族や友達の目をしっかり見て、伝えることをしていきませんか。考えようによっては、この時期に相手の目を見ただけで、相手の感情をしっかりと汲み取ることや、相手の目をしっかり見て話す力が身につくと思いませんか。

先生たちは、今日のゼミでもしっかりと君たちの目を見て話す姿勢にこだわります。合格や点数にばかりとらわれるのではなく、一人前の人間としての土台を磨くのが、ティエラのゼミという場だからです。

今日も頑張りましょう。

今日は『エッセンシャル思考 最小の時間で成果を最大にする』という本を紹介します。エッセンシャル(essential)とは、「欠くことのできない、非常に重要な、本質的な」という意味の言葉です。英検準2級くらいのレベルの単語ですね。

著者のグレックさんはアメリカのシリコンバレーにあるTHIS Incという会社のCEO(最高経営責任者)で、AppleやGoogleなどの名だたる企業のコンサルタント(経営者にアドバイスをする仕事)を務めている人です。

エッセンシャル思考は「普通の人が、すごい人に勝つ手段」として、海外ではかなりの知名度を持っている言葉です。簡単に説明すると、「自分がやりたいことを実現するために、何をやめるかを見極めて、やると決めたこと以外はやらない。」という考え方のことです。すぐに集中力が途切れて課題がなかなか進まない人や、何とかして結果を出したい人には、この思考が役に立つと思います。

・やらなくてはならない
・どれも大切だ
・全てをこなすためにはどうしたらいいか

日本にはこういう思考の人が多いように思います。たくさんの「やらなければならないこと」に囲まれ、全部やろうとがんばるけれど、結局どれも中途半端になっていませんか?これらは「非エッセンシャル思考」と呼ばれます。

「エッセンシャル思考」では、この世の中にある多くものはムダであると考えます。自分にとって本当に大切なことは少ないので、ムダなことを捨て、今、重要なことに力を注ぐのです。結果を出す人は、やることを絞ることで成果を出しています。捨てるかどうかを悩んでいません。そういう人たちにとっては、「捨てることは当然」なのです。「より少なく、しかしより良く」を実践しています。

かといって、何でもかんでも捨ててOK!ということではありません。それはただのワガママです…。そうならないためには、常に何が重要なのか考え続ける(本質を見る見抜く)習慣を身につける必要があります。まずは「早く小さく」始めて、捨てたことを後悔せず、失敗したとしてもいちいち挫折せず、すぐに次の挑戦に向かうことができれば、結果は必ずついてきますよ。

みなさんは大切にしているものはありますか?思い出のある物、宝物、家族、お友だち・・・など色々ありますね。今回、先生からは『自分を大切にする』話をしたいと思います。

『自分を大切にする』だから

◆挨拶なんて面倒くさいからしないでおこう!
◆バスや電車で椅子に座ると楽だから、お年寄りがいても知らんぷり!
◆みんなで遊ぶとき、順番にするのイヤだから全部自分でひとりじめ!
◆遊ぶの大好きだから勉強や宿題はやらずに遊んでばかりいよう!
◆分からない問題を考えるの面倒だから、答えだけ教えてもらおう!

上に書いたことは自分が大切だから・・・なんでしょうか???
上に書いたような人が周りにいたらどう思いますか?

◆挨拶がきちんとできている
◆バスや電車で疲れていたけど、お年寄りがいたので席を譲った
◆楽しいゲームがあるけど、他の人もやりたそうだから貸した
◆勉強や宿題をしてから自分の好きなことをした
◆分からない問題は難しいけれど、まずは何回も読んで考えてみよう

上に書いたことは、人によっては面倒だったり逃げたくなったり窮屈だと感じたりする人もいるかもしれません。でもそれを我慢して乗り越える力があれば、大人になってからも困難があった時に乗り越える力になります。そして上に書いたような人が皆さんだったら、能開の先生たち全員とても嬉しいですし更にみんなを応援してあげたくなります!

能開には色々な学年の生徒がいますが、本当の『自分を大切にする』ことは全員一緒です。皆さん自分を大切にしてくださいね。