やがて全ての受験生が受験を終わらせます。
ゲームやテレビを我慢し、ときには寝る時間を削ってまで勉強する姿を数多く見てきました。目標に向かって、必死に頑張り続けるかっこいい姿です。
さて、この頑張りは一体どこにつながっていくのでしょうか。
皆さんは「太陽の塔」って知っていますか?
昔のことなので皆さんは知らないかもしれないですが、愛知万博の前に日本で開かれた万博、「大阪万博」のときに建てられた塔です。
この太陽の塔には3つの顔があり、それぞれの顔にはメッセージがこめられていると言われています。
<塔の背面>無表情な顔をした黒い顔があります。
これは、一部の人々が、物の豊かさや経済的発展を求めるあまり、人の不幸、例えば公害を生み出した、「過去」を意味しています。
<塔の正面>苦しい顔をした白い顔があります。
これは、急速に技術や産業が発展していく中で、自然が破壊され、人間の心まで破壊されていくことに苦しんでいる様子、万博当時の「現在」を意味しています。
<塔の頂上>黄金の顔があります。
「過去」と「現在」を受けて、物の豊かさだけでなく、自然との調和や人の心の豊かさも求める姿を表しています。これから進むべき「未来」を意味しています。
大阪万博が開催された当時は、「科学技術の進歩が社会を豊かにして、人を幸せにする」と皆が思っていた時代です。
だから、科学技術に合わない太陽の塔の建設は多くの人に猛反対されたようですが、塔を作った岡本太郎さんは「人間の本当の豊かさ」を求めて建設を進めました。
大阪万博が終わり、太陽の塔は、ほかのパビリオンと同様取り壊される予定でした。しかし、「撤去反対」の大署名運動が巻き起こり、パビリオンでの中では太陽の塔だけが残りました。建設を反対された太陽の塔だけが、40年以上たった今でも緑あふれる万博記念公園の中に残っています。
そして、皆さんのよく知る愛知万博、「愛・地球博」へとつながっています。
さて、冒頭の”頑張りのつながる先”ですが、受験勉強も講習会の勉強も、努力して入学した学校での勉強も、大阪万博のようにいつかは終わります。そのときに残るものは「何を目標に努力したか。そして、目標に向かって頑張った自分、立ち向かった自分」だけです。志望校に合格した、講習会の宿題を終わらせた。これらもとても大切なことですが、「どんな目標を立てたか、どのように合格したか、どのように宿題を終わらせたか」が、何十年と皆さんの心に残り皆さんを支え続ける、結果以上に大切なこと。そんなことを太陽の塔は教えてくれて
います。
講習会がスタートします。
自分の目標をもう一度確認し、講習会が終わった後も、自分の誇りとなるような勉強にしていきましょう!