マンガ「ドラえもん」の中では便利な道具がたくさん出てきますよね。ドラえもんが生まれたとされる22世紀では、車の運転はおろかトイレなど世の中のあらゆるものが自動化されて、人間を助けてくれます。
「宿題を自動でしてくれるペン」とか「食べたら暗記できるパン」とか、先生はそれを見て「うわぁ、こんなものがあったら楽になるのになあ!」と感心したものです。
さすがに暗記パンは無理にしても、今では技術の進歩でその一部が実現できるようになってきました。長崎ハウステンボスの「変なホテル」では、人間ではなくロボットがお客さんにサービスをしています。「自動で運転してくれる車」は5年~10年後には登場していることでしょう。(50年後には空を飛んでいたりして!?)
またロボットだけではなくAI(人工知能)もすごい勢いで発達し、昨年にはなんと一人の人間の命を救ったこともありました。
白血病(血液のガン)と診断されたある患者が、薬による治療を続けてもまったく症状が回復せず、このままでは死んでしまう可能性まであったそうです。
ワトソンというこのAIは、2000万件にものぼる医学論文と1500万件の薬の効果を学習しています。このAIに患者のDNA情報や症状を入力したところ、「この患者は特殊な白血病ではないか」「別の薬に変えたほうが良い」というアドバイスを出したのです。
このアドバイスに従い医者が薬を変えたところ、それまでまったく良くならなかった病状がみるみる回復し、患者は半年後に退院することができました。
コンピュータや機械は、人間には不可能なスピードや量を処理することができます。いくら勉強熱心な医者でも、これほどの色々な病気をすべて暗記することは不可能でしょう。
ですから「これから医者はいらなくなる」「これからはロボットとAIが何でもやってくれる」「人間は何もしなくても生きていけるようになる」と極端なことを言う人もいるようですが、はたして本当にそうでしょうか。
もしお医者さんがロボット(AI)になった場合、もしその治療によって病気が悪くなったら、ましてや命を落としてしまったら、誰が責任を取るのでしょう。そのロボットを操作した人間でしょうか。そのロボットを置いている病院でしょうか。それともロボットを作った会社でしょうか。
ロボットが出した判断が正しいかどうか、またその治療を行うかどうかを判断して、最終的に責任を取るのはやはり人間であるべきです。ということは、ロボットを使う医者も、ロボットと同じくらいのことはできなくてはならないでしょう。
どれだけ技術が進歩しても、その技術を使う人間もまた進歩していかなくてはならない。先生はそう考えます。
便利な世の中になって人間が考えることをやめてしまうとき、それは世の中がロボットとAIに支配される日なのかもしれませんよ???