170911みなさんが日頃、勉強した成果は、学校のテストや受験などで結果として表れます。そのためには情報を記憶する、それも短期間で大量に覚えた人が有利です。
思考力? 作文力? それらも経験値をパターン化して覚えればよいわけです。
では、効率よく学習するにはどうすればいいでしょうか。語呂合わせや暗記法、一問一答などでラクして覚えるよりも、参考書やインターネットでじっくり調べながら、しっかり記憶が定着するように科目の枠を超えて学習してみませんか?
例としてことわざ「急がば回れ」を楽しみながら覚えてみましょう。このことわざは、わざわざ遠回りをしなさい、というわけではなく、「選択を誤るな。充分な情報をもって事にあたれ」ということです。

昔、連歌師の「宗長(そうちょう)」が詠んだ
「武士(もののふ)の矢橋(やばせ)の船は早くとも 急がば回れ瀬田の長橋」
という歌がこのことわざのもとになっています。
「東海道で京まで行くには矢橋の渡し船を使って琵琶湖を横断したほうが近道だが、琵琶湖西側にある標高848mの比叡山から吹き降ろす突風で船が転覆する危険があるため、確実な移動方法を選ぶならば瀬田の唐橋(長橋)を渡って大津に行くほうが良い」

琵琶湖と言えば滋賀県にある日本一の面積を誇る湖です。そしてここで向かう場所は大津(現在の滋賀県県庁所在地)です。その西部にある比叡山延暦寺は、最澄が建立したのですが、比叡山が天台宗の修行場としてふさわしい「厳しい自然環境」だったこともうかがわれます。
また、昔の戦術においても、味方同士が待ち合わせて同時攻撃をするためには渡し舟では到着時刻が不確定なため、瀬田の唐橋経由で正確な合流時刻を決めた、とも言われます。「唐橋を制する者は天下を制す」というくらい、ここでは歴史上多くの戦がありました。
こういったことをなぞらえながら覚えていくことが国語(ことわざ)・算数(速さ)・理科(季節風)・社会(歴史・地理)を学習する、ということではないでしょうか。

早く着くことが目的ではなく、勝つことが目的
早く覚えることが目的ではなく、深く理解することが目的

むやみやたら勉強するのではなく、じっくり考えながら、自分なりの策を練って2学期の戦(定期テスト、検定試験)に備えましょう。