君たちは電車に乗りますか?
先生は 少し前に滋賀県を走る「信楽高原鐵道(てつどう)」という電車に乗って、信楽という所まで行きました。たぬきの焼物で有名な町ですね。
信楽高原鐵道は、のんびりとした各駅停車のローカル線です。経営難や事故などが原因で、幾度となく廃線の危機に瀕してきました。ですがそのたびに地元の人々の努力によって、危機を乗り越え、今現在でも住民の大切な移動手段として走っています。 車掌さんも終点の信楽駅の駅員さんも、親切で温かい人たちでした。(信楽焼のたぬきもいっぱいお出迎えしてくれました)
そんな地元の人の大切な足として守られてきた電車ですから、当たり前のことですが、よそから来た先生は、失礼のないように、マナーを守ってちゃんとして乗らなきゃ、という気持ちにさせられました。
電車にはいろんな人が乗ってきますね。いつも見る顔もありますが、知らない顔もたくさんある。でも、みんなが同じ電車に乗り合わせた、同じ時間を共有する者同士です。いかにその時間を良いものにするかは、一人ひとりにかかっています。
君たちも、電車の乗客のようなものだと考えてみましょう。ティエラの講習会や合宿を電車だとすると、それを走らせるのは君たちです。
講習会では、普段の仲間だけでなく一般生の人たちもたくさん教室にきます。君たちが率先して「16のきまり」を守り、先輩としてしっかりと見本を見せれば、新しい仲間たちも負けずに頑張ろうと思うでしょう。
また合宿では、他の県や地域の初めて会う人たちと一緒に行動します。一人ひとりが一生懸命になり、自分にできることを考え、みんなを思いやれば、全員が笑顔の合宿になるでしょう。 しかし、どんな場面でも、自分が楽をすることだけ考えて努力を怠れば、たちまち君たちの電車は故障して止まってしまうでしょうね。
みんな同じ目的を持って、この夏、講習会や合宿に参加します。その目的とは、「成長した自分に出会うこと」しかないでしょう。それは、自分一人で得られるものではなく、仲間との切磋琢磨や協力によって得られるものです。「成長した自分」という駅に着くまで、ときには急な上り坂や思わぬトラブルがあるかもしれませんが、同じ電車に乗り合わせた者同士、一人ひとりが努力すれば、電車はきっと順調に走っていくはずです。
この夏、君たちの「成長したい」という思いと努力で、みんなの電車が今まで見た中で一番素晴らしい風景の駅に到着するよう、願っています。