「Doubt is the father of invention(懐疑は発明の父である)」という言葉を知っていますか?
これは天文学の父として有名なガリレオ・ガリレイの格言です。
ガリレオは天文学の他にも数学・物理学・哲学など多くの学問で功績を残しており、先生が尊敬する偉人の一人です。
天文学は、ここ日本では「第Ⅰ期(古代~江戸時代)」と「第Ⅱ期(明治以降)」に大きく分かれます。
第Ⅰ期は中国から伝来したもので、農耕のための暦の作成や、平安時代には政治の世界にも活用されていました。
映画化もされて有名な陰陽師の活動とも関係が深いものだったようです。
一方、第Ⅱ期は西洋の影響を受けました。
江戸時代初期に宣教師を通じて伝わってきたものの鎖国状態だったため風化していったのですが、江戸時代中期に徳川吉宗の普及活動や伊能忠敬らの功績により幕末から明治にかけて発展していきました。
余談ですが、昔は特異な天体現象は人々にとって脅威とされ、ハレー彗星が怪物のように恐れられた例もあったようです。
話をガリレオに戻しますが、ガリレオは、当時主流だった地球を中心に宇宙が回っているという「天動説」に対し、太陽を中心に地球やその他の惑星が回っている「地動説」を木星や金星などの観測から実証して発表しました。
しかし、この考えは異端とされ、ガリレオは宗教裁判にかけられました。
当時はキリスト教が掲げる「天動説」が信じられていて、ガリレオの「地動説」はありえない発想だったのです。
ガリレオは有罪判決を受けたあとも、最後まで「地動説」の正しさを唱え続け、「それでも地球は回っている」という有名な言葉を残して亡くなったと言われています。
ちなみに、キリスト教がガリレオの「地動説」を公式に認めたのは2008年になってからで、ガリレオが亡くなってから400年近くもかかりました。
さて、先生が最初に挙げた、ガリレオの「懐疑は発明の父である」という言葉ですが、これは、「あらゆる事象に疑いを持ち探求することで、新たな発見が得られる」ことを意味しています。
ガリレオは、“なぜ天動説に疑いを持てたのか”。
これは、まずは「天動説」という基本となる考え方を誰よりも深く理解していたからこそ、様々な観測データをとるうちに様々な疑問点が湧いてきたためです。
皆さんの学習も同じです。
これから新しい発見をするためには、まずは基本となる現在の知識をしっかりと学ぶ必要があります。
それこそが学校の勉強であり、今ゼミで学んでいる事です。
それがあるからこそ疑問点が生まれ、新たな発見に繋がっていくのです。
つまり皆さんがいま取り組んでいることは、目の前の受験のためだけではなく、将来に直結しているのだと認識して取り組んでほしいのです。
それを継続して行うことが、皆さん一人一人の新たなる発見に繋がるはずです。
それでは、今日も偉大な先人たちに追いつけるように、たくさんの知識を一緒に身につけていきましょう!