皆さんは「ハインリッヒの法則」をご存知ですか?アメリカの保険会社の調査部にいたハーバート・ウィリアム・ハインリッヒという人が導き出した法則で、別名「1:29:300の法則」とも呼ばれています。工事現場の1つの大きな事故の背景には29の小さな事故があり、その背景にはさらに300のヒヤリハット(大事には至らなかったけれど、ヒヤリとしたり、ハッとしたりする瞬間のこと)があるというものです。
これは医療現場や工場などでも幅広く取り入れられている考え方で、大きな事故を防ぐには、ヒヤリハットの段階から対処していくことが必要だと教えてくれます。ヒヤリとした時に、「大事に至らなくて良かった」と思うのではなく、「わずかな差で大事故になっていたかもしれない」、「なぜヒヤリハットが起きたのか」を考えることが事故を防ぎます。
同じように、「割れ窓理論」というものもあります。小さな犯罪を徹底的に取り締まることが、大きな犯罪の抑止につながるというものです。治安の悪い地域では、割れた窓を修理せずに放置すると、他の窓も割られやすくなることから、この名前が付けられています。
受験勉強において日々の積み重ねが大事だということは、能開生なら何度も聞いたことがあると思います。しかし、皆さんが積み重ねているのは、プラスの要素だけではなく、同時にマイナスの要素も積み重ねているのかもしれません。
「授業中に気が抜けてしまった」「宿題を忘れた」「小テストで計算ミスをした」、これらの積み重ねが、受験本番での大きなトラブルにつながる可能性があります。小さなことだから「大したことない、大丈夫だ」と考えていると、思わぬところで足元をすくわれるかもしれません。ヒヤリハットは誰でも起こりえることで、様々な原因があります。1つでも不安な要素を減らしつつ、勉強を進めていきましょう。