200225

秋なので読書の話、最近、大物バンド(Buc……)のボーカルの息子が芥川賞を、という話題もありましたので芥川の名作“藪の中”の紹介を……、や、√(ルート)が、数直線上には点を取れない、といいながら長さが表せる不思議等、色々考えましたが、先生からは、来年度からいよいよ中学校の指導要領が変わり、この10月から教室によっては“速読聴英語”が受講可能になったということで“英語に親しもう”という話をさせてもらいます。

皆さんも既に聞いていることと思いますが、来年度から中学校の英語の授業は原則、英語で行われることになります。求められる技能も、4技能(聞くこと・読むこと・書くこと・話すこと(やり取り))から4技能5領域(+話すこと(発表))に拡大されます。中学校三年間に覚えるべき英単語の数も1,200語から1,600~1,800語になります(ちなみに能開は今でも1,900語以上です。さすが能開です)。そう聞くと大変と思う人もいるかもしれませんが、英語は言語ですので勉強すれば学力をつけることと同時にコミュニケーションの幅を広げることが出来ます。日本人は、文法は得意だが会話が……、と、よく言われますが、新しい指導要領によって少しはその状況も改善されるかもしれません。

という先生も、外国の方の英語は何とか聞き取れる(だいたい)のですがすぐには(または永遠に)返す言葉が出てきません。先生は、実際に突然、英語で話しかけられた経験が何度かありますが(休みの関係もあり海外には一度も行ったことはありませんが……)大体上手く話せませんでした。

一度目は関ヶ原(大海人皇子が桃を配ったり、天下分け目の戦いが行われたりしたあの関ヶ原です)で誰の陣地から回ろうか、まずは松平忠吉・井伊直正隊から、藤堂高虎・京極高知隊は中学校か、と、地図を見ているときでした。How long does it take to go around?(多分)と、オーストラリア人っぽい(先生のイメージ)中年の女性から声をかけられました。あせりながらも先生は距離が書かれた案内版を指差しました。先生の英語力を察したのか、あとは自分で確認してくれていました……。ちなみに先生はそのあと各陣地跡、平塚為広(平塚らいてうの先祖)終焉の地、島津豊久・長寿院盛淳が捨てがまった烏頭坂等々を訪れて楽しみました。

二度目は台風の接近する中、伊勢神宮を訪れ、おかげ横丁でお伊勢参りの歴史を学び、伊勢うどんに驚き、お土産を見ていたときです。先ほどまでは晴れていたのですが突然、雨が降り出しました(台風が迫っているから当然といえば当然です)。レジを見るとイギリス人っぽい(先生のイメージ)中年の女性がレジの店員さんに、なんたらupside down なんたら、と、一生懸命説明していました。店員さんがおろおろしていたので、雨も降ってきたのでビニール袋を二重にしてほしい。そして、中身が雨にぬれないように内側のビニール袋をさかさまにしてほしい、と言っていると思いますよ、と、伝えました。店員さんがその通りにするとその女性は、Thank you!と、笑顔で先生の方を見ました。そこまでは良かったのですが、先生に英語が通じると勘違いしたその女性が色々と英語で質問をしてきました。かろうじて聞き取れたのは、entranceという言葉だけ……。伊勢神宮全体の入口なのか、境内の入口なのか、おかげ横丁の……、先生はSorry.と笑うしかありませんでした(そもそもどこがどこかもよく分かっていませんでしたが)。ちなみに先生は、その後、台風に傘を壊されびしょ濡れになり、何とか乗りこんだ名鉄は立ち往生し、と色々ありましたが最終的には名鉄が用意した臨時バスでその日のうちに四日市にたどり着くことができました。

三度目はなんと校舎で生徒たちを送り出したあとのことです。坊主頭のフーリガンみたいなおしゃれな刺青の入った外国の方がビール片手に、Hotel?と、入ってきました。先生は、色々な意味で慌てて、No,hotel.(いいえ、ホテル).と、笑顔で答えました。そのフー、男の人は、笑顔でOh~.とかなんとか言いながら帰っていきました。本当によかったです。四……、先生の話はここまでにしておきます。

皆さんはこれからより英語に親しむことにより、先生のようなシチュエーションに陥ったときもきっと知性あふれる返答ができるようになると思います。また、先生の知り合いの中には外国で短期間ですが働いた経験があったり、ピラミッドの上の星空を見たいと突然エジプトに行ったり(ちなみにその人の彼氏は「ムーミンに会いに行く」と同時期に北欧へ旅だったそうです)、好きなサッカーチームを応援するため電車でヨーロッパをめぐって絡まれたり、グアムに行って調子に乗って怖い目にあい帰るまで一歩もホテルから出なかったり、という人たちもいます。自分のコミュニケーションの幅が広がると思って、できるだけ前向きに英語の学習をがんばってほしいと思います。