「怖いリンゴの絵を書いてください」と言われるとみなさんはどんな絵を書きますか。
テレビ番組で、何人かにこの指示を出してどんな絵を書くのか実験したところ、ほとんどの人が「怖い顔をしたリンゴ」の絵を書き、個性があまり出なかったそうです。
ところが「リンゴに顔は書かないでください」という制約を設けたところ、リンゴの周りに墓場の絵を書いたり、リンゴにナイフが刺さった絵だったり、怪しい模様のリンゴから毒々しい液体が出ている絵を書いたりと、様々なアイデアが盛り込まれた個性豊かな絵が集まったそうです。
なんでも自由にできる環境よりも、逆に「制約」のある状況の方が、限られた中でなんとかしようと創意工夫するため、良いものができることがあります。
先生は映画を良く観るのですが、新人監督が低予算で斬新なアイデアの映画を作って注目を浴び、映画会社がその監督に多額の予算を使わせて新作を撮らせると、見た目はすごいけれどアイデアに乏しいつまらない映画になることがよくあります。お金という制約がなくなったことで、思考が散漫になるからかもしれませんね。
勉強も同じことが言えると思います。日々の勉強で「時間が足りない」「部活との両立がしんどい」など、様々な場面で「制約」を感じるときがあるでしょう。そんな大変な時こそ、どうすればできるのか考え、創意工夫し、自分を高めるチャンスです。そしてこの夏、合宿に参加するみなさんは、普段感じない不自由さの中で大きく成長してください。