現在、シアトル・マリナーズ会長付特別補佐になっているイチロー選手が、自身が大会会長を勤める少年野球大会の閉会式に出席した際、少年たちにメッセージとして『自分は人の2倍も3倍も、頑張っているということは全くありません。「人と比較」するのではなく、自分が限界だと感じた時に、あと少しだけ頑張るということを続けてきたから、今の自分があります。自分の中で、ちょっとだけ頑張るということを続けていくと、将来、思ってもいなかった自分になっていると思います。』と語っています。
イチロー選手というと「野球の天才」でありながら、人の2倍も3倍も努力する「努力家」というイメージがありますが、『人の2倍も3倍も、継続して頑張ることなんてできない。』と断言しています。イチロー選手はさらりと言っていますが、「自分の限界より、あと少しだけ頑張る」ということは、トップアスリートだからできるのであって、並大抵のことではできません。いきなりそう言われたら、多くの人が『そんなの無理!』と思うはずです。抵抗なく受け止められるのは、自分の能力にかなりの自信がある人でしょう。しかし、ハードルを下げて、「今の自分より、少しだけ頑張って、それを毎日続けていく」ことならやろうと思えば、誰にでもできるのではないでしょうか。これは野球などのスポーツのみならず、勉強についても言えるのではないでしょうか。
では、「少しだけ頑張って、それを継続していく」とどうなると思いますか。又、「少しだけサボった場合」どうなると思いますか。今の自分の力を100とします。『10%アップぐらいならできます。』という人がいるかもしれませんが、少しだけということで、あえて5%アップを目指して頑張ることとします。毎日、たかが5%のアップと思われるかもしれせんが、例えば、これを夏休みが始まる日から40日間続けていくと、100×1.05×1.05×……(1.05を40回かける)≒704と最初の自分の力より約7倍もレベルアップしたことになります。少しの努力を毎日継続しただけで、7倍もレベルアップできるなんて凄過ぎると思いませんか。そんな自分を想像してみてください。ワクワクしてきませんか。まさに「継続は力なり」です。一方、少しサボって5%ダウンの95で夏休みの40日間を過ごしたとすると、100×0.95×0.95×……で同様に計算すると≒13と始めの自分の力の1/7以下となります。頑張った1.05倍とサボった0.95のわずか0.1の差が40日間も続くと704÷13≒54倍というとんでもない差となっていきます。
あと1ヶ月もすれば、長い夏休みに入ります。夏休みは、能開の教育行事として講習会、合宿、8月ゼミなどがありますが、学校での授業がないため、部活が忙しい人でも、自由な時間はたくさんあります。この自由な時間を、今までより少しだけ頑張って、それを継続していきましょう。その頑張りを継続することが、自分の成長に繋がるはずです。