皆さんは、「人生で最も苦しかったこと」を問われたら、何を思い浮かべるでしょうか。
私はいくつか思い浮かぶ中で、迷わず「高校行事のマラソン大会」を挙げます。
「たかが高校のマラソン大会で…」と思われるかもしれません。
ですが、私が通っていた高校のマラソン大会の距離は約50km。
加えて、当時の私の体育の通知表は「2」で、マラソンもクラスではビリから2番目。
高1のときは約40km走ったところで時間切れ。高2は約30kmのところで足が攣(つ)ってリタイヤ。
高3までには一度くらいは完走したかったので、私なりに努力しました。
行事の半年ほど前から、走行負荷を減らすためにダイエットすることから始め、1ヶ月前から放課後に1時間ほどランニング。
足が攣(つ)ることの対策で塗り薬を準備。
準備が功を奏してか、順調なペースで約40kmの地点へ進みますが、ここで思いがけないアクシデントが起こります。
なんと「空腹」で走ることができなくなります。ヨタヨタと歩くのがやっと。
ですが歩くペースでは時間切れになるのは間違いない。
中継地点でもらった食べ物を手に取ろうとリュックの中を漁りますが、出てくるのは食べ終わった「バナナの皮」「みかんの皮」…。
周りは土手道で、お店どころか自販機一つありません。
私は意を決し「みかんの皮」を口にします。(バナナの皮は硬すぎて食べられませんでした)
あんな「皮」でも意外にもエネルギーはあるもので、なんとか残り10kmを走り切ることに成功します。
家に帰って家族に完走の報告をすると、よほど意外だったのか、非常に驚かれました。
私自身も、長く越えられなかった壁を越えた実感があります。
3月も中旬を迎え、中学・高校・大学と新たな道へ進む人たちもいると思います。
これから進路が決まる人もいるはずです。ときには苦しいこともつらいこともあるでしょう。
みなさんには「苦境を乗り越えた経験」を大切にしてほしいと思います。
「苦しいけど、あの時よりはマシ」「あのとき頑張れたから、今回も頑張れる」
苦しさも、必ずみなさんの糧になると信じてください。
よい新生活を。