中学入試においては、いよいよ受験シーズンに突入しました。
 県立中の多くは適性検査、作文とあわせて面接試験がおこなわれます。入試1ヶ月前くらいから、本番さながらの面接練習を行います。そんな中でのワンシーンを紹介したいと思います。

 ある受験生に対して、「あなたは将来、どんな人になりたいですか?」という質問をしたところ、その生徒は、「まだはっきりとは決まっていませんが、誰かの役に立つ仕事がしたいです。」と答えました。さらに「たとえば、どんな仕事ですか?」とたずねると、「・・・」結局答えは返ってきませんでした。

 みなさんはどうでしょうか? 誰かの役に立つというのは簡単なことですが、具体的に答えるとなると難しいのかもしれませんね。ただ、みなさんのまわりには、直接会ってはいないけれど、みなさんと関わっている人がたくさんいます。たとえば、皆さんが使う文房具を作る人、さらには、鉛筆の材料となる木を切る人などもそうですよね。つまり社会で生きていく、あるいは職業に就くということは、それ自体が必ず誰かの役に立つことになるのです。

 面接試験の練習に戻りますが、誰かの役に立つことから始まるのではなく、自分の夢や目標から、自分の将来を考えることを始めてみませんか。その目標をかなえたときに喜んでくれる家族の笑顔や、その仕事によって、たくさんの人に幸せを与えられることが容易に想像できるならば、本当に自信をもって目指すことができる夢だと思います。