国 1、数 1、社 1、理 1、英 1、音 1、美 1、技 1、体 1
突然ですが、上の数字は何だと思いますか? 中学生はピンときたかもしれません。そう、中学校の成績(通知表)です。宮本延春さん(46歳)という方が中学1年生の1学期に受け取った、いわゆる「オール1」。
いじめと家庭環境が原因で勉強に手がつかず、小学2年生で学校の授業に付いていけなくなったそうです。中学卒業時の学力は、「九九は2の段までしか言えない」「英単語は book しか書けない」「漢字は自分の名前しか書けない」という、散々な状態。
そして、この方の現在の職業は……なんと高校の数学教師です!
中学校を卒業するものの、高校に進学できる訳がなく、アルバイトで職を転々としながら過ごす日々。
一人っ子である上に両親にも先立たれ、孤独な生活を送っていた宮本さんに転機が訪れたのは、23歳のとき。何気なく観ていたテレビ番組でアインシュタイン博士の「相対性理論」と出会い、今まで味わったことのないような知的興奮を覚えます。
「世界を見る目が一変した」というこの劇的な体験がきっかけとなって、物理学に興味を持ち、大学進学を決意。小学校3年生の算数ドリルを手に取り勉強を再スタート。働きながら定時制高校に通い血のにじむ様な努力を重ね、超難関の名古屋大学に見事現役で合格を果たします。大学入学後も「失われた年月」を取り戻すために勉強を続け、36歳で初めて高校の教壇に立つに至ったのです。
この話を通して皆さんに伝えたいこと。それは、「夢や目標を持つこと」はとてつもなく大きなエネルギーを秘めている、という点です。行きたい高校・行きたい大学・進むべき道・憧れの職業。それが見つかったとき、「やらされる勉強」が「自らやる勉強」に生まれ変わります!
しかし、夢や目標はそう簡単には見つかりません。だからこそ、いろんな経験をしてほしいのです。遊びや読書・合宿などを通して、自然や人や興味のある分野とふれ合ってください。中学生は高校・大学・職業について真剣に考えてみてください。必ず、夢や目標は見つかります!
そして、それが見つかったときにチャレンジできる立ち位置にいられるよう、今やるべき学業に励んでください。勉強や習い事、学校行事などに追われる日々が続くと、どうしても視野が狭まりがちになります。皆さんには広い視野で先まで見据えながら、今を生きてほしいと願っています。