私が、能開の先生になって初めて参加した合宿は「南の島の大冒険合宿」でした。正直、その合宿に参加すると決まった時は、行きたくありませんでした。しかし実際に参加してみると、自分が想像すらできなかった様々な経験をすることができました。本当にすべてが初めて!海底まで見える澄んだ海・まさに手が届きそうなくらいの満天の星空。5泊風呂なしの生活。日焼けで耳たぶまで皮がむけるなどなど・・・本当に人生観が変わるくらいの経験でした。またそこで先生が担当した班での活動は、苦労の連続でした。最初は全くまとまりがない班で
した。協力的でもなく自分勝手。先生も悩み、班での話し合いもいろいろしました。しかしそれを積み重ねていく中で班がどんどん団結していく。本当に感動的でした。今の教室での生徒対応も、この時の経験がベースになっています。
最初は嫌だったものだけど、そこでの経験が今の自分のプラスになっていることを実感して、心底「参加して良かった」と思うのです。
これからの時代、様々な力が求められます。「やってて良かった」と「やっておけば良かった」の差は今まで以上に大きくなってくるでしょう。例えば大学入試も2020年から大きく変わっていきます。学力評価だけではなく人物評価まで入ってくるのです。学力だけであれば、短期間で何とかなるものです。しかし人物評価となると予備校に通って、詰め込んで何とかなるものではありません。それこそ、その時までにどんな経験をし、どんなことを学び、どれだけ自分を成長させてきたかが問われると言ってもよいでしょう。
高校3年生のその時になって、「やってて良かった」と思うのか?「やっておけば良かった」と思うのか?この2つの思いのどちらかを強く感じるような入試になると考えられます。また入試だけではなく、大人になって社会に出たときに、「やってて良かった」の安堵・「やっておけば良かった」の後悔はさらに強くその人の生き方に影響してくるかもしれません。
5年先・10年先・将来を見据えて、早い段階から準備することも大切です。
ただ、自分が将来を想像して、必要なことを今のうちからやっておくというのも限界があります。
むしろ、今の段階ではそれほど必要性を感じない・めんどくさいものの中にこそ、将来になって「やってて良かった」と実感できることがあると思うのです。
なので先生は君たちに言いたい。勉強も大切だけど、子どものうちにあらゆることに飛び込んで、多くの経験をしてほしい。目先の利益・算段で行動するのではなく、今の自分にとって必要性をあまり感じなかったとしても、どんどん機会があれば飛び込んでいってほしい。ティエラの夏合宿はまさにその機会だと思う。家族旅行や物見遊山では絶対に得られない経験がそこにはあるから。
「やってて良かった」と「やっておけば良かった」の大きな違いは、まず「やること」からだよ!