近年、アニメを中心としたBGМ音楽家として頭角を表しているエバン・コールさん(35歳)をご存知でしょうか。
「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」という作品が有名ですが、彼はアメリカ・カルフォルニア州の生まれで、ボストンにある名門・バークリー音楽大学を卒業後、2012年より日本を拠点にゼロから創作活動を開始し、幅広い楽曲作りで目覚ましい活躍をされています。
そんなエバン・コールさんの新しいサントラ作品集の音源が昨年末に出たので、聴いてみました。
全127曲中で特に好きなのは、事が瞬時に変化する様の描写が絶妙な『光芒一閃(こうぼういっせん)』という曲なのですが、よくよく眺めてみると、他にも『四面楚歌』『虎視眈々』『大願成就』といった古風な四字熟語のタイトル曲が乱立しています。
数えてみたら26曲もあって、実に2割も占めていました。(作曲者は米国人なのに、なんで?)
知識の源である語彙力を測るため、四字熟語は入試にも度々取り上げられています。
『自由自在』『一問一答』『百戦錬磨』『起承転結』『万里一空』『不易流行』『花鳥風月』『誠心誠意』……、思いつくままにいくつか挙げてみましたが、キリがありません。
(狭義では、日本におよそ10000語はあるらしいです。)
元々は、いにしえの中国の故事成語に由来するものが多いとはいえ、日本人の日常に自然と溶け込んでいる四字熟語。
「四文字という短い語に込められた複層的な意味の深さ」「音にしたときのリズムの小気味よさ」「漢字を並べたときのビジュアルの面白さ」などをイメージしますが、総じて、美しく含蓄に富み、しかもどことなくカッコいい。
そういうところに、みんな惹かれるのではないでしょうか。
四字熟語は、授業やテストに向けて暗記するためにあるのではありません。
先人の知恵が凝縮された、いわば人生を豊かにしてくれる存在なのです。
ところで、「外国人に伝えたい日本の四字熟語は何か。」という調査があって、その結果、トップは『一期一会』でした。
しかも、中高生から40代までの男女1000人を対象にした別の調査(四字熟語の人気ランキングリサーチ)においても、圧倒的多数で第1位になっています。
意味的には「一生涯に一度限りの機会であること」ですが、前述のエバン・コールさんもかつて、観光ビザでわずか3か月間ほど日本に滞在していた際、シェアハウスのルームメイトの友人との出会いを通じて、幸運にも音楽クリエーター集団加入への道が開かれ、ひいては、日本での成功へとつながっていきました。
自分自身を振り返ってみてください。
昔の出来事にとらわれ、引きずっていませんか。
また、将来への不安を過大に受け過ぎ、萎縮していませんか。
でも、私たちは、過去でも未来でもなく、現在を生きています。
「今・この瞬間」に縁のあった一期一会を大切にすることを、少しずつ少しずつ積み重ねることによって、「未来」への新たな可能性を広げていきましょう!