新米が美味しい季節ですね。先生はご飯に納豆をかけて食べるのが大好きなのですが、家族は納豆が苦手で、側で食べていると嫌がられます。なぜ同じ食べ物で、人によって「好き」と「嫌い」に分かれるんだろう?と不思議に思いますが、「まあ別の人間だから」となんとなく納得し、なるべく一人の時を選んで納豆を食べる日々。
最近、そんな先生の素朴な疑問に答えてくれた本があったのでご紹介します。
「なぜ、穴を見つけるとのぞきたくなるの?」というタイトルで、あの「チコちゃんに叱られる!」にも出演している明治大学の教授・石川幹人(まさと)さんの著書です。この本は、小学生の色々な質問に、石川先生が科学的な視点で本気で答える、というもの。
その小学生からの質問の一つに、「人によって好きな食べ物と嫌いな食べ物があるのはなぜ?」というものがありました。その問いに対する回答は、「人間は雑食性で、いろんな食べ物を食べるよう進化した。だけど、自然界にある生物には毒があることも多く、いろんな食べ物から栄養を得る一方、危険な食べ物(毒)を食べてしまうリスクも背負った。危険かもしれない食べ物に対し、『好き嫌いしない人=毒を食べる』と『好き嫌いする人=毒を食べない』に分かれることで、人類全体で生き残る術を身に付けた。それが生物学的な『好き嫌い』の始まり」なのだそうです。なんとなくで片づけていた「好き嫌い」のしくみを、分かりやすい例を示しながら説明してくれていました。
ただ、現代では毒があるものが皆さんの食卓に並ぶことはまずありませんので、皆さんは「好き嫌い」をすることなくしっかり栄養をつけて、勉強に励んでくださいね。
タイトルにもなっている「穴」の質問のほか、「雨の日が寂しく感じるのはなぜ?」「う○こは肥料になるのに栄養はないの?」「どうして真っ青の果物や野菜はないの?」「“ふつう”って誰が決めるの?」などなど…、皆さんも一度くらいは考えたかもしれない疑問と、それに対する答えが満載で、「なるほど~」と何度もうなずいてしまう内容でした。
どんな質問にも分かりやすく回答する石川先生もすごいのですが、日常の中からたくさんの疑問が生まれる子どもたちもすごいなと思いました。大人になると、ささいなことなら自分なりに納得することで流してしまいがちです。チコちゃんには「ボーッと生きてんじゃねーよ!」と叱られそうですが。
皆さんも、不思議に思ったり「どうして?」と思ったことがあれば、ぜひ調べたり聞いてみたりして答えを探してみてください。明確な答えがある場合も、そうでない場合もありますが、「知りたい」という探求心は、新たな発見とともに、きっと皆さんの日々の学びや心の持ち方を、楽しく、面白くしてくれるはずですよ。