みなさんの住んでいる町や土地には有名なものや自慢できることはありますか?
先生の住んでいる山口県は、全国的には歴史の町として有名かもしれません。明治維新の時には山口県出身の歴史上の人物もその中心にたくさんいましたし、有名な場所もたくさんあります。山口に来たときにはたくさん巡ってほしいなと思います。
しかし、今日は全く新しい、山口発信の全国的にも有名な「お酒」のお話をしたいと思います。「獺祭」(だっさい)というお酒です。ひょっとすると、みなさんのお家の方が飲んだことのあるものかもしれませんね。これを作っている会社が山口県岩国市にあります。旭酒造という会社です。商品名の由来としては、会社がある場所の「獺越(おそごえ)」という地名から取ってつけたそうです。
日本酒を飲む人が年々減ってきている中で、8年前くらいから右肩上がりに急成長を続けているのがこの旭酒造です。このお酒は現在、非常に注文が殺到しており品薄状態にあります。手元に届くのが1か月先になるくらいの商品です。
みなさんはまだ飲むことができませんのでお酒の細かい説明はしませんが、
今日はこれを造っている「旭酒造」という会社のすごいなあというところを紹介します。
①本社がある場所は「過疎地」
有名であったり、規模が大きな会社は大都市にあったりというイメージもありますが、実はこの旭酒造がある「岩国市周東町獺越」という場所は、びっくりするくらいの「過疎地(かそち)」です。例えば、この近くにある小学校の全校生徒は9名です。ほとんど人が住んでいないのです。皆さんの学校のクラスの人数よりも少ないのではないでしょうか。周りには大きなお店もコンビニもない。周りを山に囲まれた静かな、とっても小さな町。
全国でも有名なものを造っている工場があるなんて!先生はこのことが一番びっくりしました。
②杜氏ではなく、「会社の社員」がつくるお酒である
お酒は普通、「杜氏(とうじ)」と呼ばれるお酒を造る責任者の下で作られます。杜氏は「お酒造りのプロ」です。この人たちが造って、会社の社員がお酒を販売する。普通はこの形です。しかし、このお酒を造っているのは、この会社の社員。専門はお酒を販売する人なのです。つまりお酒づくりにおいては素人だったわけです。
ここに至るには色んなきっかけがあったそうですが、一番は「自分の理想のお酒が造りたかった」。社長さんが理想にしていた味にどうしてもできず、杜氏と意見が分かれてしまったそうです。そして出した結論は「自分で造る」。
元々この酒蔵の息子であった社長さんは、今までの自分の経験と知識を活かして現在の
獺祭を造り上げていきました。
理想へ近づけるためには「妥協」をしない。そんな信念を感じます。
③世界へ目を向ける
現在の旭酒造の目標は「世界で成果を出す」こと。狭い日本を飛び出して、世界にこのお酒を広めたい。
「世界で売れなければ日本酒の未来はない」という強い信念のもとに、世界で勝負を挑もうとしています。進出先はフランスだそうです。
それは何故か?フランスは食に対してのこだわりが非常に強く、例えば市場規模の大きいアメリカで売れるには、まずフランスで認められないと難しいといわれるほどだそうです。それだけこの場所で売れることが重要なんですね。
実は、今年の3月に「第一号店」のお店をオープンして獺祭を売り出しています。
世界挑戦はまだ始まったばかりです。
何かに挑戦しようとする時、今の自分の実力や環境で達成できる目標を決めるのではなく、
「自分は何をしたいのか」を一番に考えて行動することが重要であると、先生はこの話しを知った時に改めて感じました。
例えば今回で言えば「理想のお酒を造りたい」そして「世界へ日本酒を広めたい」という想いだったのかもしれません。決して簡単ではなかったでしょうし、たくさんの困難もあったでしょう。しかし、それらを全て乗り越えて今がある。
全国で知ってもらえるような会社が、地元の山口県から出てきたことを先生は誇り思いますし、とても勇気をもらいます。全国のみなさんに故郷を知ってもらえることが先生はととても嬉しいです。
能開での取り組み、例えば毎回のテストやゼミ、一週間の家庭学習や講習会・合宿では、みなさんがそれぞれ目指していく、夢や未来を「自ら切り拓く力」を養っています。
宿題が大変だなと感じることもたくさんあるでしょう。ノートを上手にまとめることができない・・・今この時期だからこそある悩みかもしれませんね。
しかし、だからこそ、力がつく。本物の実力を身につけることができる。困難なき道に成長はありません。
「今の自分だったら、このくらいを目指せそう」ではなく。本当に目指したい、達成したい目標は何なのか。それを描いて努力することが何より大切です。みなさんの可能性は
無限大です。やりたいと思うこと、なりたいと思う自分を思う存分描いて、全力で突き進んで下さい。結果は出たときにしっかり受け止めればOK。次はどうするかを考えよう。
幾多もの試練を乗り越えて、地元・日本・世界で活躍できる人材となってください。
先生も山口から応援しています!