2010年が終わり、2011年が始まりました。2011年をどのような年にするのか。目標を立て、気持ちを新たにするのがお正月なのではないでしょうか。お正月には色々な『きまりごと』があります。その『きまりごと』は地域によって様々ですが、今日は先生の家のお正月のルールを紹介したいと思います。今は守っていないこともありますが、子供の頃は絶対に守らなければならないルールでした。

 元旦の朝は必ず午前中に起きなければいけません。そして、俗に言う一張羅(いっちょうら)つまり、持っている服の中で一番立派なものを着ます。その後、家族全員が、床の間に鏡餅(かがみもち)の飾ってある座敷に集合します。床の間の前に置かれたテーブルには、おせち料理が並べられていました。元旦の午前中には刃物(包丁)を使ってはならないルールがありますので、おせち料理は前日に準備されます。もちろん、お雑煮の材料も前日に切って用意してあります。ここからが『お正月』のはじまりです。まずは一家の大黒柱であるお父さんがお正月のあいさつをし、その後、御屠蘇(おとそ)を家族全員が順番に飲んでいきます。御屠蘇とは邪気をはらい寿命を延ばすとされる薬酒で、大中小三種の杯で飲みます。杯につぐときも3回で、飲むときも3口で飲むきまりでした。御屠蘇を飲んだあとは、おせち料理を食べるのですが、必ず全品食べることがルールです。これは、全ての料理に意味があるからです。例えば、「黒豆」はまめまめしく元気に働けるように、「数の子」は子宝と子孫繁栄を祈って、「えび」は背中が曲がるまで長生きすることを願っての料理です。おせち料理を食べた後には、お待ちかねのお年玉が待っていましたが、これはお正月の『きまりごと』ではなかったかもしれません。

 まだまだ、『きまりごと』は続きますが、特に印象に残っているのが「お風呂ルール」です。元旦はお風呂に入ってはいけません。「働かざる者、お風呂に入るべからず。」です。お風呂は2日の朝に入ります。また、2日の日は午前中のうちに「仕事」をしなければなりません。これが『仕事初め』ですね。子どもたちは(先生も含めて)勉強をしていました。ここで始めるからこそ、一年間、しっかりと勉強ができると教えられました。

 『一年の計は元旦にあり』皆さんはどんなお正月を過ごしましたか。お正月から勉強をスタートさせましたか。今からでも、まだ遅くはありません。満足いく1年間となるようにしましょう。