11月28日、秋があっという間に過ぎてしまい、冬が近づいています。春夏秋冬、四季を更に細かく分けた二十四節気(にじゅうしせっき)では「小雪(しょうせつ)」と呼ばれる時期です。
北風も強さを増します。この季節によくあるトラブル……皆さん、もし風邪をひいたら何をしますか?

「病院で診てもらう」
「薬を飲む」
「たくさん水分をとる」
「消化にいいものを食べる」

…迷信ではありますが、「ネギを頭に巻く」なんて答える人もいるかもしれませんね。

私が幼稚園児の時の出来事です。
風邪をひいて高熱を出したある日、母から白い粉の入ったオブラートを渡されました。
「苦い薬だから、水をたくさん飲んでね。」
「この薬を飲むと風邪が治るんだ」
とわからせるために、母からいつもよりもゆっくりとした声で伝えられたことを覚えています。

薬を飲み、水分を摂って、暖かい恰好で眠った翌日には、私はすっかり体調が良くなっていました。
その後も熱が出た時は、市販薬だったり、不思議なオブラートだったりしましたが、小学生になる頃にはもう「苦い薬」を飲むことはありませんでした。

中学生になって風邪をひいたある日、ふとこのことを思い出しました。
母親に「小さい頃に飲んだオブラートの薬って何だったの?」と聞いたところ、母から「あれ?ただの砂糖だよ」と言われたのです。
あっけに取られた私は、「プラシーボ効果」という思い込む力の強さを知りました。

プラシーボ効果とは「本来は効果を持たないものを服用させ『薬だと思い込ませる』ことで効き目を確かめる」ことです。
「偽薬効果」とも言います。
幼稚園児だった私は「薬を飲んだから風邪は治る」と信じることで、自分の体調を治したのです。
実際に市販薬を作る時には効き目があるか確かめるために「新しい薬と見た目はそっくりだが、効き目成分がない偽の薬」を使い、効果を確かめる「二重盲検法」が義務づけられているのです。
単なる眉唾、というわけではなさそうですね。

「思い込む力」はバカにできません。
勉強で「努力が点数に結びつかない」こともあるでしょう。
個人差も、科目の違いもありますが、「自分はダメなヤツなんじゃないか」と思い込んでしまうこともあります。
でも努力を続けて効き目が出れば「努力したから難しい問題が解けた」「自分はできる!」と思い込むことができます。

皆さんには、「自分はできる!」と自分を励まし、奮い立たせる「思い込み」をしてほしいです。
ノートの作り方であれば、「大切な場所に印をつける」「よく出来る子の勉強法を聞いて」真似をすることも大事です。
能開の勉強の仕方やatama+の学習の仕方を身につけた人なら、「見本になるノートを作る」「誰かの勉強の目標になる」…周りから真似をされるリーダーになってください。
そして教室だけでなく、たくさんの人を巻き込めたら最高ですね!

どんなことも「できるようになる」きっかけが大切です。
冬期講習会が、体験生を含めて教室全体が「できるようになった!」努力と自信を身につけるきっかけになってほしいです。
できるぞ、とワクワク奮い立つ「みんなの心が熱くなる冬」を過ごせたら…と楽しみにしています。
体調にも気を付けて、この冬を愉しんでいきましょう!