パリオリンピックが開幕しました。
皆さんも夏の勉強を頑張りながら、

「あの競技が気になる!!」
「あの選手はどうなった??」

など、気持ちが動かされている人も多いのでは?
その中で、今回は「水泳」についてお話しします。
水泳は毎回日本人選手のメダル獲得が期待されて、注目度の高い競技だと思います。
そんな水泳の中にあって、先生が気になったこと・・・(皆さんも不思議に思ったことはありませんか?)それは「バタフライ」です。
何が気になるかというと、なんであんな泳ぎ方をするのだろう?ということです。
例えば、速く泳げるのか?というと、
バタフライの世界記録(2024/7/1現在)は50mで22秒27。速いですね。
でも自由形(クロール)では50mで20秒91・・・クロールのほうが速く泳げるようです。
では、長く泳いでいられるかということで、
体重40㎏の人が15分間泳いだ時の消費カロリー(どれだけ体力・エネルギーを使うか)を計算してみると、
クロールでは約87kcal(キロ・カロリー)消費するそうです。
ちなみに、平泳ぎでは約55kcal消費するということで、疲れにくいと言えるのではないでしょうか。
そして、注目のバタフライでは・・・なんと約144kcalという計算結果が。
要するに「すごく疲れる泳ぎ方」なんですね。
まとめると「速いわけではないのに疲れる」という泳ぎ方なのです。
じゃあ、なんでそんな泳ぎ方をするのでしょう。
その答えは、過去のオリンピックにあるようです。
1928年のオランダ・アムステルダムオリンピックで、ドイツのエーリッヒ・ラーデマッヒェルという選手が、平泳ぎの種目で
「チョウが羽ばたくように水をかく手の動かし方」
で泳ぎ、見事、銀メダルに輝いたそうです。
なぜこれが認められたかというと、当時の平泳ぎのルールが
「うつぶせで、手足を左右対称に動かすこと」
となっているだけで、ちゃんとそのルールを守った泳ぎ方だということで認められたようです。
ところがこの泳ぎ方が広まって、1952年のフィンランド・ヘルシンキオリンピックでは、平泳ぎのレースでほとんどの選手がこの泳ぎ方をするようになったとのこと。
そこで国際水泳連盟はこの泳ぎ方を、平泳ぎとは別の種目としてあつかうことに決めて、クロール、背泳ぎ、平泳ぎに次ぐ第四の泳ぎ方として、「バタフライ」が誕生したそうです。
ちなみに、最初の時の足の動かし方は平泳ぎと同じだったらしく、今のバタフライの「ドルフィンキック」を使った泳ぎ方を考えだしたのは、日本の長沢二郎選手だと言われています。

ルールを守ることは大切です。
とても重要なことです。
でもルールを守ることが目的になってはいけません。
バタフライも「ルールの中でより早く泳ぐためには・・・」を考え、工夫に工夫を重ねた末に生まれたものだと思います。

能開には『能開五訓』というものがあります。
その中の一つとして、
「勉強を工夫しよう。工夫なき勉強に向上はない。」
という言葉があります。
(ほかのものが気になったら教室の先生に聞いてみよう!)
勉強することが目的ではないのです。
目的のために勉強するし、目的のために勉強自体を工夫するのです。
でも勉強に工夫を加えることは簡単ではありません。
自分の現状や目的に合わせて工夫するので、「こうすれば大丈夫」というものが決まっているわけではありません。
しかし、そこに自分で考えた工夫を加えるからこそ、自分自身の気持ちや意志、決意がそこに加わり、目的にたどり着ける可能性がぐんと高まります。

この夏、ぜひ自分の目標・目的に向かって工夫を加えた勉強に挑戦してみてください。
世界記録に勝るとも劣らない君だけの結果が待っているはず!