company”(カンパニー)という英単語の意味は知っていますか?多くの人が「会社」という意味を真っ先に思い浮かべるでしょう。実は、もう一つ大切な意味があります。
英語の諺(ことわざ)にこんなものがあります。
A man is known by the company he keeps.
(人はつき合っている友を見れば、その人柄がわかる。)
高校生になると良く出てくる文章ですが、companyには「仲間・友人(=friend)」という意味もあるのです。
語源(言葉の成り立ち)に注目して見ましょう。3つに分けてみると……
com = 共に
pan = ラテン語のpanis「パン・(広い意味で)食事」
y = 集団・人たち
つまり、companyとは「共に食事をする仲間」という意味があるのです。
先生が大学生の時に語源学を学んでいるとき、おもしろいなぁと思いました。日本語にも、長い間生活を共にしたり、苦楽を分かち合ったりした親しい間柄のたとえとして、
「同じ釜の飯を食う」
という言葉があります。日本でも西洋でも、食事と人間関係は非常に強い関係を生む重要な習慣なのだと感じました。古くから食事という行為は、人間にとってただ命をつなぐだけでなく、苦労して集めたり育てたりしたものをみんなで分け合う行為だったのでしょう。
先生の子どものころの家族のきまりとして、みんながそろうまではしをもたない、食事の間はテレビを消す、飯と呼んだら火事より急げとよく言われたものですが、今思い返せば食事という一日のうちのひとときを家族のコミュニケーションの場として大事にしていたのだと思います。
みなさんは最近、学校の友だちと会えない時期が続きました。その間に教室のある生徒が「今日は友だちとリモート飲み会をしました!」と楽しそうに話していました。
家族や友だちと絆を深めたいとき、新しい仲間を迎えたとき……いろんな場面で食事は重要になってきますが、それは大人だけでなく、みなさん子どもたちにとっても大切なことなんだと教えてもらった気がします。人との関係をつくりたいときや深めたいとき、直したいときはいっしょに食事をしてみてはいかがでしょうか?
最後にもうひとつ。英語だけでなく、いろんな言葉を覚えるときは語源について知ると、ただの丸暗記よりも楽しく、さらに広く知識を得ることができますよ。