6月4日は虫歯予防デーです。先生は6月4日に関わらず、年中こまめに歯磨きをして気をつけているはずなのに、虫歯になってしまい、歯医者さんに通っています。つい先日は一番奥に生えていた親知らずが虫歯だと分かり、抜いたばかりなのです。根っこが深いがんこな奥歯ですから、麻酔をしっかりしてもらっていても、頭にまでひびくような衝撃を感じました。

さて、ふつうは、歯を抜くことができるのは国家資格を持った歯医者さんだけですよね。

しかし、他にも「歯を抜く」訓練をするお仕事があるって知っていましたか?

それはなんと「宇宙飛行士」なのです。彼らは、宇宙に行くための訓練の中で、歯を抜く練習をしているのだそうです。

宇宙空間は地上と違ってとても気圧が低く、宇宙船の外で着る宇宙服の中の気圧は通常の3分の1くらいになっています。宇宙船の中では宇宙服を脱ぐので、通常の気圧に戻ります。虫歯をそのままにしていたり、治療が不十分だったりすると、気圧の激しい変化によって、歯の痛みが出やすいのです。歯が痛くてもすぐに地球には帰れない、痛み止めもきかない…というどうしようもない場合には、医師の指導に従って他のクルーが歯を抜くのだそうです。

歯医者さんという整った環境で歯を抜いてもらうだけでもゆううつなのに、宇宙という地球上とは何もかも違う所で仲間同士で歯を抜くなんて、宇宙飛行士という職業のすごさと覚悟を感じるエピソードです。ちなみに、6月にJAXAを退職される宇宙飛行士の野口聡一さんも、かつて「宇宙では歯のダメージは致命的。そのため、日ごろから歯を大切にしている」と語っていました。

昔は歯の治療技術が万全ではなかったので、虫歯があると宇宙飛行士になれなかったそうですが、現在は治療技術が進化し、過去に虫歯になっていても、しっかりと治療済みであれば宇宙に行くことができます。

将来、宇宙飛行士を目指している人も、そうでない人も、すべての人にとって歯の健康はとても大切です。例えば入試当日に歯が痛くなったら…なんて思うと、ちょっと冷や汗が出ますね。せっかく勉強や部活を頑張っても大事な時に力を発揮できなかったら困ります。みなさんは、いつでも元気に頑張れるように、先生のように歯医者通いをしなくても良いように、しっかり歯磨きすることを心がけてくださいね。