皆さんは、「クリアンサス デ フーア」という言葉を耳にされたことはありますか?
日本ではあまり見かけないストリートチルドレン、いわば路上生活をしている子どもたちのことを意味します。私がブラジルにいた頃に家族から常に言われていたことで、足を踏み入れることを禁止されていた場所の一つでした。
あることをきっかけに一度だけその子どもたちとお話をする機会があり、少し戸惑いながらも、自分の疑問をぶつけることにしました。それは、「なんで犯罪に手を染めるの?」という質問でした。その時の子どもたちの表情は、片時も忘れることのできないものでした。涙を流し、しかし力強く、「生きていくためだよ」とはっきりとした返答でした。
しかし、その次の瞬間に「将来の夢の話」をしてくれました。その子の夢は、「学校に行きたい、勉強をしたい」という、日本の子どもではおよそ夢になりえない内容でした。その表情もまた瞼に焼き付いています。今までに見たことのないくらい眼光鋭く、しかしながら、心の底からの笑顔でした。まさに、「決意の笑顔」そのものでした。
その時に、私の夢、そして目標も生まれました。ブラジルに学校を作りたいという途方もないくらい規模の大きなものです。その夢へはまだたどり着けていませんが、熱意の火は消えていません。
ティエラの教室で働く中で、ふとこの経験について思い出すことが数多くあります。教室の子どもたちも私に「決意の笑顔」を見せてくれているからです。「どんなに困難が目の前にあっても、笑顔でいられる強さを持とう」と、日々、子どもたちと話しています。
教室の子どもたちは、この理想的な思考を実際に行動へと繋ぐべく、毎日が笑顔のカーニバルみたいに活気がある空気で教室は満たされています。たくさんの笑顔の先にあるそれぞれの未来に期待を膨らませながら、私も笑顔で子どもたちと戦い続けています。その毎日に、感謝の気持ちでいっぱいです。
「ありがとう」という魔法の5文字を胸に、愉しく子どもたちの前に立ち続けると、第2の夢の息吹も芽生え始めている今日この頃です。