小学生の時に読んだ本に、江戸幕府8代将軍の徳川吉宗は毎年「くすりぐい」ということをとても楽しみにしていたと書いてありました。その時、「薬を食べるって?薬は飲むものだし」と、不思議に感じました。

その「薬」は鹿児島の島津氏から毎年お歳暮として送られていたものだと書いてありました。この前、中学生のある国語のテストで「薬食い」の言葉が出てきたことで、思い出したので、調べてみました。

まず、「薬食い」は、俳句で冬の季語でした。そして、「薬」とは「豚肉の味噌漬け」のことでした。このことで島津氏のお歳暮とつながりました。吉宗もお肉を食べて元気になっていたのでしょう。文献の中には、もっと欲しいとおねだりしたことも記載されていました。

しかし、日本では江戸時代までは、動物のお肉を食べることは法律や慣習で禁止されていました。日本人が現在のようにお肉を当たり前のように食べるようになったのは明治時代からのことです。昔から日本人は、言葉を言い換えて表現してまで、お肉を食べていたようです。その一つがこの「薬喰い」のことだったのです。

「桜肉」、「牡丹鍋」、お坊さんが言う「般若湯」などもその一部です。この3つは何のことでしょうか? 皆さんも考えてみてくださいね。