新型コロナウイルスが日本に上陸して2年。もはやマスク姿、黙食は当たり前、「ソーシャルディスタンス」「濃厚接触」など、当初は「???」だった用語もすっかり市民権を得てしまいましたね。一刻も早く、元の健全な生活に戻る日々が来ることを願うばかりです。
さて、そんなコロナウイルスが日本に初上陸した2年前、こんな情報が出回ったのをご存知でしょうか。(全文は長いので一部抜粋です)
私の知り合いが中国のウイルスの研究者で、今回のコロナウイルスは非常に熱に弱いことが判明しました。
今回のウイルスは熱耐性が弱く、26~27℃の温度で死滅します。したがって、より多くのお湯を飲んでください。ウイルスは低温の中で長期生存するので、冷たい水を飲まないでください。冷たいものも厳禁です。
さて皆さん、この情報を見てどう思いますか?
結論から言うと、これは真っ赤なウソ、デマです。そりゃそうだ。
で、大事なのはここから。実は別に科学的な知識がなくても、小学生でも、なんならそれ以下の年齢でも、この情報はウソだとわかるんです。どこでわかるでしょう?
まだわからないそこのあなた。あなたの体温は何℃ですか?
・・・はい、もうわかりましたね。もしウイルスが26℃で死滅するなら、人間に感染するはずがありません。人間の体温は大体36℃前後ですから、ウイルスは肌についた瞬間に死んでしまうことになります。
さて、問題なのはデマが出たことではなく、これを多くの人が信じてしまったことにあります。このデマツイートはいくらかバリエーションがあり、中には市のアカウントなど公共のアカウントがこのデマを信じ、拡散してしまったこともあったそうです。
ではなぜ「ちょっと考えればわかること」に、多くの人がだまされてしまったのか?
いろいろ考えはあると思いますが、私はこう思います。「頭を使っていなかったからなのだ」と。「多くの人に拡散されているから正しい情報に違いない」、「研究者が言っているなら正しいに違いない」。そう思考停止した結果、デマに乗ってしまったのだと。
私は仕事上、皆さんに「勉強しろ」と言い続けていますが、本当のところはこうです。「頭を使え。」私が言うのもなんですが、別に勉強ができなくても幸せな人生を送ることは十分できるでしょう。そういう意味では、勉強はできなくてもいい。
ただし、「頭を使わない」、これはダメです。そしてその頭を使う訓練として最適なのが、勉強なのですね。
この多くの情報渦巻く世の中で生き残り、幸せに生きるために。皆さん、頭を使う訓練を怠らないようにしていきましょうね。