200316

桜も満開を過ぎ、4月も半ばとなりました。
二十四節気では、この時期を「清明(せいめい)」といい、空は澄み渡り、全てのものが清らかで生き生きとしている様子を表しています。(二十四節気とは、旧暦で1年間を24等分し、それぞれに季節を表す名前をつけたもの。夏至や冬至など、今でも季節の節目に用いられていますね)

さらに、二十四節気を5日ごとに分けると、今週の4月14日~19日は「虹始見(にじはじめてあらわる)」という晩春の時期にあたります。空気が潤ってきて、きれいな虹が空に見られる様子をいいます。

さて、この虹の色、みんな間違いなく「7色」と答えますよね。上から、赤・橙(だいだい)・黄・緑・青・藍・紫と並んでいて、全部で7色。

しかし、他の国では必ずしも7色とは限らないって知っていましたか?

虹が7色なことは、日本では当たり前ですが、アメリカやイギリスでは6色とされているそうです。日本では、青と藍を区別していますが、これを分けて見ていないからです。さらにドイツでは、5色と少なくなります。これは赤と橙が区別されていないから。南アジアのある部族の中では、なんと2色とされており、これは赤系(暖色)と青系(寒色)のみで分けているからなのだとか。調べてみると、アフリカでは8色、インドネシアでは4色など、虹の色は国によって色んな見え方をしていることが分かります。虹そのものが場所によって異なる配色で出現しているわけではなく、見る人のとらえ方によって見え方が違うだけなのですね。日本人は古来から色に対する感性が豊かで、同じ色にも、様々な繊細で美しい表現があります。ですから、日本では微妙な色の重なりを区別してとらえ、7色としているのでしょう。

ただ、今世界の多くの国では、きれいな虹を見たいと思っても、なかなか外にすら満足に出ることがかなわない日々が続いています。みなさんも、学校が休みになったり、遊びに行けなかったり、友達に会えなかったり、我慢する事が多いかもしれません。こんなにいい季節なのに、つまらないですよね。でも、みなさん一人ひとりが、家で勉強を進めたり、本を読んだり家族と過ごしたりすることが、みなさんやご家族やお友達にとって、今一番大事なのです。先生たちは、そのためのサポートを惜しみません。

それが、日本だけでなく、また世界の色んな国で空にかかる虹を思う存分見上げられるようになる近道です。空はつながっていて、見え方は少し違っても、虹を美しいと感じたり感動する気持ちは世界のどんな国でも同じでしょう。来年には、東京で1年遅れのオリンピックも開催される予定です。世界中で同じ喜びを分かち合うために、そしてみなさんが元気いっぱいの日を送るために、今だからできる過ごし方を考えてみませんか?