191105これは、ある学校での実話です。担任の先生はテストを実施し、採点をします。そして、その中から90人の生徒を選び、3人の教師に「最高の教師と知能の高い生徒を集めたから、生徒のペースに合わせて授業を進め、どれくらいの成果をあげられるかやってみてほしい」と伝えました。1年が過ぎると、生徒たちは学校の平均より20~30%も高い成績を上げていたそうです。しかし、実は90人の生徒は、決して知能の高い生徒というわけではありませんでした。テストの点数とは全く関係なくランダムに90人を選んだのです。また、3人の教師もくじ引きで選ばれただけでした。

こんな話もあります。あるサーカス小屋では、出番を終えた動物たちが休んでいました。檻に入ったライオン・トラ・キリン…。そんな中で、不思議な光景と出くわします。大きなゾウが、右足を細いロープで柱につながれているだけだったのです。疑問に思い、飼育員に尋ねてみると、こんな答えが返ってきました。「ああ、あのゾウは小さいときからこのサーカス団にいるからね。子どもの頃は細いロープで十分なのさ。それで逃げ出せなかったものだから、大きくなった今もロープで結ばれていると逃げられないと思っているのさ」。

この2つのエピソードは、良くも悪くも「思い込みの力」がとても大きいことを教えてくれます。思い込んだことが現実とは違っていても、脳は信じたことが現実となるように働き始めるのです。皆さんの思考は、ポジティブですか? それともネガティブですか? ネガティブなことを考え続けていると、脳は「できない自分」を信じてしまい、行動も自然と「できない自分」に向かいます。一方、ポジティブなことを考えるようにすれば、脳は「できる自分」を信じ、それが現実となるように自然と行動し始めるのです。「算数(数学)を得意になりたい」と思っているあなた。「算数(数学)を得意になるんだ」と思い込んでみてください。「算数(数学)を得意になったんだ」と思い込んでもいいのです。ポジティブな考え方が皆さんを、「できる自分」へと導いてくれることでしょう。