170227学年の変わり目です。受験に向けて準備をしている人、先を見て学習に励んでいる人、様々いると思います。そのような忙しい時期には目の前の物事に追われて、心に余裕がなくなってしまうものです。だからこそ周りに心配りをして欲しいのです。

プリンターなどでおなじみのリコー創業者、市村清さんのお話です。
市村さんは銀座に土地を購入しようとしていました。当時の銀座は老舗のお店ばかりでなかなか譲ってくれる人はでてきませんでした。ある雪の日に市村さんは交渉のため老舗の婦人を訪ねますが、彼女は顔さえ見せてくれませんでした。翌日、婦人が市村さんの申し出を正式に断るために市村さんの会社を訪ねます。雪道はぬかるみ、会社に着いた頃には衣服も履物も汚れていました。それを見た事務員が婦人の雪を払い、自分のスリッパを準備して、凍える身体を包み込むようにして案内をしました。感激した婦人は「事務員さんへの行き届いた指導を見て、あなたを信用する気になりました」と土地を譲る決断をされたそうです。そこには銀座三愛ドリームセンターが建っています。

事務員さんの対応のすばらしさが挙げられています。客人をもてなすことは当たり前かもしれませんが、ひとつひとつの心配りで目的であった土地が手に入ったという凡時徹底の大切さを説いたお話です。

ですが、この話の真のすばらしさは、その心配りを受け止められる婦人の器の大きさにあるように感じます。相手の言葉や行動を受け止めて感謝できる気持ちはとてもすばらしいのではないでしょうか。市村さんもこの土地を受け継ぎ大切に使おうと考えたのではないかと思います。

みなさんも、親や友人、先生から励ましの言葉をかけられていると思います。時にはその言葉が重たくて苛立ったり、煩わしく思うこともあるかもしれません。ですがしっかり受け止めて自分の力に変えて目標を達成してください。