「むか~しむかし、あるところに、おじいさんとおばあさんが住んでいました。」で有名な日本昔話の代表作品「桃太郎」。この物語の主要な登場人物(?)を皆さんは知っていますね。もちろん「桃太郎」「猿」「雉(キジ)」「犬」ですが、この登場人物がなぜ「桃・猿・雉・犬」なのか疑問に思ったことはありますか。この理由には諸説あるのですが、その中の一つを紹介します。
では、その前にこの話をするための予備知識を書いておきます。
① 昔、日本では「十二支」で方向を表していました。
② 昔から、北東の方角(丑と寅の間なので艮(うしとら)という)を鬼門(鬼が出入りする方向)と言い、不吉な方向とされています。
③ 昔から桃には「邪気を祓う力」があるとされています。
この三つを頭に入れて読みながら考えてください。
さて、皆さんもご存じの通り「桃太郎」は鬼退治をする物語です。鬼は北東(艮)の方角からやってきますね。この鬼に対抗するために、反対の方角(南西)に目をやると、そこにいるのが未(ひつじ)と申(さる)なのです。そして、申の隣には酉(とり)、その隣には戌(いぬ)。もう分かりましたね。昔話の「桃太郎」に出てくる登場人物は、鬼に対抗するために「申」「酉」「戌」である必要があったのです。そして、さらには、桃太郎は「桃」である必要があり、「柿」や「瓜」ではだめだったのです。なぜなら、桃には「邪気を祓う力」があるからです。
どうでしょうか、こう考えると昔話の「桃太郎」がただの物語ではなく、ものすごく奥深い話に聞こえてくるでしょう。
このように、周りの何気ないモノに対して疑問を持つこと、そして、それを深めること、これができれば、おもしろいと思いませんか。勉強とは、本来こういうモノなのです。今、皆さんは講習会のまっただ中ですが、頑張って「ノートまとめ」をしていますね。このノートまとめ(参考書の利用)を、「疑問を持つこと」「深めること」のきっかけにしてみてください。きっと、今よりもさらに勉強が愉しくなりますよ!