みなさんは「カマス」を知っていますか。英語名の「バラクーダ」という呼び名でも知られており、塩焼きや干物、から揚げにするとおいしい魚です。中でも「オニカマス」という種類は180cmにもなり、水中で人が襲われたという記録もあるそうです。
そのカマスを使った有名な実験があります。
まず、大きな水槽を透明な板で仕切って、一方にはおなかを空かせたカマスの群れ、もう一方にはえさとなるイワシなどの小魚を放します。するとカマスたちはえさを食べようと、何度も何度も板に体当たりをはじめます。頭からぶつかって傷ついたりもしますが、ついにはあきらめておとなしくなってしまいます。
次に、水槽の中の透明な板をとってみます。自由にえさを食べはじめる…と思いきや、カマスたちはいっこうにえさを食べません。目の前を小魚が泳いでもまったく反応せず、最後にはそのまま餓死してしまうそうです。同じ実験を何度やってみても、同じ結果になるそうです。
さて、このかわいそうなカマスたちにえさを食べさせる方法があるのですが、わかりますか。
正解は…“別のカマスを一匹水槽に入れる”という方法です。たったそれだけのこと、と思うかもしれませんが、何も知らない新入りカマスが喜んでえさを食べている様子を見て、あきらめカマスたちもえさを食べ始めるそうです。
みなさんも毎日の勉強やスポーツの中で、思い通りにならなかったり、何度やってもうまくいかなかったりすることもあるでしょう。そんなとき、「できない」という“思い込み”=カマスの実験の“透明な板”なのです。本当は目の前にそんな板なんか無いのです。あきらめずに目の前の問題に飛びつく勇気が大切なのです。
苦しいとき、迷ったときは、みなさんの周りで一生懸命勉強や練習にはげんでいる友だちをみてまねをしてみることも大事です。新たな気持ちで取り組めば、新しい道が見えてくるはずです。そして次は、皆さん自身が周りの友だちに勇気を与える存在になってもらいたいと思います。