お家の庭や学校の校庭の隅に必ずいる、指でつっつくとクルンと体を丸くする…そうダンゴムシ!
皆さんも一度は指でつついて丸くさせたことがあるのではないでしょうか。
そんなダンゴムシを小学校1年生から11年も研究して、「高校生科学技術チャレンジ」という高校生・高専生が理系の自由研究成果を競うコンテストに発表した島根県の高校生、片岡柾人くんの記事が先日出ていました。
彼は小学1年生の時に、家庭菜園にたくさんいるダンゴムシとワラジムシを見て、なぜダンゴムシは丸くなるのにワラジムシはならないのか疑問に思い、おじいちゃんに尋ねたそうです。その時おじいちゃんは、「どうしてだろうね」と逆に問い返しました。それを聞いた片岡くんは、「なら、自分が調べてあげる」とおじいちゃんに返し、ここから彼のダンゴムシ研究がはじまりました。
プラスチックケースでダンゴムシとワラジムシを飼育し始め、虫眼鏡などを使って観察していきました。観察を続けるとダンゴムシとワラジムシの違いが徐々にわかってきて、さらにある疑問が芽生えました。
それは「彼の弟が飼い始めたナメクジのケースにはカビが生えているのに、ダンゴムシのケースにはカビは生えていない」という疑問でした。この時片岡くんは4年生だったそうです。
そこでミミズも飼育してそれぞれ比較し、ダンゴムシがカビの発生を抑えていると確信を持ちました。
さらに小学6年生で、カビを防いでいるのはフンだと確信し、フンを加熱したりすると効果がなくなることから中にいる微生物がきっと影響しているはずだと推測。フンの中にいる細菌やカビの培養を繰り返し…。
中学生から高校生になるまでに39種類の細菌を見つけ、13種類にカビの発生を抑える効果があることを発見しました。
この研究を「高校生科学技術チャレンジ」で発表し文部科学大臣賞を受賞しました。
このような記事を見る度に思いますが、一つのことに集中して取り組むことで、普段は何気なく見逃している中にも、もしかすると大きな発見や気づきがたくさんあるように思えてきます。
もうすぐ新学期が始まります。今年は新型コロナウイルスの影響があり、いつもと違う春休みになっているかもしれませんが、そういう時だからこそ小さな気づきを大切にしてみてもいいかもしれませんね。
少し見る視点を変えてみると小さな発見がみんなの身の回りにもあるかもしれませんよ。
第17回高校生科学技術チャレンジ http://manabu.asahi.com/jsec/