withコロナの今年、私は休みの日を家で過ごすことが多くなりました。 ほぼ1日寝ていることもありますが、今まで以上に読書に費やす時間が増えた気がします。「まじめかっ!」とお思いでしょうが、実態は、中学・高校時代に読んでいた漫画を引っ張り出してきて朝から読み始め、気づけば次の日の朝なんてことも・・・(タッチ、めぞん一刻、スラムダンク、横山三国志etc.)。
そんな中、最近のブームに乗って、アルベール・カミュ(1913‐1960)の『ペスト』という小説を読みました。舞台は20世紀半ば、北アフリカ・アルジェリアの都市オラン。街中で大量のネズミが死に、人々が不審に思い始めた矢先、高熱に苦しみ血を吐いて死ぬ人が続出します。主人公の医師リウーはいち早く『ペスト』という感染症の症状であると診断、迅速な対応を医師会や行政に相談するのですが・・・。
興味がある人は、是非、続きを読んでみてください。個性豊かな登場人物が、予期せぬ感染症蔓延の中、思い思いの行動に出ます。そして、その様子が非常に多くの部分でコロナウィルス流行下の今の時代に重なることに驚かされます。この作品が発表されたのが第二次世界大戦終了後間もない1947年のことですから、まさしく「予言の書」と言うことができるでしょう。作品を読み、「自分だったらどうするか?」「この人がこんな事をするのは(言うのは)何故だろう?」などと様々に思いを巡らせることで、先行きの分からないこれからをどう生きていくか、自分なりの判断軸が持てるようになると思います。
『ペスト』に限らず古今東西の有名な著作には、生きていく上でのヒントがたくさん詰まっているのではないでしょうか?そういう意味で、世の中には「予言の書」がたくさんあるのだろうと思います。
また、難しそうな作品を手に取るのが億劫なのであれば、まずは国語の教科書に収められた短い文章でも良いでしょうし、マンガや絵本といったものでも読み方次第では得るものが非常に多くなるはずです。
読書の秋、到来―。何か面白い作品を見つけたら、是非、私にも教えて下さい。