例えば2時間机に向かって勉強したとき、みんなはどれぐらい集中できているかな?
最初から最後まで2時間ずっと集中できる人はいないよね。
1時間半? 1時間? 30分?
まさか5分っていうことはないよね・・・!?
以前、双子の会員が小学校6年生から中学3年生まで通っていたことがあるんだ。
一卵性双生児なので、顔も姿もまったく同じ。見た目の違いはほっぺたにホクロがあるかないかだけ。でも、この二人、成績はまるで違ったんだ。
弟の方は成績優秀で野球部でも大活躍。なによりまじめで、さわやかで、きっちりしている。ところが兄の方は成績がひどく、運動も苦手で、座る姿勢も悪いし、忘れ物も多い。
同じ遺伝子をもって、同じ家庭に生まれ、同じように育てられてきた二人が、生後十年ちょっとで、見た目は同じでも、学力も性格もまるで違うふうに成長していたんだ。
この経験から「生まれつきの能力の差はほとんどない。その後の生き方で能力の差がうまれる。」ということに確信を持ったんだ。
さっきの質問で1時間30分の子と、1時間29分の子との差はたった1分。
でも、1日1分の差が1年で365日積もれば、365分で約6時間。10年間で60時間の差になる。
1日5分の差だったら10年間で300時間。
1日30分だったら1800時間。なんと75日分の学習量の差になるんだ。
ただの勉強時間ではないよ。「集中して」がんばっている勉強時間の差がこんなに日々広がっていっているんだ。
いいかい。これからは、だらだらと勉強時間をいくら増やしてもダメ。集中してがんばっている勉強時間を増やすんだよ。ライバルと1日1分でも差をつけることができたら、やがて大きな差になって返ってくる。
自分が集中できているかどうかわからないかな? 簡単にいえば、口や手が動いているときが、集中できているときだよ。音読したり、鉛筆を走らせたりしている時間が大事なんだ。
人の話を聞くときも、なんとなく聞くんじゃなくて、耳から入ってきた言葉を、心のなかで自分の声で繰り返すんだ。
口や手を動かす時間を、これからどんどん増やしていこう!