寒い季節になりました。この冬、皆さんの街に雪は降りましたか?

皆さんにとって、雪ってどんなものでしょうか。
雪合戦ができる、かまくらが作れる、なんてわくわくするでしょうか。
寒いのが苦手、すべって危険だから外にも出られなくていやだなあと思う人もいるでしょう。
ここで「雪」にまつわる言葉について3つ紹介します。

~ 風花を待つべく青空のととのう ~
今回の冬期講習会のポスターにもなっている、夏井いつき先生の俳句です。
この風花(かざはな)という言葉をはじめ、六華(りっか・ろっか)・銀花(ぎんか)・寒花(かんか)・瑞花(ずいか)など、「雪」は「花」に例えられることが多いのです。
「雪月花」という言葉があるように、美しい自然の風情(ふぜい)を感じるのは、昔から日本人独特の感じ方なのではないでしょうか。

~ 蛍の光 窓の雪 ふみよむ月日 重ねつつ ~
卒業式などでよく歌われる「蛍の光」の歌詞ですが、「蛍雪の功」という故事成語がもとになっています。
昔中国に、車胤(しゃいん)と孫康(そんこう)という二人の青年がいました。
夜に本を読むための灯火の油さえ買うことができないほど貧しかったのですが、車胤は夏の夜に蛍を数十匹つかまえて、その光で本を読んで勉強し、孫康は冬の夜に窓辺に雪を積み上げて、その明かりで勉強し続け、のちに二人とも立身出世したということです。
「雪」は「努力」の象徴と言えるのです。

~ 雪の深さに 埋もれて耐えて 麦は芽を出す 春を待つ ~
美空ひばり「人生一路」の歌詞の一節です(作詞:石本美由起)。秋にまいた麦が厳しい冬を乗り越えるのは大変なことです。「雪」は大自然の「厳しさ」の象徴です。
その雪に負けない強く育つ麦にするために、農家の人々は一度わざと麦を踏みつけます。この「麦踏み」を行った麦は、雪に負けない力「耐寒性」を身につけ、春には大きく実るのです。

皆さんはこの冬休み・講習会の期間にたくさんの厳しさを乗り越えるために、多くの努力をしてきたことでしょう。
それは必ず皆さんの力になります。春には素晴らしい成果が花開くことを、先生たちは祈っています。