朝晩は肌寒くなり、冬への移り変わりを感じる季節となりました。朝の寒さを感じたと思ったら、昼になるといつの間にか心地よい気温になっていることに気が付きます。秋の季語に「小春日和」という言葉があります。辞書で調べると、『11月から12月にかけての,よくはれた春のような感じがする,あたたかいひより。』とあります。春先のことだと勘違いをしている人が多い言葉でもありますね。

明治期の作家、島崎藤村が『秋から冬に成る頃の小春日和は,この地方での最も忘れ難い,最も心地の好い時の一つである。』と随筆の中で書いています。ただ「寒いなぁ」とか「暑いなぁ」とか日頃から簡単に言ってしまっていますが、この変化を感じることができる人は、いろんなことを楽しめる人だと思います。

皆さんは季節の変化を感じて、この学年で達成したい自分の目標に向けて努力しているところだと思います。特に受験生は、入試本番に向かっていきます。受験生は、目の前の一問一問に全力をかけて、秋のあたたかさを感じる余裕がないかもしれません。ふと窓の外を見ると紅葉している木々があり、夕方になるとコートを着ている人がいます。

あっという間に冬になる季節、気温の変化に体調を崩さず、変化を楽しみながら、入試までの限られた期間を計画的に学習していきましょう。

ここ数年新型コロナウイルスの流行により入国制限があり、外国人観光客がどこの都市からも消えていましたね。先月入国制限が緩和され、先生が住んでいる長崎でも、カメラを持って歩いている外国人観光客の姿を多く見かけるようになってきました。

ところで、皆さんは「外国に行ってみたいな」と思ったことはありますか。世界には206の国と地域がありますが、海外へ行くとき・日本に戻ってくるときには、必ずパスポートという国が発行する身分証明書が必要です。パスポートがあればどこにでも行けるわけではなく、通常はビザと呼ばれる渡航先(相手国)が発行する入国許可証のようなものを事前に取得しておかなければ、その国に入ることはできません。しかし短期間の滞在の場合、日本のパスポートを持っていればビザがなくても入国できる国が、なんと192カ国もあるのです!そしてその数は世界第一位です。そのため「日本のパスポートは世界最強だ」といわれることがあります。

先生は大学生のころアメリカの都市やブラジル・ヨーロッパの国々を旅していました。飛行機に乗って初めて訪れる国に着くと、とてもわくわくした気分になり早く空港の外へ出たくてたまらなくなっていました。しかし、空港の外に出る前には必ず入国審査を受けなければなりません。入国審査では自分のパスポートを出し、入国の目的などの確認をされ、最後にパスポートに入国許可のスタンプを押してもらうのです。

先生は一度も入国拒否されたことがありません。当たり前だと思っていましたが決してそうではなく、すべて日本のパスポートのおかげなのです。日本のパスポートを持っているということは、日本国が身元を保証してくれているということです。自分の努力で築いた信頼ではなく、日本が長期間にわたって築き上げた国同士の友好関係や信頼関係のおかげで、日本人はとても有利な待遇を世界でも受けられているのです。

今、世界のあちこちでは戦争や紛争・貧困など様々な問題が山積みです。これだけ多くの国々と友好関係を結べている日本だからこそ、我々日本人には「できること」がたくさんあると思います。今、皆さんは日本という安全な国で高い教育を受けることができていますね。そして希望すれば日本国のパスポートを持ち、留学する機会も比較的容易に得られます。この恵まれた状況を最大限利用したいと思いませんか。外国に行き自分の目で世界を見ることで、日本のいい所・他国のいい所を発見するだけでなく、改善すべき点など新たな発見もあるはずです。いつも見ている世界が違ったものに見えてくるかもしれませんね。

語学だけではなく、世界の地理や歴史を学ぶことで更に見え方も変わってきます。今学校で学んでいる科目をテストや入試のための勉強だと思って取り組むのではなく、何事もつながっていることを意識しながら学べるといいですね。そして、当たり前のように得られている学びの機会や環境に感謝するとともに、このチャンスを最大限生かしてほしいと思います。

最近ミュージカル鑑賞が趣味の一つになりました。きっかけは5年前のお盆に「レミゼラブル」という演目を鑑賞したときです。有名なミュージカルなので知っている方も多いでしょう。オーディション番組で有名になったスーザンボイルさんが歌った「夢やぶれて」や「民衆の歌」などはこの劇中の曲です。

劇場で何かを見るというのは、たまにいく映画ぐらいでほとんどなく、その時も有名な俳優さんや女優さんが出演するのを何気なく楽しみにする程度でした。

しかし、度肝を抜かれまた。

ジャッジャーン!!!からだ全体にぶつかってくる音の波!
生演奏の音楽!俳優さんの大迫力の声!
圧倒されまくりでした。
演目が進むにつれどんどん引き付けられ、拍手が自然と出るように。
「オンマイオウン」という曲のときには立ち上がりそうになるぐらい前のめりに。
そして、カーテンコールのときには気が付くと立ち上がって大拍手。

からだ全体で感じ、こころ動かされ、感動した1日でした。
そこから、ミュージカルを時間をつくって劇場で見に行くようになりました。

「好きなこと」や「やりたいこと」を始めるとき、からだで感じ、こころ動かされ「感動」することが「きっかけ」になることが多いですね。大きな感動でも小さな感動でも、何かをスタートする「きっかけ」になると思いますよ。しかも予想もしない意外なタイミングで来るかもしれません。

いろいろなことをやってみて、「感動・感心」が「きっかけ」になって「好きなこと」「やりたいこと」が増えてくると素敵ですね。

もうすぐ11月になりますね。11月20日は、先生が尊敬する人の誕生日です。

皆さんは、RFKを知っていますか。JFKなら、歴史好きの人は知っていると思います。そうジョン・F・ケネディ大統領のことです。そのケネディ大統領の8歳下の弟がRFKです。本名は、ロバート・フランシス・ケネディ、通称“ボビー”とも言います。

RFKことボビーは、日本ではあまり知られていませんが、アメリカでは、兄のケネディ大統領と並んでよく知られた政治家です。ボビー・ケネディはケネディ政権下で司法長官となりました。兄を影で支え、マフィアの撲滅などに力を尽くしました。ケネディ大統領の暗殺後、自らも大統領になることを目指し、1968年の大統領選挙の予備選を戦っていましたが、ロサンゼルスで遊説中、暗殺されてしまいました。享年43でした。

この暗殺自体も、ケネディ大統領の場合と同じく不可解な点が多く興味は尽きません。しかし、ここで皆さんにお話したいのは、そのことではなく、ボビーが行ったある演説についてです。ボビーは、キング牧師と連携するなど、兄よりいっそう人種問題に力を入れていました。

その活動は海外にもおよび、当時、アパルトヘイト(人種隔離政策)を行っていた南アフリカにおもむき、人種差別廃絶運動に支援を表明し、演説を行っています。南アフリカ政府に命の保証はしないと宣言されるなど、非常に緊迫した状況で行われた、その時の演説が「さざ波演説」と言われているものです。

“我々は自由の名の下にあります
誰かが理想のために立ち上がるとき
より良い社会を目指すとき
あるいは不正義と戦うとき
そこにさざ波が生まれます
力と勇気のさざ波が何百万と行き交い
やがてうねりとなって
抑圧や抵抗という強固な壁も流し去るのです”

先生は、これを聞いて大変感銘を受けました。先生のような小さな人間は、大きなうねりを起こすことはできない 。しかし、小さなさざ波だったら起こすことができる。「君は一人ではない、背を向けるな」と勇気づけられた気持ちでした。

皆さんも、日々の目の前の課題・目標にしっかりと取り組むことで、さざ波を起こすことができます。それを積み重ねると大きな大きなうねりになり、皆さんの人生を変え、社会そのものを変える力になるかもしれません。

11月は、多くの模試が開催されます。 目の前の課題にしっかりと取り組むことで自分の中にさざ波を起こすよい機会です。それは、静かでも確実に大きなうねりとなり、皆さんの人生を変えていくはずです。しっかりと頑張りましょう。

季節はすっかり秋めいてきましたね。

食欲の秋、スポーツの秋、勉強の秋、読書の秋などと言いますが、先生も特に読書については好きな本を繰り返し何度も読むことがあります。すると、読むたびに新たな発見があったり、違う視点で書かれていることをとらえるようになったりしますよね。

さて、「葦編三絶」というという言葉があります。
意味は、「何度も繰り返して、熱心に本を読んだり勉強することのたとえ」になります。
「葦編」とは、昔、字を書いた木札や竹の札を皮のひもで綴った中国の書物のことで、それを繰り返し読むことで、皮のひもが「三絶」、つまり「三度も切れる」ことを表しています。

能開生のみなさんは、参考書を何度も繰り返し使っていてボロボロになったり、テキストを繰り返し解く中で中身が外れてテープで補強したりすることがあると思いますが、まさにその状態のことを指します。

能開では繰り返すことの大切さを伝えています。今使っているテキストはもちろん、過去に使っていたテキストも含め、「繰り返し学習」を行い、完璧に自分のものにしていきましょう!

10月に入り、秋の夜長に月がよく見える時期になりました。
突然ですが、皆さんは「中秋の名月」を知っていますか?
十五夜という言い方の方が、なじみがあるかもしれませんね。

「中秋の名月」とは、旧暦の8月15日の夜にみられる月のことで、毎年お月見をする風習があります。
旧暦は、月の満ち欠けを基準に、新月(月が完全にかけてしまう)になる日を各月の1日としていました。
(ちなみに、「1日」を「ついたち」と言うのは、「月が始まる日」=「月立ち」が「ついたち」になったと言われています。)
よって、毎月真ん中の15日はほぼ満月になります。「十五夜」という言葉は、旧暦の毎月15日の夜、または満月の夜という意味を持ちます。ですが現在では、十五夜といえば「中秋の名月」をさすものとして使われています。

「中秋」とは「秋の真ん中」という意味で、旧暦では7月から9月を秋としていましたので、旧暦の8月15日の月=秋の真ん中の月ということで「中秋の名月」と名付けられているのです。今年は9月10日の土曜日で幸運にもぴったり満月と重なりました。
(ちなみに来年は9月29日です。)

お月見は秋の農作物の収穫に感謝を捧げる風習で、お供え物と言ったら月見団子やススキですが、月見団子は月の形に似ているからなのでしょうが、なぜススキなのか皆さん疑問に思いませんか?ススキは秋の七草の一つで、本来は稲穂をお供えしたいところ、稲刈り前で稲穂がないため似ているススキを使うようになったそうです。そして、ススキは見かけによらず生命力が強い植物で、周りが焼け野原になっても地下茎が残っていますので、真っ先にゾンビみたいにわらわらと生えてくるのがススキなのです。(花言葉も強くて、活力・勢い・活気・元気など)

今年はもう過ぎてしまいましたが、来年の中秋の名月ではそんなススキの力強さや生命力を感じながらお月見をしてみてはいかがでしょうか?

先生は能開まで歩いてきていますが、時には颯爽と自転車できたいなと思う日があります。自転車を買おうかなと思って調べてみると、いや~、今の自転車はかっこいいですね。スポーツバイクというのでしょうか。スタイリッシュかつ速く走りそうなフォルム。色使いもおしゃれなものが多い。

先生は思いました。時代は変わったなと。先生が中学生や高校生の時は、ハンドルがどれだけアップしているかがかっこよさの基準でした。カマキリ型ハンドルと呼んでいた気がします。今はあまり見かけませんというか、ここ何年も見た記憶がありません。

スポーツバイクはかっこいいなと思いますが、先生がさらに興味あるのが「電動アシスト自転車」です。知っているよという人もいると思いますが、念のために説明をすると、電動アシスト自転車は、人がペダルを踏むと電動モーターがアシスト(補助)して、通常の力よりも小さい力で自転車が前進する優れものです。乗ったことはありませんが、先日TVで見る感じだと、坂道もラクラク上れるような感じでした。機能重視で考えて、これは電動アシスト自転車かなと思っています。

電動アシスト自転車には、注意しないといけない大事な点があります。それは、自分がペダルをこがないと自転車は動かないということです。電動モーターはあくまでアシストであって、乗れば勝手に自転車が前進するわけではありません。前に進むためには自分の第一歩が必要です。

スタートの第一歩を自分の力で踏み出さないといけないのは、皆さんの勉強に向かう気持ち(やる気)と似ていませんか。第一歩目は自分で踏み出さないといけません。だれかが何かをしてくれるわけではありませんし、気づかないうちに勉強がどんどん進むこともないのです。自分で「やるぞ」と思って第一歩を踏み出して勉強がスタートします。

やる気は、待っていても出てくるものではなく、自分で一歩を踏み出すことででるものです。いったん始めると、電動アシスト自転車のようにグーンとすすんでいきます。ただし、第一歩は皆さんが踏み出すのです!

普段皆さんが使っている言葉ですが、その中に地元の方しか通じない言葉『方言』があります。当たり前のように使っている言葉ですが、実際に地元を出て行くと『え!これも通じないの!?』というものがたくさんあります。

先生が高3の卒業間近に、県外の大学にいくことが決まっていた友達と、方言禁止ゲームをして、方言を先に使ったほうが罰ゲームというのをしながら一緒に帰ったことがあります。そのとき、2人がよく使ってしまっていたのが『○○かぁ~』でした。○○には形容詞が入り、寒い→寒かぁ~や、眠い→眠かぁ~など、先生が住む長崎ではおなじみの言葉です。

『方言使わんとか難しかぁ~』「ほら、また方言使った、罰ゲームね」みたいなやり取りをしながら帰ったのですが、実際大学生活が始まり、県外で生活してみると先生の予想を大きく越えていました。先生は、北海道の大学に進学したのですが、全く言葉が通じないのです。先生の言葉が伝わらないだけでなく、その大学の地方の言葉がわからないのです。

部活の先輩にごみを渡されて、「これ、投げといて」と言われ、ゴミ箱に投げたらめっちゃ怒られたし・・・(投げるは捨てるという北海道の方言です。)、マネージャーに『ごめん、これ直しとって 』といって渡した道具を「はい、直しておいたよ♪」といって修理されたこともあったし・・・(長崎では「片付ける」を「直す」といいます。この場合、先生は片付けておいてという意味で渡したのですが、マネージャーは少し破れていた道具を本来の意味の通り直してくれていました。結局先生自身でその道具を片付けました)。

さまざまな体験を通じ、先生は、言葉というものは相手に伝わらないと意味がない、だから相手にわかりやすい言葉で発言しようと意識するようになりました。普段のわかりやすい授業の原点はここにあるのでしょうね。笑

ここからキミたちも大人になっていくにつれて地元以外のいろいろな場所で過ごしていくかもしれません。それだけではなく、日本を出て世界に飛び出て行く子もたくさんいることでしょう。いろいろな言葉や文化に触れ、またいろいろな地方の友達を作ることで自分自身の価値観が変わり、一皮も二皮も剥けていくことでしょう。

それではみなさん、机の上を直して勉強をがんばって行きましょう!

2学期が始まって数日たちましたが、先生はこの時期がとてもわくわくします。食いしん坊だから食欲の秋!ではなくて。

先生が大学のころにやっていたアメリカンフットボールのシーズンが始まるのです。アメリカや日本など全世界でプロ、社会人、アマチュア問わず9月に始まります。9月から2月第1週のスーパーボウルが終わるまでの5カ月の間、熱戦が繰り広げられます。

ここで、ふと…残りのオフシーズン2月~8月までかなり長い期間何してるの? と思いませんか。実はこの期間、チームでトレーニングキャンプを行なったり、自主トレを行なったりします。

さらにはシーズン中に対戦相手になるチームの分析と戦術の確認だったり、選手によっては体力を向上させるため他のプロスポーツの試合などにも出ていたりします。アメフトと野球や陸上の複数のプロになっている人も珍しくありません。

華やかなシーズンとは対照的にオフシーズンでは地道なトレーニングと着実な戦略が練られています。輝かしい結果を残すシーズンにするためにはオフシーズンの過ごし方こそ重要とわかっているからなんですね。

皆さんにとってシーズンは学校や能開に通っているとき、オフシーズンは休みの期間や自宅にいるときです。オフシーズンつまり自宅でどれだけ頑張れるかでシーズンが輝かしい華やかなものになるかが決まりますね。

さぁ今学期も頑張っていきましょう!

日本一高い山は富士山。富士山の高さは3776mというのは知っている人も多いでしょう。では、富士山の大きさはどれくらいか考えたことがありますか。大きさ、つまり体積がどのくらいあるかという問題です。

そんなのネット検索ですぐに見つかるよ、という人もいるでしょう。では、問題を変えてどうやったら富士山の体積を測れるかを考えてみてください。以前、富士山の体積をどうやって測るかというコンテストが静岡県で開催されました。静岡県は富士山がある県ですね。

全国からはたくさんのアイディアが集まりました。静岡の高校生のグループは上空から見た富士山を細かく方眼で分けて、それぞれの高さを足していくという方法を考えつきました。高校数学でいう積分の考え方の応用です。また、紙で富士山の模型を作って、使った紙の量から体積を計算した人もいました。富士山の降水量から体積を求める人もいました。中にはスライスチーズで富士山のミニチュアを作って、それを溶かして計量カップに移して体積を測った人もいました。こんなアイディアとても思いつきません。

大賞に選ばれたのは、富士山を三角柱と三角錐に分割して体積を計算するというアイディアでした。これは、14歳の中学生が考えたものでした。ホールケーキのように切る方法、カステラのように縦に切る方法、さらには達磨落としのように横に切る方法やなども検討して、一番正確に測れる分割方法にたどりついたとのことでした。身近な生活のアイディアからスタートして数学の知識を組み合わせた発想がすごいです。

大人になると、疑問があってもすぐにネットで調べて答えだけを知って安心してしまうことがよくあります。ただ、これでは他人が発表した結論を知るだけで考える力は成長しません。物事についてなぜかなと考え、答えにたどりつく方法をいろいろ調べて試すことが、考える力を伸ばすと思うのです。

みなさんも「なぜ?」と疑問に思ったことがあればいろいろ調べて、どうしてそうなるのか考えてみてください。答えが出たらまた新しい疑問が生まれる。そういう探究心のある生き方は、日々の新しい発見がありきっと楽しいはずです。

ちなみに、国土地理院のメッシュデータから外周道路を境界線として平均断面法という方法で測定した場合、体積は227kmだそうです。これは長野県諏訪湖の水3776杯分!だそうです。