あなたは今、小学5年生だとします。そして、芯のないトイレットペーパーを横から見ると円の形をしていることに気が付きました。三角形や平行四辺形などの面積の求め方を勉強したので、次は円の面積をどうしても知りたくなってしまいました。でも、最近やっと円周の長さを求める公式(直径×円周率)を勉強したところで、円の面積を求める公式(半径×半径×円周率)を知りません。それでもあなたは、円の面積を知りたくてどうしようもありません。さぁ、公式を使わずに、どうすれば円の面積を求められるでしょうか。
この問いかけは「数学であそぼ。」というマンガにでてきた一場面を切り取ったものです。このマンガの主人公は神童と呼ばれるほど小中高と成績が良く、将来はノーベル賞をとれると言われてきました。ですが、大学での数学の授業でショックを受けます。先生が何を言っているのか、何を書いているのか全く分からず、何が分からないのかが分からない状態になってしまったのです。
実はこの主人公は、これまでの勉強をすべて丸暗記で乗り越えてきたのです。公式を暗記して、その公式にただ当てはめて答えを出してきました。色々な人から大学では「考える」ことが大切だと言われるのですが、「考えた」ことがない主人公は「何をどう考えればいいのか」が分かりません。そこで冒頭の問題を友達から出されます。
どうですか? みなさんは、丸暗記だけではなく、きちんと頭の中やノートの上で考えていますか? 暗記することはもちろん大切ですが、それと同じくらい考えることも大切です。ただ単に答えを求めるだけではなく、なぜそうなるかきちんと考えて問題に取り組むことで、難しい問題でも解いていける力が身についていきます。
今の学年もあと少しで終わってしまいますね。新学年になったら今よりもパワーアップした問題が待ち受けています。考えることは大変だけれど、誰でも必ずできることです。答えを出すためにまずは自分で考えて、参考書を調べたり、友達と話し合ったり先生にヒントをもらったりして、考える力をつけていきたいですね!
冒頭の問題の答えは、トイレットペーパーの上から中心まで切り込みを入れて、円の形を変形させます。すると、円周が底辺、半径が高さになる二等辺三角形が出来上がるので、三角形の面積の公式で計算できます。