「わたしの見ている空は、ほんとうに青色か?」

遺伝などが原因で、色の見え方が通常の人と異なる人は、日本人男性の5%、20人に1人の割合といわれています。
20人に1人なら、データの散らばり的に、クラスに数人いてもおかしくはないですね。

「ねぇ、今日は雲ひとつない、きれいな青空だね!」
「そうだね、ほんとうに、きれいだね。」

そう返してくれたあの人は、実は灰色の空を眺めていたのかもしれません。
もしかしたら、あなただって、青色ではない青色を見ているのかもしれない。

たとえば学校での勉強。
国語で主人公の気持ちを考えることが得意な人もいれば、
算数で早く正確に計算することが得意な人もいれば、
体育でボールを遠くに飛ばすことが得意な人もいる。

たとえば休みの日の過ごし方。
外に出て、友達とバスケやサッカーをするのが好きな人もいれば、
自分の部屋で本や映画、アニメを見るのが好きな人もいる。

大人の世界だってそうです。
プログラミングやデータ分析が得意な人もいれば、
人と話して、相手のしてほしいことに気づくのが得意な人もいれば、
身体を動かして、重いものを運んだり組み立てたりするのが得意な人もいる。

こういうのは、どれが良くてどれがダメとか、
そういう勝敗とか、優劣の話じゃなくてね。

何が言いたいかというと、自分と人は違う。
同じ人間で、同じヒトだけど、自分と人は違う。

ヒトは「おなじ」「ちがう」を脳みそで考えることのできる動物なのですが、
油断すると、自分の先入観や思い込みの色眼鏡に支配されてしまうんですよね。

「自分と人は同じはずだ。」と。

だから、「あれは間違っている!」「こうあるべきだ!」なんて言いたくなるけど、
そういう認識で行動すると、失敗する。軋轢を生む。涙が流れる。

昨今の社会を見てみると、ダイバーシティとか、LGBTQ+とか、話題ですよね。

日本人は戦争に負けた後、大変な時代を乗り越えて、
少しずつ、少しずつ、日本を良くしてきました。

ご飯がない時代、お金がない時代、情報がない時代、そういう時代を経て、
点と点を線で繋いでいけば、日本人の生き方というのは、確実に良くなってる。

次なるステージへの成熟は、「心の豊さ」をもってして訪れるでしょう。
そしてそこへ行くには、平たく言うと、人と私は違うんだということを理解して、お互いにリスペクトすることが大切でしょう。

人間はね、一人ひとり、ちがっていいんですよ。
なんか、詩人みたいになっちゃった。

人には、みんなそれぞれ、得手不得手がある。
だから、いいんです。

だからこそ、みんなでそれぞれに、尊重し合って、手を取り合って、助け合って、
たった一人ではできなかったような、大きなことが、できるようになる。

ミギもヒダリもヒガシもニシも、80億の脳みそが、
それぞれにそれぞれのベクトルで思考するから、
総体としての人類は、間違わない。

多様性は、世界を救う。

だから、自分とは違う誰かを、簡単に、安易に、否定してほしくはないし、
あなたも、簡単に、安易に、否定されてほしくない。

「これからの豊さ」の時代を生き抜くための「お守り」を、あらためて。

「わたしの見ている空は、ほんとうに青色か?」