2002103先日、久しぶりにテレビで女子マラソンを見ました。「大阪国際女子マラソン」です。その前にテレビでマラソンを見たのも、2年前の「大阪国際女子マラソン」でしたから、何か不思議な縁があるのでしょうか。ちなみに、今回も2年前も優勝したのは、「松田瑞生選手」でした!これまた何かの縁?
今日は松田選手ではなく、テレビの解説をされていた、Qちゃんの愛称で知られる「高橋尚子さん」のお話をしたいと思います。今回は親しみを込めて、「高橋選手」ではなく、「Qちゃん」と書かせてもらいます。

皆さんの中でQちゃんの現役時代を知っている人はほとんどいないのではないかと思いますが、先生にとって「Qちゃん」は間違いなくスーパースターの一人でした。
Qちゃんは、今から20年前、2000年のシドニーオリンピックで、女子マラソンで日本初の金メダルを獲得したすごい選手でした。
そのレースを見ていて今も強く印象に残っていることがあります。
Qちゃんは、レース当日の直前、顔からは笑みがこぼれ、非常に余裕のある態度を見せていました。体を横に動かしながら、歌を歌う素振りを見せるぐらいでした。他の選手たちが一様に緊張でこわばった表情をしている中で、その様子は一際目立っていました。Qちゃんは、もちろんふざけているのではありませんでした。もしかしたら、Qちゃんも緊張していて、緊張を和らげるために、わざとそうしていたのかもしれません。
さて、いざレースが始まって、Qちゃんの見事なレース展開ぶり、そして感動的な結果を私たちは目の当たりにすることになりました。近年、レベルの高くなった日本女子マラソンの歴史の中でも、燦然と輝く初の金メダル獲得!
にもかかわらず、Qちゃんはレース後にこんなセリフを残しました。
『とっても楽しい42.195㎞でした!』

この言葉を聞いた時、初めてQちゃんのレース直前の余裕ぶりの理由がわかりました。Qちゃんは、世界中の誰よりも厳しい練習をこなして、オリンピックに臨んだのだと思います。そして、『表彰台の1番高いところに上るのは、この私だ!』という確信をもって、レースに臨んだのでしょう。誰よりも練習した確信があったからこそ、自然に出た余裕だったのだろうと思います。そう、レースが始まる前に、すでに勝負はついていたのです。レースが行なわれるまでの練習量で、勝負はついているのです。同じことが、君たちが挑もうとしている様々なものにも当てはまると思うのです。
当日に頑張るのではない。当日までに頑張るのです。1日1日を大切に頑張るのです。

例えば兵庫県の場合、公立高校の一般入試が3月12日ですから、今から31日間、時間で744時間、分で44640分あることになります。その時間をどう使うか。それによって、勝者と敗者が決まります。敗者になりたい人なんていません。誰もが勝者になりたいです。じゃあ頑張ろうよ。1日1日、毎日が真剣勝負です。そして、今からでもまだ、力は付けられます。そのための、大切な1日1日です。

最後に、Qちゃんが恩師からもらった言葉を紹介します。

「何も咲かない寒い日は、下へ下へと根を伸ばせ。やがて大きな花が咲く。」