皆さん、「鬼滅の刃」のテレビアニメ、見ていますか?
毎週日曜の遅い時間なので、録画して見ている人も多いかもしれませんね。
現在放映中のシリーズもとうとう最終回となりましたが、今後の展開もとても楽しみです!
さて、「鬼滅の刃」といえばキャラクターたちが武器として使うのは主に「日本刀」です。
前シリーズはその刀を作る職人「刀鍛冶」の里が舞台でした。
一体、日本刀が刀鍛冶の手によってどのように作られるのか、詳しく知りたくなりちょっと調べてみました。

日本刀の材料は「玉鋼(たまはがね)」という鉄からできる素材です。
まずはその玉鋼を、熱して金づちで叩き平らにしていく「玉つぶし」という作業を行います。
ちなみに、刀鍛冶の師匠と弟子が共同で金づちをふるう様子が、「相槌(あいづち)を打つ」という慣用句の語源なんだそうです。
次に玉鋼の質を見きわめる「水減し(みずへし)・小割り」、質によって分けてそろえた玉鋼を一片一片積み上げ、熱して一つのかたまりになるまで叩く「積み沸し(つみわかし)」と進み、次は「折り返し鍛錬(たんれん)」という作業です。
鋼のかたまりを熱し、金づちで叩いて薄くのばし、今度は半分に折り返してまた叩いてのばす…この作業を、日本刀の「刃」になる部分だけでも十数回繰り返します。
熱して叩くことで不純物が取り除かれ、何度も叩き固めることで、鋼の層が幾重にも重なって刀にふさわしい強いものになっていきます。
「鍛錬」の「鍛」、「鍛える」という言葉は、皆さんも日々の勉強や運動をする中でよく聞くと思いますが、こうして鋼を熱して何度も叩き強くしていく様をあらわす言葉でもあります。
鍛錬された鋼は、刀の刃になる部分と芯になる部分を組み合わせ一体化する「甲伏せ(こうふせ)」、細長く立体的な刀の形状を作る「素延べ(すのべ)」「火造り(ひづくり)」、刀の波のような模様・刃文(はもん)を焼刃土(やきばつち)という土で描く「土置き」、より硬い鋼へと変化させ、美しい刃文と反りを与える「焼き入れ」を経て、仕上げに刃を研ぎ、ようやく日本刀が完成します。
刀鍛冶の手で、これだけの工程を通して作られるからこそ、鋭い切れ味と簡単には折れないしなやかさを兼ね備えた強い刀になるのですね。

「鬼滅の刃」は鬼と戦う物語ですが、皆さんにとって戦うべき存在は何でしょうか?頭の良いライバルか、テストの難問か…。
一番の強敵は、常にかたわらに潜んで襲いかかってくる「弱い自分」ではないでしょうか?「ラクしたいな」と怠けたくなったり、「もういいや」とすぐあきらめたり、なかなか手強いですよね。
そんな自らの「弱さ」をためらいなく斬り捨てられる強い刀を、皆さんの心に携えてほしいなと思います。
そのためには、刀のように自分自身を「鍛錬」しなくてはいけませんね。
一問でも多く問題を解くこと、昨日より1分でも長く机に向かうこと、それらは全て自分を「鍛える」ことです。
これからいよいよ夏本番。
長い夏休みは皆さん自身の「鍛錬」の絶好の機会。
自分の心に簡単には折れない強い刀を手に入れるために、力の限り「鍛える」夏にしましょう!