今回は私が中1の時に知って、ものすごく感動した話を紹介します。

結論を先に言うと、『水が4℃で最も重くなるという性質を持っていなかったら、湖や池に住んでいる生物は全滅している』という話です。

身近にありふれた物質である水は、化学の世界ではちょっと変わった性質を持つ物質です。「4℃で最も重くなる」もそのうちのひとつでしょう。
多くの物質は冷たくなるにしたがって気体→液体→固体と状態変化し、どんどん重く(密度が大きく)なっていきます。だから実は氷が水に浮くという時点でかなりヘンな物質なのです。

つまり冬に「池の表面が凍っている」のは水だからこそ成り立っている不思議な現象です。
普通であれば10℃、5℃、1℃と水が冷えていき、冷えた水は重いので池の底に沈みます。
よって0℃になるときには池全体が0℃になり、魚もカチンコチンに凍って死んでしまいます。

そこで水の性質、「0℃ではなく、4℃で最も重くなる」の出番です。
池全体が4℃になった後、表面がさらに冷えて4℃未満になっても、4℃の層より下には沈まないのです。(感激)

このヘンな性質によって、池の表面が0℃になって凍ろうとも、池の底には4℃の水があり、池の生き物たちを春が来るまで守ってくれるのです。(逆列成層といいます)

以上の話は私が中1理科で「密度」を学んだ時に、その知識が実体験(冬の池での魚釣り)と結びついて、めちゃくちゃ大興奮したお話です。鼻血出るかと思いました。理科って面白いよなぁ。