この「今週の朝礼」というコーナー、能開の先生たちが持ち回りで担当することになっています。
今回は先生の番なのですが、問題は、何をテーマにして書くか、ということで…。先ほどからパソコンのキーボードを打っては消し、打っては消しの繰り返しです。
なぜ原稿が進まないのだろう。
授業や朝礼や面談や保護者会を通して、生徒の皆さんに伝えたいことや教えたいことはたくさんあって、自分で言うのもおこがましいですが、言葉に詰まるという経験はほとんどありません。
つまり、ここを読んでくれる皆さんに伝えたいことがないわけではありません。
発行はちょうど4月半ば、進学や進級を通して新たな生活を始める皆さんに対して、人生の先輩として一言物申すとか、受験学年を迎える皆さんへは合格に向けてのスタートダッシュをしようとか、中学や高校への入学を通して新たなステージに進む皆さんへは新生活へ慣れるための一言アドバイスであるとか…。
どれもこれも少々説教じみていてどこかで聞いたことのある話ばかり。
できれば読んでくれた皆さんの気持ちがあたたかくなったり、クスッと笑ってもらえる小噺でも書ければいいのですが、そんな才能も備わっていないようです。
それでも授業中に生徒の皆さんを笑わせるネタはあるんですけどね。
原稿の3分の2が埋まった今、ようやく進まない理由が分かり始めました。
それは【書かなければならない】からだと捉えていたことに起因します。
この言い方には、文法上、否定の助動詞【ない】が二つも含まれています。
消極的なイメージが強く印象に残る表現で自らの脳内に刷り込まれていたら、そりゃ手につかないわけです。
ダイエットなら食べ【ない】、勉強ならし【なけれ】ばなら【ない】のでゲームやSNSをし【ない】。
やりたいことに対して【しないこと】をがんばり続ける努力は難しいということですね。
この春、ダイエットで新しい自分を目指す皆さんは、例えばご飯はお茶碗1杯までに【する】、勉強で新たな自分を目指す皆さんは、例えば今日は数学の復習を30分間は【する】などと、できる取り組みを目標として掲げてみてはいかがでしょうか?
そして、そのことを続けること、そこに結果が伴ってくるのだと考えます。
と、ここまで書き上げて、【〇〇しなければならない】という呪縛から解放され、原稿も埋まって一安心です。
新たなスタートをする良い時期となりました。
皆さんができることを少しずつ積み上げていく日々を送り、なりたい自分に日々近づけることを期待しています。