みんなは“マハリクマハリタヤンバラヤンヤンヤン”という言葉を知っていますか。

昔、流行ったアニメの主人公が唱える呪文です。すごく不思議な言葉で小さい頃に聞いて、今でも頭の中に残っています。その他にも、“ラミパスラミパスルルルルル”や“テクニカ・テクニカ・シャランラ”など耳に残るフレーズが多いです。

呪文というのは、登場人物が変身したり、相手を攻撃したり、別の場所に移動したりする時に使うもので、古くは千夜一夜物語(アラビアンナイト)の中にある「アリババと40人の盗賊」というお話に出てくる“開けゴマ”というのが有名ですね。実際に儀式等でも色々な呪文が唱えられています。呪文とは神秘的・呪術的な効果を持つと信じられている言葉のことで、日本では昔から言葉には不思議な力が宿っていると信じられてきました。それを言霊(言魂)と呼びます。声に出した言葉が、実際の生活に何かしらの影響を及ぼすと考えられ、良い言葉を発すると良いことが起こり、不吉な言葉を発すると悪いことが起こると信じられていたそうです。現在でもその考えは残っており、結婚式で会を終了するときに“終わり”ではなく“お開き”と言うことや、受験生に対して“落ちる”や“滑る”などの言葉を使わないといった風習があります。このような言葉は「忌み言葉」と言われ、色々な場面で使用する際に注意が必要となります。日本人は昔も今も言葉というものを非常に大切にしていることが分かりますね。

勉強においても言葉というのは非常に重要な意味を持っていると思います。授業開始の“おねがいします”や授業終了の“ありがとうございました”、配布物をもらうときの“ありがとうございます”など一つ一つの言葉にも色々な言霊が宿っています。相手に対しての敬意や感謝の思いをしっかりと込めて言うことが大切です。ぜひ意識して一つ一つの言葉を発してみて下さい。色々な部分で変化として表れてくると思いますよ。

Ⅱ期ゼミのスタートに当たって、言葉の話をしたのはみんなに気持ちを切り替えて新しいスタート切ってほしいと思ったからです。この夏、皆さんは講習会をはじめとした色々な行事で本当によく頑張ったと思います。その中で得た新たな知識や力とともに、学習する中で判明した弱点や不足している力など様々な課題が見つかったはずです。新たな目標や課題は頭で考えているだけでは何も変わりません。ぜひ言葉にして声に出してみて下さい。今の心(思い)は念になります。念じたことはやがて結果として現れるはずです。友達や家族、先生たちにⅡ期の目標を宣言して下さいね。一緒に叶えていきましょう。

それでは今週も元気よくあいさつして始めていきましょう。

「アルプス一万尺」という歌を知っていますか。
先生は、昔「せっせっせーのよいよいよい」という掛け声に続いて、この手遊びをどれだけ早くできるかという遊びをお友達としていました。
さてこのアルプス一万尺。これについて、いろいろ思い込みで勘違いをしていたことに大人になって気が付きました。知らない人がいるかもしれませんので、今日はアルプス一万尺の真実をお伝えします。

真実① 実はこの歌…
手遊びで遊んでいたと言いましたがその歌詞は「アルプス一万尺 小槍の上で アルペン踊りをさあ踊りましょ」でした。
しかし!この歌には続きがあります。その続きですがなんと29番まであります。すごく長いですね。ちなみに先生の好きな歌詞は11番の「やまのこだまは かえってくるけど 僕のラブレター 返ってこない」です。いや、雄大な自然を想像していたのに突然のラブストーリー!?と驚けるところが好きです。

真実② アルプス山脈かと思ったら…
この歌、YouTubeなどで検索すると高確率でアルプスの少女ハイジに出てくるような、雄大な景色を背景に歌われています。なので外国の歌で間違いない!と思っていたのですが、なんとこれ、「日本アルプス」を歌った歌なのです。急に身近に感じますね。

真実③ コヤリの上で…
歌詞の中にある「小槍の上で」子供の時、私は「コヤギの上で」だと思っていました。
でもよく考えたらコヤギの上でダンスを踊ろうなんて非常に残酷な歌になってしまいますね。実はこの小槍、槍ヶ岳の山頂付近にある岩の名前なのですが、ロッククライミングの技術が無いと登れないような険しい岩です。また非常にとんがっているため、踊りを踊るのはほぼ不可能です。

これが真実です。どうでしたか? 全部知っていた人は少ないのではないでしょうか。
みなさんが身近に聞いている童謡ですが、実はこれほどの不思議な真実が隠されています。身近なものであっても、「これなんだろう」「これ不思議だな」と少し考えて、掘り下げて調べるだけで、もっと面白いことに気がつく可能性があります。

生活のことでも、勉強のことでも、「なんだろう」の気持ち、大事にしてください。
みなさんが思う、大発見や大発明も、その小さな「なんだろう」から生まれているかもしれませんよ。

みなさんは「ご朱印」を知っていますか?
令和の改元をきっかけに、「ご朱印」集めがブームとなり、「お参りしたら必ずご朱印をいただく」人が増えてきています。先生もそのブームに乗ってしまった1人です。
小中学生でご朱印を集めている・・・な~んて人はまあまあ渋い趣味を持っていますね。
ぜひ一度君のご朱印帳を見せてほしいです!!
〇〇カードみたいに交換はできませんが。

ところで、ご朱印とは神社やお寺で参拝した証としていただく「神様と仏様のご縁の記録」です。お寺や神社によって異なりますが、神社やお寺の名前、まつられている神様や仏様などのお名前、お参りした日付などが墨で書かれています。また、同じ神社やお寺がないのと同じように、ご朱印もデザインは一つとして同じものはありませんし、場所によっては複数の種類のご朱印があります。ちなみに比叡山は、特別期間限定もありますが、11種類あります。先生は、ご朱印マップを見ながら参拝し、残すところあと1か所となりました。
もともとご朱印は、巡礼者がお経を写したものを納めた証として授けられるものでした。しかし時代は流れ、最近では納めなくてもお参りした証としていただけるようになりました。

先生は歴史が大好きで、神社や寺をお参りしたり、古墳を探しに行ったりすることが一番の趣味です。神社や寺はこれまで数えきれないほどお参りしてきました。
これほど、ご朱印が身近なものになるとは思っていませんでした。

先生が初めてご朱印をいただいたのは、岩手県にある「中尊寺」です。
世界文化遺産に登録されていて、国宝第1号の一つに指定されている奥州藤原三代ゆかりの寺として有名ですね。金色堂には藤原清衡と、その子孫のミイラが保管されています。とても魅力ある場所です。

友人からご朱印をいただくマナーを教えてもらい、ドキドキしながら列に並びました。
ご朱印帳の1ページ目に書いてもらったときの記憶は忘れられません。

あれから数年経ちました。
今、この朱印帳はまもなく1冊が終わろうかとしています。
ときどきご朱印帳を開き、当時のことを思い出します。

今、夏期講習会の真っ最中です。
君たちのノートには検印と先生たちのコメントが書かれていることでしょう。
先生たちのコメントに励まされますよね。
頑張って作ってきたノートに書かれたコメント。うれしいですよね。
ぜひ自分の宝物にしていってください。
ノートには君たちの、先生たちの思いが込められています。

なかなか新型コロナウィルスの脅威が収まりきらない中、夏休みに突入し「どこかに行きたいな」と思う人も多いのではないでしょうか。早くいろいろな心配をせずに、気軽に旅行でも楽しめるようになってほしいと心から思う今日この頃です。

旅行といえば電車!ということで、今日は「電車のドア」についてお話しします。日常生活と電車という空間をつなぐドア。実はそのドアにはものすごくたくさんの技術が詰め込まれています。例えば新幹線のドア。厚さは約3.5㎝ほどだそうです。その厚さで、時には1トンを超える風圧(時速300㎞の車両同士のすれ違い)に耐えられるように設計されているとか。

では、それだけの力に耐えられるように使われている素材はというと…実は「アルミ」と「紙」なのです。確かに強い力にも抵抗できるようにしようと思えば、ほかにも有効は素材があるかもしれませんが、強いだけでなく「軽い」ことも重要なのです。そういう意味では、アルミは軽く加工しやすいので、新幹線の側面の曲面にも合わせやすいという利点があります。

ただ「加工しやすい」というのは「変形しやすい」ということなので、当然新幹線の走行時の風圧には耐えられません。そこで登場するのが「紙」です。紙と聞いて「大丈夫?」と感じる人もいるかもしれませんが、「ハニカム構造」というものを知っていますか?正六角形および正六角形柱が隙間なく並んだ構造のことで、紙で作れば軽いにも関わらず高い強度を誇るそうです。

ただし、これらの素材のお互いの特性を相乗的に発揮させるためには、2つの素材がピッタリとくっついていなければなりません。ただ、普通の接着方法では「金属の板にハニカム構造、つまり薄い紙を縦に接着すること」は困難です。しかし、ある会社がすでにその技術を実現させていたのです。

その会社は、「電車のドア」を作成している会社で、最初は「アルミ」と「ハニカム構造の紙」が接着できずに困っていたそうです。そういった接着剤が無いのです。そこでこの会社がとった方法は「接着剤を作る」でした。金属を専門に扱う会社が「接着剤の開発」を始めたのです。そしてそれを完成させました!

ただ、さらなる問題が…その接着剤を「上手に素早く塗る方法が無い」ということ。特殊な接着剤で粘着力が高いために、通常の「へら」ではムラができすぎて、どうにもうまくいかない…ということで、今度は「へらの開発」に取り掛かります。すごいですね。

そして、ついにへらも完成しました!この2つの開発が、現在の新幹線のドアにも受け継がれているそうです。ちなみに、今現在もこの会社の作る「新幹線のドア」は高いシェア率を誇り、その接着剤を塗る作業は「試験を合格した職人による手作業」らしいです。もしこの会社の人たちが「無い」=「無理」と思ってやめてしまえば、この技術は誕生しませんでした。

どうですか。皆さんの身の回りでも「無理だ」「できない」と思ってしまう状況は、勉強やスポーツ、日常の生活の中に突然出てくることはありませんか。でも「無理」「できない」は、そこで道が終わっているのではありません。「壁」があるかもしれませんが、実はその壁は壊したり飛び越えたり、あるいはよじ登れたりするもので、先に道が続いているかもしれません。

大切なのはチャレンジしてみること。そして、それを乗り越えた自分にワクワクすることです。きっとこの会社の人たちも「この技術がうまくいけば・・・」とワクワクしながら開発していたのではないかと思います。この夏が終わった後の自分を想像して、みなさんも目の前のことに積極的にチャレンジしてくれることを願っています!

みなさんが知っている昔話『桃太郎』についての話です。
みなさんはあらすじを知っていると思いますので、もはや説明する必要はありませんよね。
さて、この『桃太郎』についてですが、今日は違った切り口から考えていきましょう。

それは、『イヌ・サル・キジ、これだけの兵力で鬼退治は本当にできるのか?』
ということです。

まず、敵をよく知ることが重要ですよね。
鬼ヶ島には、どのくらいの数の鬼が生息しているのでしょうか。
『~ヶ島』というくらいですから、少なくとも200~400匹くらいは鬼が生息しているはずです。
このうち前線に出て戦うことのできる鬼の数はおそらく300匹くらいとしましょう。
そうです、イヌ・サル・キジの兵力ではちょっと勝てる気がしませんね…

ではみなさん、こう考えてみましょう。
イヌ、サル、キジ、これらの動物を少しずつパワーアップさせて、鬼ヶ島へ攻め込み、鬼退治ができそうな動物は何かを考えてみてください。

どうですか?良い動物は思い浮かびましたか?
『彼を知り己を知れば百戦殆うからず』という
『向かう相手の実力や状況と自分の実力を正しく知ることで、負けない戦い方ができる』
という意味の超有名な言葉がありますよね?色々な所で聞いたことがあるかと思います。
ここからさらに応用して
『自分の実力をどこまでパワーアップさせれば敵に勝てるか?』
ここまで考えることが今のみなさんには必要なことなのです。

さあ、長い夏休みが始まります。
今年の夏をより充実したものにしていくためにも今日のこのお話を自分の目標や夢におきかえて考えてくれると嬉しいです。

…ちなみに先生だったら、
犬→ドーベルマン100頭、
サル→マウンテンゴリラ100頭、
キジ→鷹100羽
このようにパワーアップさせて鬼ヶ島へ攻め込みます。これなら勝てます!

記録的な速さで梅雨も明け、夏真っ盛り!という感じですね。能開の夏と言えば、「講習会」「合宿(特訓)」で、怒涛のように過ぎ去って行くイメージです。

世間一般では「夏だ!レジャーだ!」という雰囲気ですね。この数年はコロナ禍の影響もあって、「レジャーと言えばアウトドア!」という風潮で、いわゆるキャンプブームの波が先生にも押し寄せてきました。

学生時代は「自然探索部」という部に所属していて、毎月いろいろな所に行ってキャンプや登山をしていました。キャンプの楽しみ方として「不便を楽しむ」という考えがあります。家ならスイッチ一つで快適にできることが、外ではできません。それを、試行錯誤したり工夫したりして解決していく。そこに、達成感や喜びを感じるのです。

みんなも、この夏は「難しい」「できない」を試行錯誤しながら乗り越えて欲しいと思います。ちなみに先生は、張り切って行ったキャンプでテントを忘れました。準備も大事!

7月11日と言えば、その数字の並びから、多くの人がイメージするものがあるのではないでしょうか。

「7」と「11」とくれば、誰もが「セブンイレブン」をイメージすることでしょう。
セブンイレブンやローソン、ファミリーマートなど、私たちの周りには数多くのコンビニエンスストアがあります。生徒の皆さんにとっては、生まれた時から身の回りの至る所にあるでしょう。

さて最初に紹介した「セブンイレブン」ですが、日本の1号店ができたのは1974年のことです。今から約50年前ですね。皆さんは信じられないかもしれませんが、日本1号店ができた当初は24時間営業ではありませんでした。店名にもある通り「セブン」~「イレブン」と朝7時から夜11時までの営業でした。それでも当時は、朝早くから空いているお店や夜遅くまで空いているお店がほぼなかったため、非常に喜ばれたそうです。そうしたことがその後の365日24時間営業へとつながっていきました。

セブンイレブンは、もともとはアメリカ合衆国の小さな氷屋(昔は家庭用冷蔵庫がなく、各家庭は物を冷やすための氷を買っていました)が、日用品を売るところから始まりました。
ちなみに、ローソンはもともと牛乳屋さんです。ローソンのロゴを見ると牛乳ビンが・・・!?

時代が変わり、場所が変わり、あらゆる場面でより良い形へと変化を遂げてきたコンビニエンスストアです。その変化はきっと「店にくるお客さんのために・・・」という点では一貫していたと思います。

一番良い形を目指して変化し成長していくこと。それが進化だと思います。

-このお話は、リンという女の子の実際にあったお話です。-

リンは小学4年生の女の子です。
「パティシエすばる」という本を読んで、パティシエに憧れていました。
リンもすばると同じ小学4年生。すばるみたいに、素敵なお菓子を作ってみたい!
そう思ったリンは、お母さんに
「リン、マカロン作る!」と宣言します。
お母さんはびっくり。
「え、なんでマカロン?マカロンって作るのすごく難しいんだよ。リンちゃん、一人でお菓子作ったこともないでしょ。最初からそんな難しいのにチャレンジしなくてもよくない?」
最初はクッキーとか簡単なものから作ったら…というお母さんに、リンはムカッ。
「リンはマカロンを作ってみたいの!」
「なんでママは最初からリンには出来ないって決めつけるの!?」

…確かにチャレンジする前から出来ないって決めつけるのは良くなかったかな。
お母さんは反省して、リンに材料を買うお金だけ渡し、いつも通り会社に行きました。

お母さんが帰ってきて家のドアを開けると、お菓子の甘~い、いい匂いがします。
「ママ、マカロンちゃんとできたよ!」
「お姉ちゃんの友達にもあげたら、美味しい、リンちゃんすごいって言われたよ!」
リンの笑顔も声も弾んでいます。
「そうか~、すごいなぁ。難しいと思ってたけど、やればできるんだね。チャレンジしてみてよかったね。」
お母さんは、あえて難しいものに一人でチャレンジし、やりきったリンに改めて感心したのでした。

物語の世界では、ここで「めでたし、めでたし…」で終わるところですが、現実世界ではそうはいきません。この成功体験で気をよくしたリンは、翌年のバレンタインでも大量のマカロンづくりにチャレンジします。が、結果は大失敗。生地が全く膨らまず、大泣きします。夜お母さんと一緒にチョコクッキーを作り、なんとか翌日友達に配るのには間に合いましたがリンにとっては手痛い失敗経験となりました。中学生になってからの3回目のチャレンジも失敗。そして翌年の4回目のチャレンジで、やっと友達に配れる量のマカロンづくりに成功します。一度の成功、一度の失敗で放り出さず、何度もチャレンジすることで、コツや自信がついてきたようです。

どんなことでも、チャレンジしてみないと、うまくいくかどうかは誰にもわかりません。
皆さんも、この夏、何か一つ「チャレンジ」してみませんか。過去にチャレンジしてみてダメだったものに、もう一度チャレンジしてみるのもアリですよ。
夏休みは「夏のティエラエココンクール」も開催されます。
環境作文部門・エコイラスト部門の2部門で皆さんのチャレンジを待っていますよ。

今日、6月27日は戦国時代末期の武将で初代仙台藩主の伊達政宗が亡くなった日です。
「独眼竜」の異名をとった彼のことを知っている人も多いと思います。先生は、だいぶ前に放映された大河ドラマ「独眼竜政宗」を毎週欠かさず見ていたくらい、好きな戦国武将の一人です。
「伊達者」という言葉に代表される、ハデで粋なファッションの考案者としても知られていますし、彼が着用した鎧(よろい)は、のちに映画「スターウォーズ」に出てくるダースベイダーのモデルにもなったくらい有名です。

政宗は戦国武将ですから勇ましい話が数多く残っていますが、案外知られていないことがいくつかあります。
まずは「筆まめ」だったこと。
大名ともなると手紙は自分で書くことはせず、祐筆(ゆうひつ)という代わりに手紙などを書く部下がいるのですが、彼は祐筆に任せず、自分で手紙を書くことを好んだようです。彼が書いた手紙は数多く残されていて、その中には家族あての「こういうことを心がけなさい」「お酒を飲みすぎないように」「茶の湯や香道、和歌などにも親しむように」というアドバイスだったり、「江戸への出立まえにお前(娘)に会えないのは大変残念だ」と親子愛にあふれる内容だったりします。

また、彼は料理好きであったことも知られています。
「馳走(ちそう)とは旬の品をさり気なく出し、主人自ら調理して、もてなす事である。」という言葉を残したぐらいです。自分の食事のレシピを細かく指定していたそうですし、2代将軍徳川秀忠(ひでただ)や3代将軍徳川家光に自ら手料理を振舞うほどで、全国各地から旬のものや珍味を取り寄せ、およそ60種以上の食材を使い豪華な懐石(かいせき)料理を振る舞ったとか。この際には将軍の部下と口喧嘩(げんか)をしたくらいだったそうです。

さらに、彼は自らの生活を事細かく決めていたようで、彼の伝記である「貞山公治家記録」から彼の一日の生活を今でも追うことができます。
起こす時間を細かく指定したと思えば、部下のことを考えてもう少しゆっくりでもいいと指示をしたり、早起きしてもあえて部下を呼ばずに寝ているふりをしてみたりなど、気さくな一面も見せてくれます。

もう一つ、彼は漢詩や和歌に巧みだったことが知られています。
非常に有名なのが、のちに小説家司馬遼太郎が題名にもした漢詩、「馬上少年過 世平白髪多 残躯天所赦 不楽是如何(馬上少年過ぐ、世平らかにして白髪(はくはつ)多し。残躯(ざんく)天の許すところ、楽しまずんばこれ如何(いかん)せん)」現代風に意訳すると「若いころは戦場で往来したものだが、平和になって気付いたら白髪の老人になっていた。幸せな老後は天が許したもの。これを楽しまなくてどうする」となります。

彼は東北の人なので、当時の京都から離れたところに住んでいて、京都の公家や千利休などの文化人と付き合うのは大人になってからのことです。しかし、非常に多くの趣味を持つ文化人でもありました。なぜなのか?いろんな見方ができると思いますが、先生はこう思います。彼は「知識にどん欲な人だった」と。自分が知りたい、やりたいと思ったことにはとことんこだわる、そういう人だったのではないかと。

来月末には夏期講習会がスタートします。長期休暇だからこそ多くのことを学べる最大のチャンスが来ます。そういう時期だからこそ、政宗のように自分から進んでいろんなことにチャレンジしましょう。「どうやればうまくいくのかな?」「もっと良くするには何が必要かな?」と知識を得るのにどん欲になってください。
夏に「勉強の政宗」を目指そう!

小学生の時に読んだ本に、江戸幕府8代将軍の徳川吉宗は毎年「くすりぐい」ということをとても楽しみにしていたと書いてありました。その時、「薬を食べるって?薬は飲むものだし」と、不思議に感じました。

その「薬」は鹿児島の島津氏から毎年お歳暮として送られていたものだと書いてありました。この前、中学生のある国語のテストで「薬食い」の言葉が出てきたことで、思い出したので、調べてみました。

まず、「薬食い」は、俳句で冬の季語でした。そして、「薬」とは「豚肉の味噌漬け」のことでした。このことで島津氏のお歳暮とつながりました。吉宗もお肉を食べて元気になっていたのでしょう。文献の中には、もっと欲しいとおねだりしたことも記載されていました。

しかし、日本では江戸時代までは、動物のお肉を食べることは法律や慣習で禁止されていました。日本人が現在のようにお肉を当たり前のように食べるようになったのは明治時代からのことです。昔から日本人は、言葉を言い換えて表現してまで、お肉を食べていたようです。その一つがこの「薬喰い」のことだったのです。

「桜肉」、「牡丹鍋」、お坊さんが言う「般若湯」などもその一部です。この3つは何のことでしょうか? 皆さんも考えてみてくださいね。