1809031993年屋久島と同時に世界遺産に登録されましたね。白神山地には手付かずの原生的なブナの天然林が世界最大級規模で残っているといわれています。
しかしこの話、少々先生には?でした。
手付かずの原生林なら世界中にまだ見ることが出来るのではないか?
白神山地が特になぜ?
この疑問の答えを一冊の本が教えてくれました。「山の自然学」小泉武栄 です。
 
小泉先生によれば3000万年前、地球は温暖でそのほとんどが熱帯に包まれていた。現在の温帯に含まれる森林は北極を取り囲むわずかな地域にのみ分布していたらしいのです。
その後気温の寒冷化とともに、森林は南下し始めます。(北極は寒すぎたわけですね。)
その際、針葉樹林は(根性をみせて)現在の場所にとどまり、他の森林は現在のアメリカ東部、ヨーロッパ、日本の三箇所に移動したわけです。しかしその後ヨーロッパ、アメリカでは氷河が発生し多くの植物が滅亡、生き残った森林はごく一部の種類のみとなりました。
この氷河の影響を受けなかった日本の森林のみが、多種多様な原生林を残したのです。

白神山地のブナ林は森そのものが「生き残り」であり自然史からも非常に貴重なものなのです。(すごいですね。)
世界中を放浪した先生の友人の話を聞いても、日本の森林ほど多種多様な植物を持つ森林はないそうですよ。日本は小さな国土の国ですが、素晴らしい森林を持っているわけです。

9月、新学期ゼミが始まります。能開の教室にもさぞや多種多様な(失礼かな?)生徒諸君が顔を見せてくれると思います。
それぞれの個性をぶつけ合って、生きる能開の教室を広げていってください。