先週の日曜日の1月17日は阪神淡路大震災が起こった日です。26年前ですから、能開生の皆さんは誰も生まれていない時のお話ですが、それは普段の生活が一瞬で変わった出来事でした。

朝の6時前でした。一瞬、ザザッーという不思議な音が外から聞こえてきて、ふと目を覚ました瞬間に、ドーンという激しい揺れが来ました。ベッドから1メートルほど飛ばされて、激しい揺れが10秒くらい続きました。部屋の中は食器や本や家具が散乱して、ぐちゃぐちゃになりましたが、大きな地震が来たと分かったので、急いで外に出てみました。夜明け前の薄暗い景色の中に、濃い霧がかかったように見えましたが、それは倒壊した木造の家から出た土ぼこりでした。そして振り返ってみると、高速道路が橋げたごと倒れていたのです。

その日から、普段の生活が大きく変わりました。地震が発生した日の夕方には電気が使えるようになりましたが、水道やガスが復旧するには1か月かかりました。とにかく生きていくことが最優先で、自衛隊の給水車に並んだり、大阪まで片道4時間かけてお風呂に入りに行ったり、避難所にいる友人を探したりしながら、1か月が過ぎたように思います。

そのうち、電車も少しずつ復旧してきて、お店にも商品が並ぶようになりました。半年を過ぎたあたりから、徐々に普段に近い生活を取り戻せるようになってきました。それから26年がたち、今では神戸の街並みは何もなかったかのように見えますが、鉄道や道路を整備し、家を立て直し新しくお店を開くなど、多くの人が生活を取り戻そうとしてきた結果なのです。

今、コロナウイルスとの戦いで、皆さんも普段とは違う生活を強いられていると思います。毎日マスクを付けないといけないし、友だちと遊ぶことも難しいかもしれません。でも、そんな生活も必ず終わりが来ます。その終わりに向かって、みんなが手洗いやマスク着用、ソーシャルディスタンスなどを続けているのです。

当たり前の一日を取り戻すために、もう少し頑張っていきましょう。